キャッシュレス決済とは、現金をつかわない決済方法のこと
キャッシュレス決済とは、現金、つまり紙幣や硬貨といった物理的なお金をつかわずに支払いを済ませる方法のことです。
キャッシュレス決済にはいろいろな方法がありますが、主に、カードをつかって決済する方法とスマートフォンをつかって決済する方法に大別されます。カードをつかうキャッシュレス決済には、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード(電子マネー)などが挙げられます。また、スマートフォンをつかう決済方法は、QRコード決済・バーコード決済が代表的ですが、非接触型決済やキャリア決済なども多く利用されています。
そのほか、日常のお買物でつかう機会は少ないものの、従来から広く利用されている口座振替や小切手なども、広い意味ではキャッシュレス決済のひとつです。
■キャッシュレス決済の種類
拡大するキャッシュレス市場
経済産業省が発表したデータによれば、日本のキャッシュレス比率は、2022年に36.0%となりました。前年の2021年(32.5%)と比較すると、3.5ポイントの増加となっています。2017年以降の動向を見ると、キャッシュレス比率は毎年2ポイント以上増加していますが、近年さらに大きく伸びていることがわかります。
なお、経済産業省は、2018年4月に、日本のキャッシュレス化の方向性や方針などを定めた「キャッシュレス・ビジョン」を策定しました。この「キャッシュレス・ビジョン」では、キャッシュレス決済比率を2025年までに40%程度、将来的には世界最高水準の80%まで上昇させることを目標に掲げています。これらの背景から、キャッシュレス市場は今後ますます拡大していくと考えられます。
■キャッシュレス決済額及び比率の推移
なお、上記のキャッシュレス決済比率の内訳は、クレジットカードが83.5%、デビットカードが2.9%、電子マネーが5.1%、コード決済が8.6%でした。決済比率がもっとも高いのはクレジットカードですが、もっとも増加傾向にあるのは、QRコードやバーコードを使用したコード決済です。決済額は2018年と比較すると約70倍の規模に拡大しています。
一般社団法人キャッシュレス推進協議会が公開している「キャッシュレス・ロードマップ2023」の手段別の支払件数の推移を見ても、下記のグラフのように、コード決済が大きく伸びていることがわかります。
■キャッシュレス決済手段別の支払件数の推移
※参照:一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023」
キャッシュレス決済を利用するメリット
キャッシュレス決済を利用すると、「現金がなくてもお買物ができる」「支払いがスピーディー」「ポイント還元でお得になる」といったさまざまなメリットがあります。それぞれのメリットについて、詳しく見てみましょう。
現金の持ち合わせがなくても購入できる
キャッシュレスを利用すれば、現金がなくても支払いができます。
「外出先で欲しい商品を見つけたものの、現金の持ち合わせがない」という場合でも、購入をあきらめたり、現金をおろすためにATMを探したりする必要がありません。事前に現金を準備する手間も省けます。
スピーディーに支払いができる
キャッシュレス決済は、支払いが非常にスピーディーです。
現金をつかわないので、会計時に財布から現金を取り出したり、釣銭を受け取ったりすることがありません。キャッシュレス決済の種類によっては、店頭の決済端末にカードやスマートフォンをかざすだけで支払いが完了します。最近では、会計時の混雑緩和や会計ミス防止、人手不足解消のため、現金払いとは別にキャッシュレス決済専用のレジを設置している店舗も増えています。
ポイント還元がありお得にお買物ができる
ポイント還元などの特典があることも、キャッシュレス決済のメリットのひとつです。
キャッシュレス決済サービスを提供する会社では、それぞれ独自のポイントプログラムを展開しています。たとえば、クレジットカードやスマートフォン決済アプリをつかって支払いをすると、利用金額に応じてポイントが付与されることが一般的です。たまったポイントは、支払いにつかったり、ほかの商品に交換できたりするので、現金よりもお得にお買物を楽しむことができます。
