黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
FPサテライト株式会社 流山サテライトオフィスマネージャー
大学院修了後、IT企業や通信事業者でセールスエンジニア兼企画職として働く。保険や税制の執筆業務を得意とし、年間約150本の執筆・監修を行う。通信事業者での経験を活かし、通信費削減に関する情報提供にも力を入れる。地域とのつながりを重視し、3人の子育てをしながら「地域×FP」をテーマに空き家問題や創業支援に取組む。
2022年12月22日(最終更新日:2026年9月1日)
キャッシュレス
個人事業主
店舗にキャッシュレス決済を導入しようとするときに気になるのが、「導入にあたってどれくらい費用がかかるのだろうか」ということです。キャッシュレス決済には、決済手数料などのランニングコストのほか、導入の際に初期費用がかかることもあります。必要な費用について理解しないままキャッシュレス決済を導入してしまうと、後々の資金繰りに影響をおよぼしてしまうかもしれません。
ここでは、キャッシュレス決済の導入・運用にかかる費用の種類と目安、導入費用を抑える方法に加えて、自店舗に適したキャッシュレス決済の選び方についても解説します。

キャッシュレス決済とは、現金をつかわずに決済を行うことです。
キャッシュレス決済には、下記の図のようにさまざまな種類があります。店舗でつかわれるのは、カードをつかって決済する方法とスマートフォンをつかって決済する方法の大きく2通りです。

キャッシュレス決済は政府が推進していることもあり、日本でも広く普及しています。特に、クレジットカードやQRコード決済はここ数年で利用できる店舗が増え、キャッシュレス決済の利用を希望するお客さまも増加傾向にあります。
キャッシュレス決済については、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済の導入・運用にかかる費用は、契約する決済事業者や、決済端末の有無などによって異なります。また、各事業者と個別に加盟店契約を結ぶか、決済代行会社に依頼するかによっても変わってきます。
キャッシュレス決済の導入・運用にあたって必要になる費用を、下記の表にまとめました。
■キャッシュレス決済の導入・運用にかかる主な費用
| 費用項目 | 概要 | 発生条件 |
|---|---|---|
| 初期費用 | キャッシュレス決済の導入時にかかる費用。決済端末の購入費、周辺機器や通信工事費など | 導入方法や設備状況により発生 |
| 決済手数料 | お客さまがキャッシュレス決済を利用した際に支払う手数料 | 原則必要。決済手段により率が異なる |
| 振込手数料 | キャッシュレス決済の売上が口座に振り込まれる際にかかる手数料 | 入金条件により発生 |
| 月額料金 | 毎月固定で発生する費用。決済端末のレンタル代やシステム利用料など | プランや付帯サービスにより発生 |
※費用の有無・金額・条件は決済サービスや契約プランによって異なります。
キャッシュレス決済の初期費用として代表的なのが、決済端末の費用です。決済端末を使用するキャッシュレス決済を導入すると、数万円程度の費用がかかるケースもありますが、近年は一定の条件を満たすことで初期費用が無料になるプランも増えています。
また、決済代行会社と契約する場合は、初期設定やシステム連携などの費用が発生するケースがある点にも注意が必要です。
そのほか、必要に応じてレシートプリンターやタブレットなどの周辺機器のほか、Wi-Fiの工事費、ルーター設置費用がかかる場合があります。
キャッシュレス決済端末については、下記の記事をご覧ください。
決済手数料とは、お客さまがキャッシュレスで支払った際に、店舗が決済事業者へ支払う手数料のことです。
「決済額の◯%」というように決められており、売上から所定の手数料が差し引かれ、店舗の口座へ入金される仕組みです。
決済手数料の金額は、キャッシュレス決済の種類や決済事業者によって異なりますが、2021年の経済産業省のデータ「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」によると、いずれの決済手段であっても3%台前半の占める割合が高くなっています。
※参照:経済産業省「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」(2021年)
振込手数料は、キャッシュレス決済の売上が、店舗の口座に振り込まれる際に発生する手数料です。
振込手数料の有無や金額は決済事業者や使用する金融機関などによって異なりますが、一定の条件を満たす場合に無料となるケースも少なくありません。
一方で、入金額が一定の金額以下だったり、指定の銀行口座以外を利用したりする場合は、振込手数料がかかることがあるため注意が必要です。
金額の目安としては、1回の振込あたり数百円程度です。
特に決済代行会社と契約する場合、毎月固定の月額料金がかかることがあります。
月額料金の内訳は、決済端末をレンタルする場合のレンタル料や、管理システムの利用料などで、金額はサービスやプランによって異なります。
なかには、在庫管理や顧客情報管理など、オプションサービスを利用できるキャッシュレス決済サービスもあり、そのようなオプション契約をした場合も月額料金が発生することもあるため、注意しましょう。
また、月額料金は無料とされている場合でも、その分の金額がほかの費用に含まれているケースもあります。
キャッシュレス決済の導入を検討する際には、入金サイクルについてもしっかりと確認しておく必要があります。
入金サイクルとはキャッシュレス決済完了後、店舗の口座に売上金が入金されるまでの日数や頻度のことです。キャッシュレス決済では、お客さまが商品を購入した後、直ちに現金が入ってくるわけではありません。
キャッシュレス決済の売上金は、決済事業者や決済代行会社を通して、後日店舗の口座に入金されます。

