2022年12月22日

キャッシュレス決済端末とは?POSレジとあわせて導入するメリットや費用相場などを解説

キャッシュレス

近年、キャッシュレス決済が急速に普及しています。これまで主流だったクレジットカードに加えて、電子マネーやQRコード決済など、決済方法が多様化していることも大きな特徴です。

本記事では、キャッシュレス決済に対応するための基礎知識や、POSレジとあわせて決済端末を導入するメリット、費用相場などを解説します。デジタル化によって店舗経営を効率化しながら、変化する消費者のニーズに応えていきましょう。

キャッシュレス決済端末とは?

キャッシュレス決済端末とは、クレジットカードや電子マネーといった現金以外の支払い方法に対応する決済端末のことです。

経済産業省が、2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度まで増やすことを目標に掲げるなど、国を挙げてキャッシュレス決済を推進しています。

キャッシュレス決済端末を導入するメリット

キャッシュレス決済端末の導入は、店舗側とユーザー側の双方にメリットがあります。具体的なメリットをいくつかご紹介します。

会計のスピードが速くなる

キャッシュレス決済は現金のやりとりがないため、その分会計のスピードが速くなります。店舗側は作業負担が軽減され、顧客側は会計スピードが速くなることで待ち時間が減るというメリットがあります。

新型コロナウイルスの感染拡大防止につながる

キャッシュレス決済は非接触の決済が可能なので、新型コロナウイルスの感染拡大防止策としても注目されています。

キャッシュレス決済端末を導入する店舗に対して、経済産業省からも補助金が出ています。また、各自治体が独自の補助金制度で端末導入費用を補助するケースもあるため、補助金制度が終了する前に、なるべく早く導入することをおすすめします。

補助金の詳細については、厚生労働省や各自治体のホームページをご確認ください。

集客効果が期待できる

キャッシュレス決済の普及によって、現金を持ち歩かない人も増えています。なかにはキャッシュレス決済に対応していることを店舗選定の基準にする消費者もいるため、さまざまな種類の決済方法に対応することは、新規顧客の取り逃し防止につながります。

キャッシュレス決済サービスを展開している事業者がポイント還元などのキャンペーンを実施していれば、それに合わせて店舗側も訴求を行うことで、さらなる集客効果が期待できます。

インバウンド顧客対応に効果的

外国人観光客をターゲットとしたインバウンド需要は、今後ウィズ・アフターコロナに向かうにつれて回復が見込まれます。

外国人旅行客はクレジットカード決済を利用するケースが多いため、特にインバウンド顧客が多い地域で店舗を運営している場合は、クレジットカード決済への対応が不可欠といえます。

需要の回復がはじまったタイミングにあわせてスタートダッシュを切るためにも、早めの備えが必要です。

POSシステムとの連携でさまざまなデータを蓄積できる

キャッシュレス決済端末は、POSシステムと連携できます。「POSレジ」をはじめとしたPOSシステムとは販売管理機能を持つシステムのことで、「いつ」「どのような顧客に」「何が売れたか」というリアルタイムの売上情報のほか、在庫管理や顧客管理など、店舗経営に必要なあらゆるデータを電子化できます。

POSシステムに蓄積されたデータは、販売戦略の立案やプロモーションといったマーケティング施策にも効果的です。

キャッシュレス決済端末とPOSシステムが一体化した商品も存在し、キャッシュレス決済端末の導入と同時にPOSシステムの運用を開始する店舗もあります。

キャッシュレス決済端末の種類

キャッシュレス決済端末には、大きくわけて次の2種類があります。

据え置き型

レジ付近に端末を設置し、有線で接続するタイプです。対応できるキャッシュレス決済の種類が多く、POSレジなどの周辺機器とも連携しやすいという特徴があります。

ポータブル型

Wi-Fiで接続し、持ち運びができるタイプです。据え置き型に比べて機能が限られる場合がありますが、インターネットに接続していればテーブル会計や屋外イベントにも対応できるため、場所を問わず決済したい場合におすすめです。

キャッシュレス決済端末の選び方

一口にキャッシュレス決済端末といっても、機能や価格帯はさまざまです。ここでご紹介する選び方を参考に、事業規模や目的にあったものを検討しましょう。

対応可能な決済方法で選ぶ

キャッシュレス決済端末は、すべてのキャッシュレス決済に対応できるわけではありません。サービスによって対応できる決済方法が異なるので、注意して選びましょう。

経済産業省の調査によると、キャッシュレス決済比率の内訳はクレジットカードが圧倒的に多い状況です。ただしデビットカードや電子マネー、QRコードといったクレジットカード以外の決済手段の比率も徐々に増えています。

クレジットカード以外の決済手段は比較的新しく、各社がポイント還元キャンペーンなどを積極的に行っていることから、今後さらに利用者が増えていくことが予想されます。

クレジットカード以外にも幅広い決済の選択肢を用意することで、集客効果が高まるでしょう。

予算で選ぶ

キャッシュレス決済端末にかかる主な費用は、初期費用と月々の利用料、もしくは手数料です。初期費用無料ではじめられるキャッシュレス決済端末もあるので、各社の料金表を比較してみましょう。

ただし初期費用が無料でも、月々の利用料や手数料が割高なサービスもあるので注意が必要です。キャッシュレス決済端末は、一度導入したら長期的に使い続けることになるため、初期費用とランニングコストのバランスを見て選ぶことが大切です。

ほかのシステムとの互換性で選ぶ

キャッシュレス決済端末は、POSシステムやプリンター、すでに利用している販売管理システムなどとの連携が可能です。ただし、サービスの種類によっては連携できないものもあるため、ほかのシステムとの互換性もキャッシュレス決済端末を選ぶ際の重要なポイントといえます。

