キャリア決済とは、商品の代金を携帯電話料金と合算して支払う決済サービス
キャリア決済とは、商品やサービスの購入代金を、月々の携帯電話料金と合算して支払う決済サービスのことです。
キャリア決済の「キャリア」とは携帯電話向けに通信事業の認可を受けた携帯電話事業者のことで、特に、ドコモ、KDDI、ソフトバンクなどは、大手キャリアと呼ばれることがあります。
キャリア決済は、Webサイト上で決済手続きが完結するECサイトやWebサービスなどで利用可能です。決済時に現金やクレジットカードを用意する必要がなく、各キャリアのIDやパスワードなどを入力するだけで決済が完了します。
キャリア決済サービスの種類と支払方法
各キャリアでは、下記のようなキャリア決済サービスが提供されています。
<各キャリアのキャリア決済サービス>
- ドコモ:d払い(電話料金合算払い)、docomoコンテンツ決済
- KDDI:au PAY(auかんたん決済)
- ソフトバンク:ソフトバンクまとめて支払い
キャリア決済は、携帯電話の契約時に各キャリアと利用者とのあいだで本人確認や支払方法の設定が済んでいるため、決済時にクレジットカード情報などを入力する必要がありません。各キャリアのIDでログインし、パスワードを入力するだけで決済が完了します。支払手順は下記のとおりです。

クレジットカードを必要としないので、クレジットカードを持っていない人や、Webサイト上でクレジットカード情報を入力するのが不安な人でもあんしんして利用できます。
また、EC事業者がキャリア決済を導入するには、各キャリアとの加盟店契約が必要になりますが、原則として各キャリアが代金の立替払いをするので、代金未回収リスクを防ぐことができます。
キャリア決済は、利用者とEC事業者の双方にとって、決済手続きの手間を軽減できる便利なサービスといえるでしょう。
d払いの代金未回収リスク回避については、下記の記事をご覧ください。
ECサイトで導入すべき決済方法は?種類や選び方を詳しく解説
d払いの特徴
「d払い」は、ネットショッピングの利用代金やオンラインゲームでのプレイ料金などを、ドコモ回線の携帯電話料金と合算して支払える決済サービスです。
利用者側とEC事業者側にわけて、それぞれの特徴を見ていきましょう。
・利用者側
ドコモと回線契約している人なら誰でもd払いのキャリア決済を利用でき、ご利用限度額は20歳未満の場合は1か月最大1万円、20歳以上の場合は1か月最大10万円です。
また、ドコモでは、月々の携帯電話料金の支払いなどに応じてdポイントを進呈しています。このdポイントはd払いの支払いでもつかえ、商品やサービスの購入に利用する人も多くいます。
・EC事業者側
EC事業者にとっては、d払いを導入すれば1億人以上のdポイントクラブ会員に存在をアピールでき、dポイントをフックとした売上向上が期待できる点が大きな魅力です。
さらに、d払いはIDとパスワードの入力だけで簡単に決済が完了するため、サイト離脱を防ぎ、リピート率の向上もめざせます。ドコモとの共通キャンペーンなどにより、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。
d払いのつかい方については、下記の記事をご覧ください。
【店舗向け】d払いのつかい方は?導入メリットや決済方法を解説
- キャッシュレス
- QRコード決済
- スマホ決済
- 個人事業主
キャリア決済の仕組み
キャリア決済は、商品などを購入する利用者、商品を販売する事業者、各キャリアの3者によって成り立っています。主な流れは下記のとおりです。

<キャリア決済の仕組み>
1. 利用者がキャリア決済で商品やサービスを購入する
2. 事業者から各キャリアに決済情報を送信して、決済処理を実行する
3. 事業者から利用者へ商品などを引き渡す
4. 各キャリアが事業者に代金を立替払いする
5. 各キャリアは、代金を携帯電話料金と合算して利用者に請求。利用者が支払う
キャリア決済を導入するには、各キャリアと個別に加盟店契約を結ぶほか、決済代行会社に依頼する方法もあります。その場合は、各キャリアとの契約をはじめ、決済情報の通知や売上金の入金も決済代行会社がとりまとめて行います。
キャリア決済の利用例