支払履歴を確認できる
キャッシュレス決済のメリットには、支払履歴を確認しやすいことも挙げられます。
たとえば、現金の支払履歴を管理しようとすると、レシートなどを見ながら自分で記録をつける必要があります。しかし、キャッシュレス決済なら、Webサイトやアプリなどで支払履歴を確認できるものがほとんどです。わざわざ家計簿をつけなくても支払履歴を把握できるので、家計管理が楽になる上、無駄遣い防止にも役立つでしょう。
キャッシュレス決済の支払方法
キャッシュレス決済の支払方法には、「前払い(プリペイド型)」「即時払い(デビット型)」「後払い(ポストペイ型)」の3種類があります。
■精算方法別・キャッシュレス決済の特徴
前払い(プリペイド型)
前払いは、電子マネーやスマートフォン決済アプリなどにあらかじめお金をチャージしておき、チャージした範囲内で支払いをするタイプです。
まえもってチャージする手間はかかりますが、利用できる金額が決まっているので、つかいすぎ防止になるというメリットもあります。なお、電子マネーやスマートフォン決済アプリによっては、クレジットカードと連携させることでオートチャージが可能なものもあります。
即時払い(デビット型)
即時払いは、デビットカードに代表されるような、利用した金額がすぐに銀行口座から引き落とされるタイプです。口座残高を超える金額は利用できず、分割払いへの対応もありません。
後払い(ポストペイ型)
後払いは、利用した金額が後日指定した口座から引き落とされるタイプで、代表的なものがクレジットカードです。
お買物をしたいときに手持ちの現金や口座残高が足りなくても、支払いを先延ばしにできる点がメリットです。一方、利用した代金はカード会社が一時的に立替払いをすることになるため、クレジットカードの発行時には、収入や年齢、就業状況などの審査が行われます。
前払い、後払いの違いについては、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済の種類とは?前払い・後払い(ポストペイ)・即時払い
代表的なキャッシュレス決済の種類と特徴
代表的なキャッシュレス決済として、「クレジットカード」「デビットカード」「電子マネー」「QRコード決済・バーコード決済」について紹介します。それぞれの決済方法の特徴を見ていきましょう。
クレジットカード決済
クレジットカード決済は、国内で最も多く利用されているキャッシュレス決済です。
利用できるシーンも幅広く、実店舗やオンラインショップのほか、公共料金の支払いなども可能です。一般的に限度額が高めに設定されているため、高額のお買物にもおすすめといえます。
1回払いのほか、分割払いやボーナス払い、リボ払いなどさまざまな支払方法を選択でき、都合に合わせて支払計画を立てやすいというメリットもあります。利用金額はカード会社が立て替えて支払うシステムなので、店舗側にとっても代金が未回収になる心配がありません。
一方で、クレジットカードには入会時に審査があり、現金のように誰でもつかえるとは限りません。店舗がクレジットカード決済を導入する際にも、加盟店審査が必要です。
クレジットカードをつかった支払方法は、実店舗とオンラインショッピングで異なります。実店舗の場合は、店頭の決済端末にカードを差し込み、暗証番号の入力やサインをして決済するのが基本的な流れです。近年は、決済端末にカードをかざすだけで支払いが完了する非接触型決済も急速に普及しています。
オンラインショッピングの場合は、決済画面でカード番号などの必要情報を入力します。
クレジットカード決済については、下記のページをご覧ください。
クレジットカード決済とは?仕組みや導入方法、メリットを解説
デビットカード決済
デビットカードも、クレジットカードと同様に、カードをつかったキャッシュレス決済方法となります。
クレジットカードと大きく違うのは、デビットカードは決済と同時に銀行口座から利用金額が引き落とされる点です。
また、発行にあたって審査はなく、銀行口座を持っている人なら15歳(中学生を除く)から利用可能です。原則として口座残高以上の支払いはできないので、つかいすぎを防げる一方で、残高を超える金額のお買物には利用できません。
