黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
FPサテライト株式会社 流山サテライトオフィスマネージャー
大学院修了後、IT企業や通信事業者でセールスエンジニア兼企画職として働く。保険や税制の執筆業務を得意とし、年間約150本の執筆・監修を行う。通信事業者での経験を活かし、通信費削減に関する情報提供にも力を入れる。地域とのつながりを重視し、3人の子育てをしながら「地域×FP」をテーマに空き家問題や創業支援に取組む。
2023年1月20日(最終更新日:2026年9月1日)
キャッシュレス
スマホ決済
現金をつかわずに手軽にお買物ができる便利さから、キャッシュレス決済の利用者は増加傾向にあります。政府もキャッシュレス決済を推進しており、今後も利用率は高まっていくと考えられます。
では、キャッシュレス決済をつかうことで、消費者であるお客さまと店舗にはそれぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、キャッシュレス決済を利用するお客さまと、導入する店舗のそれぞれのメリットに加え、デメリットや注意点についても解説します。

キャッシュレス決済とは、現金をつかわずに支払いをする決済手段のことです。
カードをつかって決済する方法とスマートフォンをつかって決済する方法に大別され、下記の図のようにさまざまな種類があります。

キャッシュレス決済については、下記をご覧ください。
経済産業省が発表したデータによれば、2025年の日本のキャッシュレス決済比率(国際比較指標)は46.3%となりました。
これは、2018年に経済産業省が掲げた「国内のキャッシュレス決済比率を2025年までに40%程度にする」という目標を前倒しで達成したことになります。
目標達成を踏まえ、2025年のキャッシュレス推進検討会の取りまとめでは、より消費者の実感に近い指標である「国内指標」を使用することが公表されました。
2024年まで使用されていた指標は「国際比較指標」として併用されることになります。
新指標の使用に伴い、国内のキャッシュレス決済比率を2030年までに国内指標で65%(国際比較指標で55%)、将来的には国内指標で80%をめざすと設定されました。
この目標により、キャッシュレス決済の利用者は、今後もますます拡大していくと考えられます。

キャッシュレス決済は、お客さまにとってさまざまなメリットがあります。キャッシュレス決済を利用するお客さまの主なメリットは、下記のとおりです。
キャッシュレス決済を利用する大きなメリットは、手元に現金がなくても支払いができることです。
キャッシュレス決済なら、急なお買物や外出先でも、カードやスマートフォンをつかってスムーズに支払いができます。現金の持ち合わせがなく購入をあきらめたり、現金をおろすためにATMを探したりする必要がありません。お買物の前に現金を準備する手間も省けます。
キャッシュレス決済は、現金を取り出したり釣銭を受け取ったりする必要がないため、支払いが非常にスピーディーです。
キャッシュレス決済の種類によっては、店頭の決済端末にカードやスマートフォンをかざすだけで支払いが完了します。特に、混雑するレジや、時間のない通勤・通学時などでは、素早く支払いができるキャッシュレス決済のメリットを実感しやすいでしょう。
ポイント還元などの特典が受けられることも、キャッシュレス決済を利用するメリットのひとつです。
キャッシュレス決済では、利用金額に応じてポイントが付与されるケースが多く、現金払いに比べてお得にお買物ができます。
たまったポイントは次回の支払いに充当できるほか、商品やサービスなどと交換できる場合もあります。
キャッシュレス決済を利用するメリットには、支払履歴を確認しやすいことも挙げられます。
キャッシュレス決済では、利用履歴がデータとして残るため、いつ・どこで・いくらつかったかを簡単に確認できます。現金払いのように、わざわざレシートを見ながら自分で記録する手間がかかりません。
家計管理が楽になる上、無駄遣い防止にも役立つでしょう。
キャッシュレス決済には、導入する店舗にとっても多くのメリットがあります。キャッシュレス決済を導入する店舗のメリットを見ていきましょう。