キャリア決済は、スマートフォンひとつで簡単に支払いができる手軽さから、日常的なお買物からデジタルコンテンツの利用まで、幅広いシーンで活用されています。
キャリア決済の主な利用例は下記のとおりです。
<キャリア決済の主な利用例>
- ECサイトの支払い
- 音楽や動画などのサブスクリプションサービスの支払い
- アプリやゲーム内の課金
- 電子書籍・漫画コンテンツの購入
キャリア決済は、オンラインサービスとの相性が良く、少額決済や継続課金が発生するサービスで多く利用されている点が特徴です。
ECサイトの決済方法については、下記の記事をご覧ください。
ECサイトで導入すべき決済方法は?種類や選び方を詳しく解説
【事業者側】キャリア決済を導入するメリット
キャリア決済の仕組みを理解したところで、事業者側にとってキャリア決済を導入するメリットについてご紹介します。
<キャリア決済を事業者側が導入するメリット>
売上アップにつながる
キャリア決済を導入すれば、顧客の購入ハードルが下がり、売上アップにつながるメリットがあります。
現金やクレジットカードがなくても購入ができ、IDとパスワードなどの入力で簡単に決済が完了するため、購入までの手間を軽減できます。
また、定期購入や継続課金にも対応できるため、安定的な売上確保も期待できるでしょう。
新たな顧客層にアプローチできる
キャリア決済は、クレジットカードがなくても携帯電話回線さえあれば利用できます。
キャリア決済を導入することで、クレジットカードを持っていない若年層や、Webサイト上でのクレジットカード決済に不安を感じる人など、新たな顧客層にアプローチできるため集客アップが期待できるでしょう。
簡単に決済でき、離脱(カゴ落ち)防止につながる
キャリア決済は、各キャリアのIDでログインしたら、パスワードを入力するだけで決済が完了します。
支払手続きが簡単なので、商品をカートに入れたものの結局購入に至らない、いわゆる「カゴ落ち」と呼ばれるサイト離脱を防ぐことができます。
代金未回収のリスクがない
キャリア決済では、決済完了後、各キャリアが利用者に代わって事業者に代金を支払います。事業者側が直接利用者に代金を請求することはありません。
商品やサービスの代金は各キャリアから入金されるため、未回収リスクを防ぐことが可能です。
業種・業態を問わず導入できる
キャリア決済は、さまざまな業種・業態で導入できるのもメリットのひとつです。
実店舗はもちろん、ECサイトやサブスクリプションサービス、デジタルコンテンツ販売など幅広いビジネスに対応しており、自社のサービス形態に応じて導入しやすい点が特徴です。
【利用者側】キャリア決済を利用するメリット
キャリア決済は、事業者側のメリットのほかに、利用者にとってもメリットがあります。キャリア決済を利用するメリットを確認してみましょう。
<キャリア決済の利用者側のメリット>
クレジットカードがなくても利用できる
クレジットカードがなくても利用できる点は、キャリア決済の大きなメリットです。キャリア決済は、本人名義の携帯電話を持っている人なら誰でも利用できます。クレジットカードのような年齢制限や、収入などによる審査もありません。
簡単・スピーディーな支払いが可能
前述したように、キャリア決済ではIDやパスワードなどを入力するだけで決済が完了します。クレジットカードのように、長い番号やいくつもの情報を入力する必要はありません。
また、利用にあたって申込みやアプリのインストールなども不要です。「購入したい」と思ったタイミングで、簡単かつスピーディーに支払いができます。
ポイント還元やキャンペーンがある
キャリア決済で決済をすると、利用金額に応じてポイントがたまる場合もあります。また、各キャリアがお得なキャンペーンを実施することもあります。たまったポイントは、お買物などの支払時につかえて便利です。
デジタルコンテンツの支出を管理しやすい
キャリア決済は、Webサービスのなかでも、特にデジタルコンテンツと相性のよい決済方法です。
たとえば、音楽や映像、ゲームなど、スマートフォンで利用することの多いデジタルコンテンツのサブスクリプションサービスは、毎月の携帯電話料金とまとめることで支出を管理しやすくなります。
キャリア決済を導入する際の注意点
利用者と事業者側の双方にとってメリットのあるキャリア決済ですが、導入する際には下記の点に注意が必要です。