店舗にとってみれば、即時決済のデビットカードは代金未回収リスクを防げます。利用方法は、基本的にクレジットカードと同様です。
デビッドカード決済については、下記のページをご覧ください。
デビットカード決済とは?仕組みやメリット、導入時の注意点を解説
電子マネー決済
電子マネーとは、電子化したお金をつかった決済方法です。
大きくわけて「交通系」と「流通系」の2種類があり、専用カードやスマートフォンアプリなどにチャージしたお金で支払いを行います。また、電子マネーをクレジットカードやデビットカードと連携させる方法もあります。
交通系は各種公共交通機関の利用のほか、定期券としてもつかえること、流通系は発行する事業者の関連店舗での特典が充実していることが特徴です。利用時は、専用端末にカードかスマートフォンをかざすだけ。暗証番号の入力などは不要なので、利用するお客さま、店舗ともに会計時の手間がかかりません。
一方、各電子マネーにはチャージ限度額や1回あたりの利用限度額が定められており、高額なお買物にはつかいづらい傾向があります。事前に現金をチャージしてつかうタイプの場合は、チャージの手間がかかったり、支払履歴を確認しにくかったりといったデメリットもあります。
電子マネー決済については、下記のページをご覧ください。
デビットカード決済とは?仕組みやメリット、導入時の注意点を解説
QRコード決済・バーコード決済
QRコード決済・バーコード決済は、スマートフォンの決済アプリと、QRコードまたはバーコードを利用した決済方法です。
スマートフォンの画面に提示したコードを店舗側がスキャンする「ストアスキャン方式」と、店頭に設置したコードを利用するお客さまが読み込む「ユーザースキャン方式」の2種類があります。
■ストアスキャン方式とユーザースキャン方式の特徴
QRコード決済・バーコード決済の特徴は、「スマートフォンひとつで支払いが完了する」ということでしょう。現金はもちろん、カードもいらないので、財布やカードケースなどを持ち歩く必要がありません。店舗側にとっても、「できるだけ身軽な状態で外出したい」という顧客層を取り込むことができます。
反対に、スマートフォンを持っていなければ決済できないという点はデメリットにもなります。また、スマートフォンの電源が切れてしまったり、インターネット環境がなかったりすると決済はできません。
QRコード決済・バーコード決済については、下記の記事をご覧ください。
QRコード決済・バーコード決済とは?使い方やメリット、仕組みを解説
キャッシュレス決済の種類については、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済サービスはどれがいい?おすすめを比較して解説
キャッシュレス決済をつかいわける方法とは?
キャッシュレス決済にはいろいろな種類があり、それぞれメリットとデメリットがあります。キャッシュレス決済を利用するときには、どれかひとつに限定するのではなく、利用シーンや支払金額に合わせて上手につかいわけるとよいでしょう。
たとえば、少額の支払いをスピーディーに済ませたいときなどは、電子マネーやQRコード決済・バーコード決済が便利です。特に、QRコード決済・バーコード決済はスマートフォンさえあれば支払いができるので、「近所のお買物は財布を持たず身軽に出かけたい」「カードを取り出すのが面倒」という人にもおすすめです。一方で、高額商品の購入やネットショッピング、分割払いやボーナス払いなどの支払方法を選びたい場合は、クレジットカード決済が向いているといえます。
また、電子マネーやQRコード決済・バーコード決済のなかには、クレジットカードと連携させて利用できるものもあります。複数のキャッシュレス決済を利用できるようにしておき、その都度、効率良くポイントがたまる方法を選ぶのもひとつの方法です。
キャッシュレス決済を利用する際の注意点
便利でつかいやすいキャッシュレス決済ですが、注意点もあります。お客さまが利用する際の注意点を確認してみましょう。
セキュリティ対策を行う必要がある
キャッシュレス決済では、どうしても不正利用のリスクをゼロにすることはできません。
