森本 由紀
ファイナンシャルプランナー(AFP)/行政書士
法律事務所の事務職員として10年以上勤務した後、2012年に行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)を設立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。法律・マネー系サイトを中心に記事の執筆・監修も幅広く担当。
2023年1月20日
キャッシュレス
切手やはがきの購入、郵便物の発送などで郵便局を利用する機会は多いでしょう。郵便局でも、キャッシュレス決済が導入されています。今回は、郵便局におけるキャッシュレス決済について説明します。どんな商品・サービスでキャッシュレス決済を利用できるのか、キャッシュレス決済で支払うメリットは何なのかを理解しておきましょう。おすすめのキャッシュレス決済もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
キャッシュレス決済とは、現金を使わずに代金を支払う方法のことです。近年は世界的にキャッシュレス化が進んでおり、日本政府もキャッシュレス決済の普及を推進しています。まずは、キャッシュレス決済の概要を確認しておきましょう。
キャッシュレス決済は、主にカードを使うものとスマートフォンを使うものにわかれます。カードを使う主なキャッシュレス決済は、クレジットカードやデビットカードです。スマートフォンを使うキャッシュレス決済には、QRコード決済や電子マネーがあります。
そのほか、インターネットサービスのIDやパスワードを使って決済するID決済や、携帯電話料金とあわせて支払うキャリア決済などがあり、選択肢は幅広くなっています。
キャッシュレス決済のうち、最もよく使われているのはクレジットカードです。一般社団法人キャッシュレス推進協議会が2022年6月に公表した「キャッシュレス・ロードマップ 2022」によると、キャッシュレス決済金額の8割以上がクレジットカード決済という結果でした。
上のグラフは金額ベースの割合なので、特にクレジットカードの割合が大きくなっていますが、件数ベースでもクレジットカードがキャッシュレス決済全体の55.3%を占めています。
2016年時点での日本のキャッシュレス決済比率は19.9%で、韓国(96.4%)、イギリス(68.6%)、中国(65.8%)などと比べて遅れを取っていました(「キャッシュレス・ロードマップ2019」より)。
そこで経済産業省はキャッシュレス化を促進するため、2018年に「キャッシュレス・ビジョン」を発表しました。2025年までに国内のキャッシュレス決済比率を40%に、将来的には世界最高水準の80%を目指すという内容になっています。
政府のキャッシュレス・ポイント還元事業や新型コロナウイルスの感染拡大により、ここ数年でキャッシュレス化が急速に進みました。経済産業省の算出によると、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%となっており、日本でもキャッシュレス比率が3割を超え、目標達成に向けて順調に普及していることがわかります。
郵便局は身近な金融機関ですが、現金払いしかできないというイメージがあるかもしれません。しかし、2020年から郵便局でもキャッシュレス決済の導入がはじまりました。キャッシュレス決済ができる郵便局は、現在も増え続けています。
郵便局は、2020年7月からキャッシュレス決済対応を開始しました。2022年11月現在、キャッシュレス決済に対応している郵便局は約9,500局です。郵便局は全国に約24,000局あるので、約4割の郵便局でキャッシュレス決済が使えることになります。
キャッシュレス決済に対応している郵便局は、日本郵便の公式ホームページで検索できます。郵便局でキャッシュレス決済を利用する際は、念のためキャッシュレス決済に対応しているかどうかを確認しておきましょう。
郵便局で利用できるキャッシュレス決済は、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済です。簡易郵便局では一部のQRコード決済のみ利用できますが、決済上限額は3万円となっています。
簡易郵便局とは、郵便局の窓口業務を委託された個人や団体が運営している郵便局のことです。簡易郵便局は、全国に約4,000局あります。
「郵便局のネットショップ」とは、日本郵便が運営するショッピングサイトのことです。切手やはがき、レターパックなどの郵便関連商品のほか、ギフトやスイーツ、お取寄せグルメ、キャラクターグッズなども購入できます。
郵便局のネットショップで買物をした場合、支払いにはゆうちょ銀行からの即時振替なども利用できますが、キャッシュレス決済も可能です。利用できるキャッシュレス決済は、クレジットカードと一部のQRコード決済です。
郵便局でキャッシュレス決済ができるとなると、より便利に利用できます。ただし、郵便局でのすべての支払いにキャッシュレス決済が利用できるわけではありません。キャッシュレス決済が可能な商品・サービスを確認しておきましょう。
郵便物を出すときには、切手を貼ってポストに投函する方法のほかに、郵便局の窓口で差し出して郵便料金を支払う方法もあります。郵便局の窓口で郵便料金を支払う際は、キャッシュレス決済が可能です。ゆうパックやゆうメールを出す際にも利用することができます。
切手やはがき、レターパックなどを購入する際も、キャッシュレス決済を利用できます。ただし、切手などを購入する場合は決済できる金額に制限があります。
簡易郵便局では、1回あたり3万円までしか決済できません。簡易郵便局以外の郵便局では、切手を購入する場合に限り、1回あたり10万円という上限が設けられています。
郵便局では切手やはがき以外にも、オリジナル商品やギフト、グッズなどが販売されています。カタログを利用してギフトを送ったり、取寄せたりすることもできます。郵便局の店頭販売品やカタログ掲載品を購入する際も、キャッシュレス決済を利用できます。