最も確実なのは、キャッシュレス決済端末とPOSレジが一体化した端末を選ぶことです。一体化タイプの端末なら互換性の心配がなく、売上や顧客データ、在庫データといった、店舗経営に必要なあらゆるデータを集約できます。

次章で、キャッシュレス決済端末とPOSシステムをあわせて導入するメリットを、もう少し詳しく見ていきましょう。

キャッシュレス決済端末とPOSシステム(POSレジ)をあわせて導入するメリット

POSシステムのPOSは「Points of Sale(販売時点情報管理)」の略で、店舗経営のあらゆるデータをデジタルデータとして記録できます。ここでは、キャッシュレス決済端末とPOSレジをあわせて導入するメリットをご紹介します。

店舗経営に必要なデータをPOSレジに集約できる

POSシステムを活用すると、「誰に」「いつ」「何」が売れたかといったリアルタイムの売上情報や顧客情報、在庫に関する情報など、店舗経営に必要なあらゆるデータをPOSレジに集約できます。

蓄積されたデータは店舗経営の改善に活かせるだけでなく、集客やキャンペーンといったマーケティング施策にも役立ちます。

売上や在庫のデータをそれぞれ別のシステムで管理している場合は、POSレジにすべてのデータを集約することで、システム費用の節約や業務効率化も実現できるでしょう。

会計にかかる時間を短縮できる

キャッシュレス決済端末を導入すると、現金に比べて会計にかかる時間を短縮できます。しかし、既存のレジと連携がうまくいかない場合があるので注意が必要です。場合によっては各端末で二重の操作が必要になり、かえって時間がかかってしまうこともあります。

その点、POSレジと一体型のキャッシュレス決済端末なら、決済がスムーズに進むでしょう。

決済システム関連の契約先が一本化できる

店舗によっては、複数の決済システムを導入しているところもあるでしょう。その状態で決済システムに何らかのトラブルが起こると、どの端末で不具合が起きているのかがわからないことがあります。

その結果、決済端末メーカーとレジメーカーの両方に問い合わせることになり、解決までに時間がかかってしまうでしょう。

キャッシュレス決済端末が付いたPOSレジを導入すれば、決済システム関連の契約先を一本化でき、トラブル対応などがスムーズになることが期待できます。

また、月額料金などの支払い先も集約され、手続きがシンプルになることもメリットです。

キャッシュレス決済機能付POSレジの費用相場

キャッシュレス決済機能付POSレジの初期費用は、0~50万円程度とかなり幅があります。初期費用が高いものほど機能が優れているとは限らないため、各社の商品ページをよく読み、サービス内容を比較してみましょう。

月額費用は0~12,000円程度が一般的で、0円の場合は決算のたびにかかる手数料が高額になっているものもあります。決済手数料は決済回数に応じて増えていくため、店舗の現状を見ながらシミュレーションを行い、各費用のバランスを考えることが大切です。

キャッシュレス決済機能付POSレジをマーケティングに活用しよう

ここまでご紹介したように、キャッシュレス決済端末にはさまざまな種類があります。ポータブル型のものであれば比較的簡単に導入できますが、キャッシュレス決済端末のみを導入した場合は、当然ながら決済にしか利用できません。

キャッシュレス決済端末を導入するなら、同時にPOSレジの導入も検討しましょう。キャッシュレス決済機能付POSレジなら、端末同士の互換性を心配する必要がありません。

POSレジを導入することで、リアルタイムの売上把握から顧客管理、従業員の勤怠管理、在庫管理なども可能になります。収集したデータは店舗の経営改善だけでなく、集客やリピーターの育成といったマーケティング施策にも活かせます。

キャッシュレス決済端末を選ぶ際は、利用者の多い決済方法を優先して取入れることも重要です。d払いでお馴染みのドコモのキャッシュレス決済サービスなら、2022年6月末時点で約9,040万人と、圧倒的な規模のdポイントクラブの会員基盤を活用できます。

また、ドコモではd払いの決済サービスを導入している店舗に対して、マーケティングを支援するサービス「スーパー販促プログラム」も提供しています。効果的な来店頻度・利用単価の向上や認知拡大・販促効果、キャンペーンの集客・実施などを強力にバックアップします。

※スーパー販促プログラムについて、詳しくはこちらからご確認ください。

まとめ

キャッシュレス決済への対応は、今後拡大が見込まれるQRコードや電子マネーといった新しい決済方法に対応するためだけでなく、インバウンド需要を獲得するためにも欠かせません。

キャッシュレス決済端末を単体で導入する方法もありますが、長期的な目線で店舗運営の効率化や売上拡大を考えると、POSレジを導入して店舗運営をデジタル化するのも選択肢の一つです。

POSレジと一体化したキャッシュレス決済端末を導入すれば、店舗運営をデジタル化できるだけでなく、契約先が一つになって管理がしやすくなるというメリットもあります。決済や店舗管理に複数のシステムを使用している場合は、POSレジに集約することでランニングコストの節約効果も期待できます。

導入を検討する際は各社のサービス内容をよく比較し、費用や機能、操作性など、あらゆる視点から総合的に判断しましょう。

※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

執筆者プロフィール

浅井のぞみさん

浅井のぞみ

メーカーで海外マーケティング・営業を5年半担当。現在はSEOライターとして、マーケティングのお役立ち情報やMAツールの紹介など企業のオウンドメディアに掲載するBtoB系の記事を数多く手がけている。

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