特殊な機器でクレジットカード情報を盗み取るスキミングや、偽のメールやサイトからカード情報を盗み出すフィッシング詐欺など、不正利用の手口は年々多様化しています。カードやカード情報は適切に保管し、あやしいサイトなどには決して情報を入力しないようにしてください。
また、スマートフォン決済でも、スマートフォンそのものを紛失したり盗難に遭ったりすると、不正利用される可能性があります。他人がつかえないようにロックをかける、顔認証や指紋認証といった生体認証を設定するなど、万が一に備えたセキュリティ対策を忘れないよう注意が必要です。
カード会社をはじめ、キャッシュレス決済を提供するサービス会社の多くでは、不正利用に対する補償制度が用意されています。利用履歴をこまめに確認し、もし身に覚えのない履歴があったら、速やかにサービス提供会社に連絡してください。
キャッシュレスのリスクとセキュリティ対策については、下記の記事をご覧ください。
スマホ決済やキャッシュレス決済は危険?リスクやセキュリティ対策を解説
つかいすぎないよう意識する
キャッシュレス決済は便利な反面、「お金をつかっている」という感覚が薄くなり、ついつかいすぎてしまうことがあります。Webサイトやアプリなどで支払履歴を把握し、つかいすぎや無駄遣いを避けるよう意識しておくことをおすすめします。
特に、電子マネーやスマートフォン決済の精算方法として、クレジットカードを紐付けている場合は注意が必要です。クレジットカードは利用限度額が設定されており、それ以上はつかえません。「電子マネーだから」「スマートフォン決済だから」と思っていても、最終的な精算がクレジットカードだったために利用限度額に達してしまうケースもあります。
利用限度に達してしまうと、たとえば公共料金やサブスクリプションサービスなどの料金をクレジットカード払いに設定していた場合、それらの支払いが滞納となってしまうことがあります。キャッシュレス決済を利用するときには、最終的な精算方法が何かをしっかり把握しておくことが大切です。
電波状況によっては利用できない場合がある
スマートフォン決済などのキャッシュレス決済を利用するには、通信環境が必要不可欠です。
また、スマートフォン決済は、スマートフォンの充電が切れてしまうと利用できません。もし、災害などで停電や通信障害が起こると、キャッシュレス決済はできなくなります。
サービス加盟店でしか利用できない
キャッシュレス決済は、そのサービスの加盟店でしか利用できません。たとえば、クレジットカードはつかえても電子マネーには対応していない店舗もあります。
キャッシュレス決済を利用する際には、お買物をする店舗がつかいたいサービスに対応しているかどうかを確認しておきましょう。
キャッシュレス決済の導入については、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済の導入方法は?店舗のメリットや注意点も紹介
キャッシュレス決済を導入するならd払いがおすすめ
キャッシュレス決済には、クレジットカードや電子マネー、スマートフォン決済など、さまざまな種類があります。いずれの方法も、「現金の持ち合わせがなくてもお買物ができる」「支払いの手間がかからずスピーディー」「支払履歴を管理しやすい」などのメリットがあり、キャッシュレス決済を利用するお客さまは今後も増えていくと考えられます。
このような消費者ニーズに応えるには、店舗もキャッシュレス決済の導入を検討していく必要があるでしょう。新規顧客の獲得や売上アップを狙う上で、今後も拡大傾向が予想されるキャッシュレス決済の導入は、有効な手段のひとつになるはずです。
新たにキャッシュレス決済を導入するなら、ドコモのd払いがおすすめです。d払いなら1億人以上のdポイントクラブ会員に店舗の存在をアプローチでき、集客・売上アップが見込めるでしょう。
]また、ドコモでは、d払い加盟店で利用できる「スーパー販促プログラム」を提供しています。お客さまに加盟店からのメッセージやキャンペーン情報を配信でき、集客や利用単価アップといった施策ができるようになります。
新たに導入するキャッシュレス決済をどれにするか悩む場合は、ぜひ、ドコモのd払いをご検討ください。
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