<キャリア決済を導入する際の注意点>
導入コストや月額料金がかかる場合もある
キャリア決済は無料で導入できるケースもありますが、ECサイトとのシステム連携や決済環境の構築にあたり、初期費用や月額費用が発生する場合があります。
そのため、事前に導入コストを確認しておくことが重要です。
決済手数料がかかる
事業者がキャリア決済を導入すると、決済手数料が発生します。
クレジットカードなどほかのキャッシュレス決済でも決済手数料は必要ですが、キャリア決済はクレジットカードに比べてやや高めの設定になっていることが多くあります。
事業者で取り扱っている商品やサービスの価格と比べて、決済手数料の負担割合が大きくなりすぎないか、十分考慮することが大切です。
d払いの決済手数料については、下記の記事をご覧ください。
d払いの手数料はいくらかかる?導入メリットや注意点を解説
利用限度額が低い
キャリア決済の利用限度額は、月々数万円から多くても10万円程度と、クレジットカードに比べて低く設定されています。そのため、キャリア決済は少額の商品やサービスを販売する事業者に向いている決済方法だといえるでしょう。
各キャリアの審査が必要
キャリア決済を導入するには、クレジットカードなどと同様に審査が必要です。各キャリアの審査を受けてから契約の流れになります。審査基準は各キャリアによって異なります。
キャリア決済が向いている業種

キャリア決済には、向いている業種と向いていない業種があります。キャリア決済を導入する際には、一般的なメリット・デメリットに加え、事業者に向いているかどうかも検討する必要があるでしょう。
キャリア決済が向いているのは、次のような業種です。
<キャリア決済が向いている業種>
- ECサイト
- モビリティサービス
- コンテンツ販売サイト
ECサイト
オンラインで商品を販売するECサイトは、キャリア決済に向いています。
特におすすめなのは、少額の商品やサービスを多く取り扱っているサイトや、スマートフォンユーザーがメイン顧客層となるECサイトです。
比較的低価格帯のファッション、コスメ、ギフト、フードデリバリーなどは、手軽に購入できるキャリア決済との親和性が高いといえます。
また、クレジットカードを作れない学生など、若い世代をターゲットとしている場合、販売機会の損失を防ぐ効果が期待できます。
モビリティサービス
キャリア決済は、モビリティ関連サービスにも向いています。
たとえば、タクシー配車アプリやレンタカー、駐車場、自動車シェアリングなどのサービスでは、スマートフォン上で完結する決済手段として利便性が高く、スムーズに利用できます。
コンテンツ販売サイト
スマートフォンを介して提供される低単価のデジタルコンテンツや、アプリ上での課金、サブスクリプション方式で毎月継続的に支払いが発生するようなサービスは、特にキャリア決済と相性がよいといえます。
電子書籍や音楽配信、オンラインゲーム、スポーツ中継など、スマートフォンで利用するサービスに適しており、少額決済や継続課金にも対応できます。
キャリア決済を導入することで、「スマートフォンで利用するサービスの支払いを一本化したい」という利用者ニーズにも応えることが可能です。
キャリア決済の導入方法
事業者がキャリア決済を導入するには、「各キャリアへ直接申込んで導入する」または「決済代行会社経由で導入する」といった方法があります。
それぞれの導入方法について解説します。
各キャリアへ直接申込んで導入する方法
各キャリアへ直接申込んで導入する場合は、審査、契約、システム連携という流れで進みます。
一般的にはWebサイトから申込みができ、事業内容がわかる内容や書類の提出が求められ、各キャリアの審査を経て契約が締結されます。
導入の詳細な流れについては、各キャリアの公式ページで確認することが重要です。
各キャリアへ直接申込む場合は、決済代行会社を利用する場合と比べて、費用体系がシンプルになるケースがあります。また、キャリアが実施する加盟店向け施策の案内を受けられる場合もあります。
導入したいキャリア決済サービスが決まっている場合は、各キャリアへ直接問い合わせる方法も選択肢のひとつです。