前述のとおり、郵便局では多くの商品・サービスでキャッシュレス決済を利用できます。キャッシュレス決済を利用できないのは、以下のものです。
たとえば、郵便局で収入印紙を購入する場合はキャッシュレス決済を使えません。収入印紙を購入する際は、現金を用意しましょう。
郵便局でのキャッシュレス決済には、現金払いにはないメリットがあります。キャッシュレス決済のメリットは、以下のとおりです。
郵便局では、現金払いでポイントがたまるサービスはありません。一方、郵便局でキャッシュレス決済をした場合は、利用金額に応じてカード会社や決済サービスのポイントがたまります。たまったポイントは支払いに使えるので、次回以降の買物がお得になります。
キャッシュレス決済は、クレジットカードやスマートフォンを使って簡単に済ませられます。財布から現金を出す必要もありませんし、お釣りをもらう手間もかかりません。混雑しがちな郵便局の窓口でも、スピーディーに支払いを終わらせることができます。
新型コロナウイルスの感染リスクが気になる場合、現金の受渡しはなるべく避けたいでしょう。キャッシュレス決済をすれば、窓口で現金の受渡しをしなくて済みます。QRコード決済なら、自分のスマートフォンを操作するだけで支払いが可能です。感染リスクが気になる人も、安心して利用できます。
現金払いの場合、レシートを紛失していくら使ったかわからなくなることがあります。キャッシュレス決済で支払った場合は履歴が残り、Webサイトやアプリで確認できます。履歴が残っていれば、家計簿や帳簿を付ける際にも役立つでしょう。
d払いは、スマートフォンで簡単に使えるQRコード決済です。ドコモと回線契約していなくても、dアカウントがあればd払いを利用できます。郵便局での支払いには、d払いがおすすめです。d払いで決済すれば、全国の加盟店で使えるdポイントがたまるので、大変お得です。
d払いは、郵便局でも利用できるQRコード決済です。スマートフォンにアプリをダウンロードすれば、簡単にはじめられます。郵便局の窓口で郵便料金を支払ったり、切手やはがきを購入したりする際は、d払いで決済できます。
簡易郵便局ではクレジットカード決済ができませんが、d払いは簡易郵便局でも使えます。キャッシュレス決済で支払うには、QRコード決済を利用する必要があります。簡易郵便局で使えるQRコード決済は限られていますが、d払いなら利用が可能です。
キャッシュレス決済には、ポイントがたまるというメリットがあります。d払いでためられるのは、利用者の多いdポイントです。郵便局でd払いを利用すれば、200円につき1ポイントのdポイントがたまります*1*2 *3。
*1 dカード以外のクレジットカードをお支払い方法に設定された場合は、dポイントの進呈対象外となります。
*2 一部の加盟店または店舗は、dポイントの進呈対象外となります。
*3 加盟店の商品・サービスによっては、dポイントの進呈対象外となることがあります。
d払いでdポイントをためたら、たまったポイントを次回以降の郵便局での支払いに使えます。つまり、郵便局の商品・サービスを割引で購入できるということです。現金払いの場合は、切手やはがきを割引で購入することはできません。d払いを活用すれば、郵便局の商品・サービスをお得に利用できるのです。
dポイントが使えるのは、郵便局だけではありません。dポイントの加盟店は、コンビニエンスストアやガソリンスタンド、ドラッグストア、レストランなど多岐にわたります。また、オンラインショッピングでもdポイントを利用できます。使えるお店が多いので、さまざまな活用法があります。
ドコモの携帯電話を使っている人なら、dポイントを電話料金の支払いにあてることも可能です。dポイントを活用して、日常のさまざまな場面をお得に楽しみましょう。
全国の多くの郵便局で、現金払い以外にキャッシュレス決済での支払いができます。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などを利用すれば、利用金額に応じたポイントがたまるため、お得です。
郵便局でのキャッシュレス決済には、d払いがおすすめです。d払いを使えば、買物や携帯電話料金の支払いにも使えるdポイントがたまります。身近な郵便局でも、ぜひd払いを活用してください。
スマートフォンからでもダウンロードいただけます
よくあるご質問
郵便局でキャッシュレス決済はできますか?
郵便局は、2020年7月からキャッシュレス決済対応を開始しました。2022年11月現在、キャッシュレス決済に対応している郵便局は約9,500局です。郵便局は全国に約24,000局あるので、約4割の郵便局でキャッシュレス決済が使えることになります。詳しくはこちらをご確認ください。
郵便局でキャッシュレス決済が可能な商品・サービスは?
郵便局でキャッシュレス決済が可能なものは、郵便料金・荷物運賃、切手・はがき・レターパック、物販商品などです。印紙や宝くじ、代金引換郵便物などの引換金、税付郵便物の関税、地方公共団体からの受託事務に関するもの(証明書交付手数料やバスの回数券など)はキャッシュレス決済はできません。詳しくはこちらをご確認ください。
郵便局でキャッシュレス決済を利用するメリットは?
郵便局でキャッシュレス決済をした場合は、利用金額に応じてカード会社や決済サービスのポイントがたまります。支払いもスムーズになり、利用履歴が残っていれば、家計簿や帳簿を付ける際にも役立つでしょう。詳しくはこちらをご確認ください。
執筆者プロフィール
森本 由紀
ファイナンシャルプランナー(AFP)/行政書士
法律事務所の事務職員として10年以上勤務した後、2012年に行政書士ゆらこ事務所(Yurako Office)を設立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。法律・マネー系サイトを中心に記事の執筆・監修も幅広く担当。
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