キャッシュレス決済を導入することで、業務効率化につながります。
キャッシュレス決済では、現金を受け取って確認し、釣銭を渡すという一連の会計作業が不要です。会計にかかる時間が短縮されてレジの混雑緩和につながる上、釣銭の準備やレジ締め作業などの負担も軽減できます。釣銭の数え間違いや渡し忘れなど、手作業によるミスも防げるでしょう。
さらに、キャッシュレス決済なら売上データが自動で記録・集計されるため、会計業務や売上管理が効率化されます。マーケティングや経営判断にデータを活用することもでき、少人数でも効率的な店舗運営をめざせます。
キャッシュレス決済を導入することで、現金を持ち合わせていないお客さまの購買ニーズにも対応できるようになり、機会損失を防ぐことができるでしょう。
また、キャッシュレス決済が普及する中で、対応していない店舗は利用を控えられる可能性もあり、販売機会の損失につながるおそれがあります。
キャッシュレス決済に対応すれば、このような潜在顧客に選ばれやすくなり、売上機会の最大化が期待できます。
キャッシュレス決済の導入は、お客さまの購入ハードルを下げ、客単価の向上につながる可能性があります。
現金払いのみの店舗では、購入したい商品があっても、「現金の持ち合わせがない」という理由で購入をあきらめてしまう人もいるかもしれません。しかし、キャッシュレス決済を導入していれば、お客さまが手持ちの現金がなくてもお買物ができます。加えて、キャッシュレス決済のポイント還元やキャンペーンも消費意欲を刺激する要素になります。
追加購入や高単価商品の購入などで客単価が向上すれば、結果として売上アップにつながるでしょう。
キャッシュレス決済の導入は、インバウンド対策としても効果的です。
訪日外国人観光客の多くはキャッシュレス決済を日常的に利用しており、現金払いのみの店舗は不便に感じられることも少なくありません。
キャッシュレス決済を導入することで、言語の壁を越えてスムーズな会計が可能になり、インバウンド需要を取り込みやすくなるでしょう。
インバウンド需要への対応については、下記の記事をご覧ください。
便利でつかいやすいキャッシュレス決済ですが、利用にあたっては知っておきたい注意点もあります。ここからは、キャッシュレス決済を利用する際の、お客さまのデメリットを解説します。
キャッシュレス決済は利便性が高い一方で、利用する際は不正利用や情報漏洩といったリスクへの対策が欠かせません。適切なパスワード管理をはじめ、生体認証や二段階認証の設定、利用明細の定期的な確認など、利用者自身のセキュリティ意識が重要になります。
なお、キャッシュレス決済を提供するサービス会社の多くでは、不正利用に対する補償制度が用意されています。利用履歴をこまめに確認し、もし身に覚えのない履歴があったら、速やかにサービス提供会社に連絡してください。
キャッシュレス決済のリスクについては、下記の記事をご覧ください。
キャッシュレス決済は手元の現金が減る感覚が薄いため、利用する際に支出を実感しにくく、お金のつかいすぎにつながる可能性があります。
特に少額決済が重なると、気づかないうちに支出がふくらんでいることもあります。Webサイトやアプリなどで支払履歴を把握し、つかいすぎや無駄遣いを避けるよう意識しておくことが重要です。
スマートフォンを利用したキャッシュレス決済は、通信環境が不可欠となるため、電波状況が不安定な場所では利用できない場合があります。また、スマートフォン決済は、スマートフォンの充電が切れてしまうと利用できません。
災害などで停電や通信障害が起こると、キャッシュレス決済はできなくなることに注意が必要です。
キャッシュレス決済はすべての店舗でつかえるわけではなく、そのサービスの加盟店でしか利用できません。
特に個人商店や一部の小規模店舗では未対応の場合もあり、利用シーンが限られる可能性があります。
また、決済サービスごとに利用可能な店舗は異なります。キャッシュレス決済を利用する際には、日常的にお買物をする店舗がつかいたいサービスに対応しているかどうかを確認しておきましょう。
店舗側にとっても、キャッシュレス決済はメリットばかりではありません。店舗がキャッシュレス決済を導入する際には、下記の注意点をしっかりと確認しておくことが大切です。