一方で、複数のキャリア決済サービスを導入する場合は、それぞれのキャリアと個別に契約を結ぶことになり、手続きに手間がかかります。キャリア決済を導入するためのシステム構築や、導入後の入金サイクルなどは、キャリアごとに異なる可能性もあるため注意が必要です。
ECサイトにd払いを導入する方法については、下記の記事をご覧ください。
d払いでECサイトの売上アップ
決済代行会社経由で導入する方法
キャリア決済は、決済代行会社を介しての導入も可能です。
決済代行会社とは、EC事業者と決済サービス提供会社のあいだに立ち、決済サービスの導入や管理などを代行する会社のことです。
決済代行会社を利用すると、複数のキャリア決済サービスを一括で導入でき、事業者は手続きや管理がスムーズになります。システム開発やセキュリティ対策なども決済代行会社が請け負ってくれるため、直接申込む場合に比べて導入時の負担を軽減できるでしょう。
さらに、決済代行会社はさまざまな決済サービスに対応しているので、クレジットカード決済やコンビニ決済など、キャリア決済以外の決済方法を導入したい場合もまとめての依頼が可能です。
ただし、決済代行会社を経由して導入すると、直接申込む場合よりも手数料は高くなる可能性があります。手数料の種類や金額は決済代行会社によって異なるため、導入にあたっては各社から見積もりを取って比較検討するとあんしんです。
キャリア決済の導入にかかる費用
キャリア決済の導入にあたっては、導入方法や契約先によっては、初期費用が必要になる場合があります。また、導入後は、お客さまがキャリア決済を利用するごとに決済手数料が発生するほか、月額費用や決済サービス手数料などがかかることもあります。
キャリア決済の導入にかかる主な費用は、下記のとおりです。
どのような費用がかかるか、金額がいくらかなどは契約先によって異なるため、EC事業者は導入前にしっかりと確認しておくことが大切です。
<キャリア決済の導入にかかる費用>
初期費用
初期費用とは、キャリア決済の導入時に発生する費用です。
システムの導入などに必要な費用で、支払いは導入時の1回のみです。
月額費用
月額費用とは、キャリア決済システムの利用や運用にかかわる月額の固定費のことです。
キャリア決済の利用の有無や決済件数にかかわらず、毎月一定額の支払いが発生します。
決済手数料
決済手数料とは、お客さまがキャリア決済を利用された際に、ECサイトや店舗側の事業者が決済事業者に支払う手数料のことです。
決済手数料の金額は、「決済額の◯%」というように決められており、決済サービスの種類や決済事業者によって異なります。
決済サービス利用料
決済サービス利用料とは、決済代行会社経由でキャリア決済を導入した際に発生する料金です。
決済金額に応じて、決済代行会社へ決済サービス利用料を支払います。
トランザクション費用
決済代行会社によっては、トランザクション費用が必要になることもあります。
トランザクション費用とは、決済データに基づいて決済処理を行うために必要な費用で、決済ごとに発生します。
振込手数料
決済事業者によっては、キャリア決済による売上の口座への入金の際に、振込手数料がかかる場合もあります。
一般的に振込手数料はEC事業者が負担するため、売上の振込頻度が高くなるにつれ、負担額も増えていきます。入金サイクルの検討には、資金繰りと振込手数料のバランスを考慮することが大切です。
d払いでECサイトやコンテンツ販売サイトにキャリア決済を導入しよう
キャリア決済とは、商品やサービスの購入代金を月々の携帯電話料金とまとめて支払う決済方法のことです。IDとパスワードの入力だけで決済でき、クレジットカードも不要なため、「簡単・手軽につかえる」と利用者にも人気です。
特に、商品・サービスを販売するECサイトやコンテンツ販売サイトの事業者にとって、キャリア決済を導入することで売上アップや新規顧客獲得に役立つでしょう。
また、ドコモの「スーパー販促プログラム」は、d払いの加盟店を対象に施策を実施できます。このスーパー販促プログラムは、dポイント会員基盤を活用した法人向けプログラムのことで、集客や分析、利用単価アップといったことができるようになります。
キャリア決済を導入する際には、ぜひd払いをご検討ください。
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