黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。
2024年6月27日
キャッシュレス
QRコード決済
スマホ決済
キャッシュレス決済とは、現金をつかわずに支払いをする方法のことです。今や生活に身近になったキャッシュレス決済ですが、「具体的にどのような仕組みで決済が行われているのだろうか」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。キャッシュレス決済の導入を検討する上でも、キャッシュレス決済にはどのような種類があり、それぞれどんな仕組みになっているかを知ることはとても大切です。
ここでは、キャッシュレス決済の仕組みについて、種類ごとに解説していきます。
キャッシュレス決済とは、現金、つまり紙幣や硬貨といった物理的なお金をつかわずに支払いをする決済手段のことです。キャッシュレス決済にはいろいろな種類がありますが、代表的なものに「クレジットカード決済」「デビットカード決済」「電子マネー決済」「QRコード決済」があります。このうち、最も利用者が多いのはクレジットカード決済ですが、最近では、QRコード決済などほかのキャッシュレス決済を日常的に利用する人や、複数のキャッシュレス決済をつかいわける人も増えています。
キャッシュレス決済の精算は、「前払い(プリペイド型)」「即時払い(デビット型)」「後払い(ポストペイ型)」のいずれかです。下記の図のとおり、精算方法は利用する決済方法や決済サービスによって異なります。
■精算方法別・キャッシュレス決済の特徴
たとえば、上述したキャッシュレス決済のうち、クレジットカード決済は後払い、デビットカード決済は即時払いです。電子マネー決済は前払いであることが多いですが、QRコード決済のように、利用者が設定する支払い方法によって、3種類のすべてに対応できるものもあります。
それぞれの精算方法について詳しく見ていきましょう。
前払い(プリペイド型)は、電子マネーやスマートフォンの決済アプリなどにあらかじめお金をチャージしておき、チャージした範囲内で支払いをする方法です。まえもってチャージする手間はかかりますが、利用できる金額が決まっているので、つかいすぎ防止になるというメリットもあります。
即時払い(デビット型)は、利用した金額がすぐに預金口座から引き落とされる方法で、デビットカードが代表的です。チャージする手間はなく、口座残高を超える金額の利用はできないため、つかいすぎる心配はないでしょう。ただし、クレジットカードのように分割払いはできず、一括で引き落とされます。
後払い(ポストペイ型)は、クレジットカードのように、利用金額が後日指定した預金口座から引き落とされる方法です。所定の期間内に利用した金額が、あらかじめ定められた支払日にまとめて引き落とされます。手持ちの現金や口座残高が足りなくてもお買物ができます。
店舗にキャッシュレス決済を導入するには、決済事業者と直接契約する方法と、決済代行会社を利用する方法があります。
直接決済事業者と契約するには、利用したい決済サービスを運営する事業者へ個別に問い合わせをし、加盟店契約を結びます。直接契約なので、仲介業者を挟むよりも手数料は割安になることが多いですが、キャッシュレス決済サービスの種類ごとに手続きをしなければいけないため、手間がかかります。
一方、決済代行会社を利用すると、複数のキャッシュレス決済サービスをまとめて契約することが可能です。さまざまな種類のキャッシュレス決済を一括して導入でき、手続きや管理の手間が軽減されますが、直接契約に比べて手数料が高くなる場合があります。
また、キャッシュレス決済では、基本的に、クレジットカードやICカード、スマートフォンのアプリなどに記録された情報を専用の決済端末で読み取って決済を行います。そのため、キャッシュレス決済の導入にあたっては、決済端末の設置が必要になり、その分の初期費用がかかることが一般的です。
ただし、QRコード決済の場合、店頭に掲示したQRコード(バーコード)を利用者のスマートフォンで読み取るユーザースキャン方式を採用すれば、決済端末は不要です。
では、キャッシュレス決済の種類ごとに具体的な仕組みを見ていきましょう。
クレジットカード決済は原則として、利用者、店舗、クレジットカード会社の3者によって成り立っています。クレジットカード決済の仕組みは下記のとおりで、精算方法は、すべて後払いです。
■クレジットカード決済の仕組み
利用者がクレジットカードで決済した利用代金は、クレジットカード会社が一時的に立て替えて店舗に支払います。このとき、利用代金から所定の決済手数料が差し引かれます。その後、定められた支払日になると、クレジットカード会社は利用者の預金口座から一定期間の利用代金をまとめて引き落とす仕組みです。なお、利用者は、1回払いのほか、分割払いやリボ払い、ボーナス払いなど、都合に合わせて支払い方法を選ぶこともできます。
店舗でクレジットカード決済を利用する場合、決済端末にカードを差し込み、暗証番号の入力またはサインをするのが基本的な流れです。最近では、決済端末にカードをかざすだけで支払いが完了する、タッチ決済機能が付帯されたクレジットカードもあります。
クレジットカード決済は国内で最も多く利用されているキャッシュレス決済で、利用できるシーンも幅広く、預金口座の残高が不足していてもつかえるというメリットがあります。一方で、衝動買いやつかいすぎに注意が必要です。また、クレジットカードを発行する際には審査が必要です。
なお、店舗がクレジットカード決済を導入する際にも、加盟店審査が行われます。