入金サイクルはキャッシュレス決済の種類や決済事業者によって異なりますが、一般的には月1回または2回です。ただし、同じ「月1回」の入金サイクルでも、何日に入金されるかは決済事業者ごとに異なります。
入金サイクルが長いと、仕入れや人件費とのタイムラグが生じ、キャッシュフローを悪化させてしまうかもしれません。資金繰りに不安がある場合は、入金サイクルが短いサービスを選ぶといいでしょう。
d払いの入金サイクルについては、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済を導入すると、決済手数料をはじめとしたさまざまなコストが発生します。しかし、キャッシュレス決済の利便性は理解していても、できるだけ導入費用は抑えたいものです。
キャッシュレス決済の導入費用を抑えるには、下記のような方法があります。
<キャッシュレス決済の導入費用を抑える方法>
決済事業者によっては、期間限定で「初期費用・手数料が無料」になるキャンペーンが実施されていることがあります。このようなキャンペーンを活用すれば、キャッシュレス決済の導入コストを大きく抑えられるでしょう。
キャンペーンの適用期間や条件は決済事業者で異なるため、導入前にチェックしてみてください。
中小企業や個人事業主がキャッシュレス決済を導入する場合は、決済端末の購入費用の補助を受けられる可能性があります。
代表的なのが、「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」や「小規模事業者持続化補助金」などです。なお、多くの補助金には、要件や補助率、補助額の上限が設けられており、審査が行われる場合もあります。
申請書類の作成なども必要なので、余裕を持って準備を進めましょう。
キャッシュレス決済のなかでも、導入費用を抑えやすいのがQRコード決済です。
QRコード決済には、お客さまのスマートフォンに表示されたコードを店舗が決済端末で読み取る「ストアスキャン方式」と、店舗が掲示したコードをお客さまがスマートフォンで読み取る「ユーザースキャン方式」の2種類があります。

このうちユーザースキャン方式なら、店舗にQRコードを掲示するだけでキャッシュレス決済を開始できます。決済端末が不要で、初期費用もほとんどかからないため、はじめてキャッシュレス決済を導入する店舗でも気軽に試せるでしょう。
QRコード(バーコード)決済の手数料については、下記の記事をご覧ください。
「キャッシュレス決済を導入したら、コストが増えて利益が減るのでは」と考える人もいるかもしれません。しかし、キャッシュレス決済導入における費用対効果は、単なる手数料負担ではなく、売上や業務効率への影響を含めて総合的に捉えることが重要です。
たとえば、決済手数料については「売上に対するコスト」と位置づけ、キャッシュレス決済導入による売上増加や客単価の向上、リピート率改善といったメリットが、それを上回るかを見極めるべきでしょう。
また、キャッシュレス決済導入後のランニングコストは、現金処理の時間短縮や過不足リスクの低減、経理業務の効率化による人件費削減といった効果を含めて検証する必要があります。
さらに、現金払いのみからキャッシュレス対応にすることで、販売機会の取りこぼしを防ぎ、売上増加が期待できる点も、キャッシュレス決済導入効果のひとつといえます。
キャッシュレス決済の導入費用に不安がある場合は、QRコード決済のユーザースキャン方式など、初期費用のかからない方法で試してみるのもおすすめです。
導入後、効果を検証しながら、必要に応じてキャッシュレス決済の種類を広げていくとよいでしょう。
d払いの導入によりお客さまの満足度が向上した事例については、下記の記事をご覧ください
キャッシュレス決済にはさまざまな種類があり、導入する際にどれを選べばいいのか迷うことがあるかもしれません。導入するキャッシュレス決済は、次のようなポイントを意識して選ぶといいでしょう。
どのキャッシュレス決済方法が自分の店舗に適しているかは、立地や業種、商品の価格帯、客層などによっても異なります。
たとえば、高価格帯の商品なら分割払いなどが選択できるクレジットカードがつかいやすいですが、低価格帯の店舗ではスマートフォンひとつで支払いができるQRコード決済が便利です。
周辺や同業種の店舗の導入状況などもチェックして、最適な決済方法を選びましょう。
キャッシュレス決済のサービスによって、かかる費用には違いがあります。そのため、サービスごとの初期費用や月額費用、手数料などをしっかり比較することが大切です。
決済事業者によっては、初期費用が無料になるキャンペーンを実施していることもあるため、確認してみましょう。
キャッシュレス決済を導入するには、決済事業者と直接契約する方法と、決済代行会社を利用する方法があります。それぞれの導入方法を見ていきましょう。
決済事業者と直接契約するには、決済事業者へ個別に問い合わせをし、加盟店契約を結びます。
直接契約なので、一般的には、決済代行会社を利用するよりも手数料を抑えられます。
ただし、複数のキャッシュレス決済サービスを導入する場合は、種類ごとに手続きが必要です。
d払い導入の流れについては、下記のページをご覧ください。
決済代行会社を利用すると、複数のキャッシュレス決済サービスをまとめて契約できます。さまざまな種類のキャッシュレス決済を一括して導入でき、管理もしやすくなるでしょう。
ただし、一般的には、直接契約に比べて手数料は高くなります。
手数料は決済代行会社によって異なり、業種や事業規模などによっても変わってくるため、検討する際は各社の見積もりを取ることをおすすめします。
店舗にキャッシュレス決済を導入するなら、「d払い」がおすすめです。d払いは、スマートフォンのアプリをつかって行うキャッシュレス決済です。d払いを導入すると、会計がスムーズになるだけでなく、下記のようなメリットがあります。
<d払いを導入するメリット>
d払いを導入する際、ユーザースキャン方式を選べば、店舗にQRコードを掲示するだけで、すぐにキャッシュレス決済をはじめられます。
専用決済端末を用意したり、店内にWi-Fiを整備したりする必要もありません。初期費用を抑えながら、スムーズにキャッシュレス決済を開始することができます。
さらに、d払いなら月額料金は無料、振込手数料も原則無料です。d払い導入でかかる手数料は下記のとおりです。