キャッシュレス決済を導入するには、決済事業者や決済代行会社による審査を通過する必要があります。
審査にかかる期間はキャッシュレス決済サービスの種類などによって異なりますが、業種や営業形態、取扱商品によっては長期化する場合もあります。
提出書類の準備や手続きの手間なども考え、時間に余裕をもって準備を進めておく必要があるでしょう。
キャッシュレス決済を導入すると、運用コストとして決済手数料が発生します。また、導入するキャッシュレス決済の種類によっては、決済端末の購入・設置などの初期費用がかかったり、導入後に月額料金や振込手数料が発生したりすることがあります。
キャッシュレス決済の導入費用については、下記の記事をご覧ください。
新たな決済手段を導入する際には、操作方法やトラブル対応などに関するスタッフ教育が必要になります。アルバイトの人数が多い店舗では、スタッフ教育にも時間がかかってしまうかもしれません。
現場での混乱を防ぐためにも、事前の研修やマニュアル整備を行うなど、キャッシュレス決済をスムーズに導入するための準備が大切です。
キャッシュレス決済はインターネット回線を利用するケースが多く、安定した通信環境の整備が求められます。特にクレジットカード決済や端末を用いる決済では、通信環境が不安定な場合に決済処理に影響が出る可能性があります。
一方で、QRコード決済のユーザースキャン方式など、店舗の通信環境に依存しないキャッシュレス決済もありますが、売上の反映や管理には通信が必要となるため、基本的には通信環境の整備が重要です。
また、停電や通信障害、決済端末の不具合などに対する備えも必要です。トラブルが起こってから慌てないように、決済事業者や決済代行会社のサポート体制やマニュアルをよく確認しておきましょう。
キャッシュレス決済を導入するには、決済事業者と直接契約する方法と、決済代行会社を利用する方法があります。それぞれの導入方法を見ていきましょう。
決済事業者と直接契約するには、決済事業者へ個別に問い合わせをし、加盟店契約を結びます。
直接契約なので、一般的には、決済代行会社を利用するよりも手数料を抑えられます。ただし、複数のキャッシュレス決済サービスを導入する場合は、種類ごとに手続きが必要です。
決済代行会社を利用すると、複数のキャッシュレス決済サービスをまとめて契約できます。
さまざまな種類のキャッシュレス決済を一括して導入でき、管理もしやすくなるでしょう。ただし、一般的には、直接契約に比べて手数料は高くなります。
手数料は決済代行会社によって異なり、業種や事業規模などによっても変わってくるため、検討する際は各社の見積もりを取ることをおすすめします。
店舗にキャッシュレス決済を導入するなら、「d払い」がおすすめです。d払いは、スマートフォンのアプリをつかって行うキャッシュレス決済です。d払いを導入すると、会計がスムーズになるだけでなく、下記のようなメリットがあります。
<d払いを導入するメリット>
d払いを導入することで、1億人を超えるdポイントクラブ会員に自店舗をアピールできます。さらに、メルペイとの共通QRコードであれば、メルペイユーザーの集客も期待できます。
d払い加盟店はスーパーやコンビニエンスストア、飲食店、ECサイトなど多岐にわたり、今後もdポイントクラブ会員の増加が見込まれます。d払いの導入により、「たまったdポイントを上手に活用したい」という、ポイント消費を目的とした単価アップにもつながるかもしれません。
d払いについては、下記の記事をご覧ください。
d払いには、店舗が掲示したコードをお客さまがスマートフォンで読み取る「ユーザースキャン方式」と、お客さまのスマートフォンに表示されたコードを店舗が決済端末で読み取る「ストアスキャン方式」の2種類があります。

d払いを導入する際、ユーザースキャン方式を選べば、店舗にQRコードを掲示するだけで、すぐにキャッシュレス決済をはじめられます。ユーザースキャン方式の導入の流れは下記のとおりです。

