キッチンカーにキャッシュレス決済は導入できる?
実店舗を持たず、移動販売スタイルのキッチンカーであっても、キャッシュレス決済の導入は可能です。
そもそもキッチンカーとは、調理設備を備えた車両のことを指すのが一般的です。キッチンカーは、車内のスペースやコスト面の関係で、ワンオペレーションで運営するケースが少なくありません。会計が現金払いの場合、衛生面への配慮から、会計のたびに手洗い消毒をしたり、手袋を脱着したりする必要がありますが、キャッシュレス決済ならそのような手間も不要です。また、現金の受け渡しや釣銭が不要なため、会計時間の短縮化が図れます。
そのため、キッチンカーとキャッシュレス決済は非常に相性がよいといえるでしょう。
キッチンカー「TROIS PONTS」さまのd払い導入事例については、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済の普及率
続いて、キャッシュレス決済の普及率の状況について見ていきましょう。キャッシュレス決済の普及率は、近年上昇を続けています。消費者庁の「令和3年版 消費者白書」によれば、キャッシュレス決済をつかっている人の割合は58.6%と、全体の半数以上です。年代別に見ると、キャッシュレス決済の利用率が最も高い30代の80.6%を筆頭に、20代や40代で7割以上、60代でも5割を超える利用率となっています。
ただ、一口にキャッシュレス決済といっても、クレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済など、種類はさまざまです。最近では、近場の外出なら財布を持たずにスマートフォンだけで支払いを済ませる人も増えています。
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入する際には、それぞれの種類の特徴を把握した上で選ぶことが大切です。
キャッシュレス決済については、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済とは?種類や活用メリットをわかりやすく解説
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入するメリット
キッチンカーを運営している人や、これからはじめようと考えている人にとっては、キャッシュレス決済を導入するメリットは気になるポイントでしょう。ここでは、主なメリットをご紹介します。
会計時間の短縮
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入するメリットとして、会計時間の短縮が挙げられます。会計方法がキャッシュレス決済になれば、現金を受け渡したり、釣銭を数えたりといった作業が不要になります。会計処理がスムーズに完了するため、キッチンカーの混雑緩和につながるでしょう。
限られた時間と人数で回転数を上げていかなければならないキッチンカーは、実店舗を構える一般的な飲食店よりもスピード感が重視されます。キッチンカーの売上アップのためにも、お客さまの満足度のためにも、キャッシュレス決済による会計時間の短縮は大きなメリットといえます。
機会損失の防止
キャッシュレス決済を導入すれば、機会損失の防止が期待できます。最近では、利便性や衛生面、ポイント付与といったお得感などから、現金払いよりもキャッシュレス決済を希望するお客さまも増えています。たとえば、ランチタイムのオフィス街やイベント会場では、「昼食を購入するのにスマートフォンだけ持って出掛けたい」「いちいち財布から現金を出すのが面倒」と考える人も少なくありません。キッチンカーにキャッシュレス決済を導入すれば、そのようなお客さまのニーズに応え、売上機会につなげることができるでしょう。
キャッシュレス決済のなかでもQRコード決済は、若年層を中心に普及しています。若い世代を取り込みたい場合は、QRコード決済の導入を検討するのもおすすめです。
QRコード決済・バーコード決済については、下記の記事をご覧ください。
QRコード決済・バーコード決済とは?使い方やメリット、仕組みを解説
衛生面の確保
キッチンカーでのキャッシュレス決済の導入は、衛生面においてもメリットがあります。お客さまとの距離が近く、屋外で食品を販売するキッチンカーは、一般的な飲食店以上に衛生管理への配慮が必要です。どこで誰がさわったのかわからない現金に触れた手で食品を扱うと、雑菌付着のリスクがあります。だからといって、現金をやりとりするたびに手を洗ったり手袋を着脱したりしていると、会計に時間がかかってしまいます。キャッシュレス決済なら、現金をつかわずに決済を完了することが可能なので、衛生対策にも有効です。
防犯リスクやトラブルの軽減
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入すれば、防犯対策やトラブル防止にも役立ちます。キッチンカーは長時間屋外で営業する上、ワンオペレーションであることも多いため、盗難リスクに注意が必要です。キャッシュレス決済を導入すれば、車内に多額の現金を置かなくて済みます。たとえトイレ休憩などで車外に出た際に、盗難に遭ったとしても、被害を最小限にできるでしょう。
また、現金払いでは、釣銭の数え間違いや渡し忘れなどのミスやトラブルが起こることも少なくありません。特にキッチンカーのメニューの価格帯は、一般的な飲食店に比べて安価なケースが多いため、小銭のやりとりが煩雑になりやすい傾向があります。キャッシュレス決済を導入すれば、混雑するイベント会場であっても会計時のトラブルの心配はありません。
キッチンカーでキャッシュレス決済を導入するデメリット
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入すると、さまざまなメリットが得られますが、その一方で、いくつかのデメリットもあります。キッチンカーでのキャッシュレス決済の導入を検討する際には、次のようなデメリットについても確認しておくことが大切です。