※決済手数料は、キャンペーンによって無料になることもあります。
d払いを導入することで、1億人を超えるdポイントクラブ会員に自店舗をアピールできます。さらに、メルペイとの共通QRコードであれば、メルペイユーザーの集客も期待できるでしょう。
d払い加盟店はスーパーやコンビニエンスストア、飲食店、ECサイトなど多岐にわたり、今後もdポイントクラブ会員の増加が見込まれます。d払いの導入により、「たまったdポイントを上手に活用したい」という、ポイント消費を目的とした単価アップにもつながるかもしれません。
d払いについては、下記の記事をご覧ください。
d払いでは、加盟店を対象としたさまざまな集客・販促プログラムを用意しています。
たとえば、新規に導入する加盟店を対象に、一定期間、手数料が無料になるキャンペーンを実施することがあります。こうしたキャンペーンを利用すれば、初期の負担を抑えながら導入を検討しやすくなるでしょう。
また、d払いユーザー向けのポイントアップキャンペーンなどもあり、より効果的な集客につなげることができます。
d払いの店舗向けキャンペーンについては、下記のページをご覧ください。
キャッシュレス決済の導入・運用費用には、決済端末代を含む初期費用に加え、決済手数料、振込手数料、月額料金などがあります。キャッシュレス決済を導入する際には、こうしたコストのほか入金サイクルについても確認することが大切です。
新たにキャッシュレス決済を導入するなら、d払いがおすすめです。
d払いには、店舗の集客や売上アップ、負担軽減につながるさまざまなメリットがあります。店舗にキャッシュレス決済を導入する際には、ぜひd払いをご検討ください。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
スマートフォンからでもダウンロードいただけます
よくあるご質問
キャッシュレス決済はどうすれば導入できますか?
キャッシュレス決済を導入する際は、まずは自店舗を利用する顧客層や狙いたい層に応じてキャッシュレス決済サービスを決めます。通信環境を整え、加盟店申請を行い、審査に通過すると利用可能となります。導入費用や決済手数料、利用できるポイントなどを考慮してキャッシュレス決済サービスを決めるとよいでしょう。
キャッシュレス決済の導入費用はどのぐらいかかりますか?
多くのキャッシュレス決済では決済端末を使うことになるため、販売会社によって異なりますが大体5万円程度の初期費用が必要です。QRコード決済の場合は、決済方式によっては無料で導入できるため、費用をなるべく抑えたい場合はQRコード決済を導入するとよいでしょう。
決済システムを導入すると手数料はいくらかかりますか?
店舗の業種や規模、導入する決済サービスによって異なりますが、相場は2〜7%程度です。
売上からこの所定の手数料が差し引かれた金額が、店舗の口座へ入金される仕組みとなっています。
監修者プロフィール

黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
FPサテライト株式会社 流山サテライトオフィスマネージャー
大学院修了後、IT企業や通信事業者でセールスエンジニア兼企画職として働く。保険や税制の執筆業務を得意とし、年間約150本の執筆・監修を行う。通信事業者での経験を活かし、通信費削減に関する情報提供にも力を入れる。地域とのつながりを重視し、3人の子育てをしながら「地域×FP」をテーマに空き家問題や創業支援に取組む。
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