ユーザースキャン方式なら、専用決済端末を用意したり、店内にWi-Fiを整備したりする必要もありません。初期費用を抑えながら、スムーズにキャッシュレス決済を開始することができます。
d払いの導入方法については、下記のページをご覧ください。
d払いでは、加盟店を対象としたさまざまな集客・販促プログラムを用意しています。
たとえば、新規に導入する加盟店を対象に、一定期間、手数料が無料になるキャンペーンを実施することがあります。こうしたキャンペーンを利用すれば、初期の負担を抑えながら導入を検討しやすくなるでしょう。
また、d払いユーザー向けのポイントアップキャンペーンなどもあり、より効果的な集客につなげることができます。
d払いの店舗向けキャンペーンについては、下記のページをご覧ください。
キャッシュレス決済はお客さまと店舗の双方にとってメリットがあり、利用率も増加傾向にあります。その一方で、キャッシュレス決済には、知っておきたいデメリットや注意点もあります。
キャッシュレス決済を導入する際には、メリットとデメリットの両方をしっかりと理解した上で検討することが大切です。
新たにキャッシュレス決済を導入するなら、d払いがおすすめです。
d払いには、店舗の集客や売上アップ、負担軽減につながるさまざまなメリットがあります。店舗にキャッシュレス決済を導入する際には、ぜひd払いをご検討ください。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
スマートフォンからでもダウンロードいただけます
よくあるご質問
キャッシュレス決済を利用するメリットは?
キャッシュレス決済を利用することで、財布を持ち歩かずに生活できるようになります。また、現金で支払う場合よりも、クレジットカードやQRコード決済を利用する場合の方が、多くのポイントが付与されるケースが多いです。購買履歴も確認できるようになり、家計を管理しやすくなるでしょう。詳しくはこちらをご確認ください。
キャッシュレス決済を店舗に導入するメリットは?
キャッシュレス決済を導入すれば売上をデータで管理できるようになるため、レジ締めにかかる時間を軽減することができます。ほかにもインバウンド需要に対応できるようになったり、売上データを利用して情報分析ができるようになります。詳しくはこちらをご確認ください。
なぜキャッシュレス決済は増えているのですか?
キャッシュレス決済の市場が成長している主な理由は、政府がキャッシュレス決済比率80%を目標としているからです。政府は現金決済における社会的コストを問題視しており、生産性向上を図るためにはキャッシュレス決済を普及させる必要があると考えています。詳しくはこちらをご確認ください。
監修者プロフィール

黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
FPサテライト株式会社 流山サテライトオフィスマネージャー
大学院修了後、IT企業や通信事業者でセールスエンジニア兼企画職として働く。保険や税制の執筆業務を得意とし、年間約150本の執筆・監修を行う。通信事業者での経験を活かし、通信費削減に関する情報提供にも力を入れる。地域とのつながりを重視し、3人の子育てをしながら「地域×FP」をテーマに空き家問題や創業支援に取組む。
関連記事

2022年12月22日
d払いの手数料はいくらかかる?導入メリットや注意点を解説

2023年1月20日
d払いの入金サイクルは?キャッシュレス決済の仕組みと特徴も解説

2023年1月20日
後払い(ポストペイ型)とは?キャッシュレス決済の種類や特徴を解説

2023年9月8日
キャリア決済とは?限度額や支払方法、導入するメリットを解説

2025年11月10日
d払いはドコモ以外の人もつかえる?店舗への導入メリットも解説

2022年11月28日
QRコード決済のはじめ方は?仕組みややり方、アプリの種類も解説
新着記事