コストがかかる
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入するデメリットのひとつは、コストがかかることです。キャッシュレス決済は、お客さまがキャッシュレス決済を行うたびに所定の決済手数料が発生します。また、キャッシュレス決済によっては、導入にあたって専用の決済端末が必要になったり、売上金の入金の際に振込手数料がかかったりすることもあります。キャッシュレス決済を導入する場合は、現金払いにはないこのようなコストについて把握しておきましょう。
導入に必要な費用は、キャッシュレス決済の種類によって異なります。なるべくコストを抑えてキャッシュレス決済を導入する場合は、QRコード決済の「ユーザースキャン方式」がおすすめです。ユーザースキャン方式では、お客さまが店頭のQRコードを読み取ることで支払いが完了します。キッチンカーにQRコードを掲示するだけで、初期費用はかかりません。
売上から入金までにタイムラグがある
売上の発生から実際の入金までにタイムラグがあることも、キャッシュレス決済のデメリットといえるでしょう。キャッシュレス決済では、お客さまが商品を購入した後、直ちに現金が入ってくるわけではありません。売上金は、決済事業者ごとの入金サイクルに従って、一定期間が経過してから入金されます。入金サイクルはキャッシュレス決済の種類や決済事業者によって異なりますが、月1回または2回が一般的です。
キッチンカーを運営するには、仕入れ代をはじめさまざまな経費の支払いが必要になるため、入金のタイミングによってはキャッシュフローの悪化を招く可能性があります。キャッシュレス決済を導入する際には、事前に入金サイクルを確認し、資金繰りの計画を立てておくことが大切です。
d払いの入金サイクルについては、下記の記事をご覧ください。
d払いの入金サイクルは?キャッシュレス決済の仕組みと特徴も解説
キッチンカーでキャッシュレス決済を導入する方法
キャッシュレス決済の契約には、決済事業者と直接契約する方法と、決済代行会社を通して契約する方法の2通りがあります。直接契約は仲介業者を挟むよりも手数料は割安になることが多いですが、契約したいキャッシュレス決済サービスごとに、個別の申請手続きが必要なため手間がかかります。
一方、決済代行会社を利用すると、複数のキャッシュレス決済サービスをまとめて一括で契約・管理できるので、直接契約に比べて手続きの手間や時間が軽減されることがメリットです。ただし、手続きや管理が楽になる分、直接契約に比べて手数料は高くなる可能性があるため、導入したいキャッシュレス決済サービスの種類や、導入後の運用なども考慮した上で、適した方法を選びましょう。
キッチンカーでキャッシュレス決済を導入する際の注意点
キッチンカーの営業形態でキャッシュレス決済の申込みをする際は、一般的に「飲食店営業許可証」の提出が必要になります。飲食店営業許可は、キッチンカーに限らず飲食店の営業には不可欠ですが、保健所での手続きが必要で、取得までにある程度の時間を要します。飲食店営業許可の申請が遅くなるとキャッシュレス決済の導入も遅れてしまうので、時間に余裕を持って準備を進めておきましょう。
また、決済端末はインターネットに接続していないと使用できない場合もあります。キッチンカーは基本的に屋外での営業になるため、インターネット環境をどうするかも事前に検討しておく必要があります。
そのほか、キャッシュレス決済の種類によっては専用の決済端末が必要です。キッチンカーの場合は、持ち運びが可能なポータブル型の決済端末が便利です。
キャッシュレス決済端末については、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済端末とは?端末機の選び方や導入方法を解説
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入するならQRコード決済がおすすめ
キャッシュレス決済には、会計時間の短縮、機会損失の防止、衛生面、防犯対策など、さまざまなメリットがあります。限られたスペースでワンオペレーション営業になることも多いキッチンカーにとって、キャッシュレス決済は非常に相性のよい決済方法といえます。
キャッシュレス決済にはいくつかの種類がありますが、そのなかでも導入しやすいのが、スマートフォンをつかったQRコード決済です。QRコード決済のユーザースキャン方式なら、QRコードを掲示するだけなので、専用の決済端末の導入費用がかからず、レジなどの設置スペースも必要ありません。
「QRコード決済は若年層の利用が多いため、若い人だけがつかうもの」というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、NTTドコモのモバイル社会研究所の「2024年シニア調査」によれば、QRコード決済利用率は60代前半が63%、60代後半で52%と、シニア層にも広がっています。
また、「出先で気軽に利用できる」というキッチンカーの特徴を活かす上でも、スマートフォンひとつで支払いができるQRコード決済は有効な方法といえます。
キッチンカーにQRコード決済を導入するなら、おすすめなのがドコモのd払いです。d払いなら1億人以上のdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップが見込めるでしょう。
さらに、ドコモが提供している「スーパー販促プログラム」をつかえば、d払いの加盟店向けに集客や分析、利用単価アップといった施策ができるようになります。
キッチンカーにキャッシュレス決済を導入する場合は、ぜひドコモのd払いをご検討ください。
キッチンカーの開業については、下記の記事をご覧ください。
キッチンカー(移動販売)の開業!必要な資格や開業資金について解説
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。