クレジットカード決済については、下記の記事をご覧ください。
タッチ決済については、下記の記事をご覧ください。
デビットカード決済は、支払いを行うと同時に、登録した預金口座から利用代金が引き落とされる即時払いです。デビットカード決済の仕組みは下記のとおりです。
■デビットカード決済の仕組み
デビットカードは、クレジットカードとは異なり、銀行などの口座を持っている15歳以上の人(中学生を除く)なら、原則として審査不要で発行が可能です。デビットカードで利用できる金額は、最大でも口座残高の範囲内なので、つかいすぎのリスクを軽減できます。その反面、口座残高以上の利用ができなかったり、1回払い以外の支払い方法を選べなかったりするなどのデメリットもあります。
デビットカード決済については、下記の記事をご覧ください。
電子マネーとは、ICカードやスマートフォンでつかえる電子データ化されたお金のことです。電子マネー決済は、ICカードやスマートフォンのアプリにあらかじめ現金をチャージする前払いが一般的で、仕組みは下記のとおりです。
■電子マネー決済の仕組み(ICカードにチャージして利用する場合)
また、電子マネーの場合は、前払い以外にも、預金口座から直接引き落とされる即時払いや、クレジットカードと連携できる後払いを選択できる場合もあります。たとえば、ドコモの「iD」は、前払い、即時払い、後払いの3つの支払いタイプを選べます。
電子マネーについては、下記の記事をご覧ください。
QRコード決済は、スマートフォンの決済アプリと、QRコード(バーコード)を利用した決済方法です。QRコードやバーコードを読み込むことで、利用者の決済アプリに登録したクレジットカードや預金口座、電子マネーなどから支払いが行われます。あらかじめ決済アプリにお金をチャージしておく前払いのほか、預金口座またはデビットカードを決済アプリに登録する即時払い、クレジットカードを登録して支払う後払いも可能です。
■QRコード決済の仕組み
QRコード決済は、利用額、利用件数ともに、急激な伸びを見せているキャッシュレス決済です。ほかのキャッシュレス決済と異なる特徴としては、個人間送金の機能が挙げられます。QRコード決済の個人間送金とは、同じアプリを利用している人同士で送金ができる機能です。個人間送金ができると、銀行の営業時間外に急いで送金したいときや、複数人で割り勘をするときなどにも便利です。
一方、QRコード決済のデメリットとしては、スマートフォンに依存した決済方法であることから、スマートフォンが充電切れや故障などでつかえなくなると、QRコード決済も利用できません。
なお、QRコード決済の導入時は、利用者がスマートフォンのアプリで表示させたコードを店舗が決済端末で読み取るストアスキャン方式と、店頭に掲示しているQRコードを利用者がスマートフォンで読み取るユーザースキャン方式の2種類を選択できます。ストアスキャン方式の場合は、レジと連動したバーコードリーダーなどが必要になりますが、ユーザースキャン方式なら決済端末が不要なので、少ない費用負担でQRコード決済を導入できます。
QRコード決済については、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済には、主に「クレジットカード決済」「デビットカード決済」「電子マネー決済」「QRコード決済」があり、それぞれ仕組みが異なります。キャッシュレス決済の導入を検討するなら、種類ごとの仕組みの違いをしっかり把握しておくことが大切です。
なかでも、新たにキャッシュレス決済を導入する際におすすめなのが、ドコモのd払いです。d払いは、スマートフォンのアプリをつかって行うキャッシュレス決済です。d払いなら、9,000万人を超えるdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップが見込めるでしょう。
また、ドコモでは、d払い加盟店で利用できる「スーパー販促プログラム」を提供しています。「スーパー販促プログラム」をつかえば、お客さまに加盟店からのメッセージやキャンペーン情報を配信でき、集客や利用単価アップといった施策ができるようになります。
キャッシュレス決済の導入をお考えの場合は、ぜひ、ドコモのd払いをご検討ください。
スマートフォンからでもダウンロードいただけます
よくあるご質問
キャッシュレス決済の仕組みは?
キャッスレス決済とは、現金(紙幣や硬貨)を使わずに支払う方法です。
精算方法は、3種類存在します。
・後日、指定された口座から引き落とされる後払い
・あらかじめお金をチャージした範囲で支払いを済ませる前払い
・利用すると同時に指定口座から引き落とされる即時決済
クレジットカード払いの仕組みは?
クレジットカード払いは、利用者の支払代金をクレジットカード会社が一時的に立て替えます。カード会社は決められた支払日に、利用者の指定口座から一定期間の利用料金を引き落します。支払回数は選べますが、すべて後払いとなります。
電子マネー決済はどうやるの?
ICカードやスマートフォンで使える決済方法です。あらかじめ現金をチャージしてその範囲で支払う方法が一般的ですが、銀行口座から直接引き落とす方法や、クレジットカードと連携して支払う方法も選ぶことができます。
監修者プロフィール
黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。
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