黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。
2023年1月20日(最終更新日:2024年2月21日)
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日本のキャッシュレス決済比率は、年々上昇しています。キャッシュレス決済のなかでも、最も多く利用されているのが、クレジットカード決済です。
このような流れを受け、エステ業界でもクレジットカード決済を導入するサロンが増えています。エステサロンでクレジットカード決済を導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、エステサロンにとってのクレジットカード決済の必要性や導入メリットのほか、クレジットカード決済の導入にあたって知っておきたい注意点などについて解説します。
近年ではさまざまな場面で、現金をつかわないキャッシュレス決済が可能になりました。このようなキャッシュレス化の流れのなかで、クレジットカード決済の導入を検討しているエステサロンも多いのではないでしょうか。
結論からいうと、エステサロンにとって、クレジットカード決済の必要性は高いといえます。その理由を、エステサロンとキャッシュレス決済を取り巻く現状から読み解いていきましょう。
クレジットカードは、国内で最も多く利用されているキャッシュレス決済方法です。一般社団法人日本クレジット協会の調査によれば、2022年3月末時点での国内のクレジットカード発行枚数は3億101万枚です。これは、当時の成人人口比で、1人あたり2.9枚のクレジットカードを保有している計算になります。
また、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が公開している「キャッシュレス・ロードマップ2023」によると、2022年の国内におけるキャッシュレス決済のうち、クレジットカード決済が占める割合は84.5%となっています。
これらの結果から、クレジットカードが、多くの人にとって非常に身近な決済方法になっていることがわかります。
※出典:一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード発行枚数調査結果の公表について」
経済産業省が2018年に策定した「キャッシュレス・ビジョン」では、キャッシュレス決済比率を2025年までに40%程度、将来的には世界最高水準の80%まで上昇させることを目標に掲げています。国を挙げてキャッシュレス化が推進されることで、今後クレジットカードの利用ニーズもますます増えていくと予想されます。
クレジットカードは、キャッシュレス決済のなかでも限度額が比較的高めに設定されており、分割払いなどにも対応可能なことが特徴で、高額な支払いに向いている決済方法です。高額決済になることが多いエステサロンには、クレジットカード決済の利用ニーズが高いと考えられます。
また、株式会社リクルートライフスタイルの美容に関する調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」の2019年の調査によると、「エステサロンでキャッシュレス決済ができず不便に感じたことがある」と答えた人は4割弱となっており、「エステサロンを利用したときに『キャッシュレス決済が利用できるようになれば、もっと物販の購入やメニューの追加がしやすくなる』」と答えた人は5割以上に上ります。
今や、キャッシュレス決済の利用可否は、お客さまがエステサロンを選ぶ際の基準のひとつになっているといえるでしょう。
■キャッシュレス決済ができず不便に感じたことがあるかどうか
参照:株式会社リクルートライフスタイル「ホットペッパービューティーアカデミー」「美容サロンでのキャシュレス決済に関する意識調査」
エステサロンにクレジットカード決済を導入すると、さまざまなメリットが期待できます。主なメリットは下記のとおりです。
クレジットカード決済を導入すれば、お客さまは手持ちの現金を気にせずメニューを選べるようになるため、客単価アップが期待できます。
エステサロンでは、施術内容によって1回あたりの支払い金額が高額になることも珍しくありません。そのため、現金払いにしか対応していないと、お客さまは来店のたびに多額の現金を持ち歩くことになってしまいます。また、施術中に「メニューを追加したい」「ケア用品を購入したい」などと思っても、手持ちの現金が足りるかどうかが気になり、やむなくあきらめるケースも少なくありません。
クレジットカード決済に対応しているエステサロンなら、お客さまは手持ちの現金を気にすることなく希望を伝えられ、エステサロンもベストなメニューや商品をおすすめしやすくなります。結果として客単価アップをめざすことができ、さらにお客さまの満足度も向上するでしょう。
クレジットカード決済を導入することで、機会損失の防止につながりやすくなります。時間が空いたのでエステサロンに行きたいと思っても、現金払いのみの店舗の場合は「給料日前だからまた今度にしよう」と、足が遠のく原因になってしまうかもしれません。
クレジットカード決済が可能であれば、こうした機会損失を防ぐことができます。また、クレジットカード決済の導入は、インバウンド対策にも効果的です。観光やビジネスで日本を訪れた外国人も、日本円だけでなくクレジットカードで支払いができる店舗であれば、利用しやすくなります。
さらに、クレジットカードは利用金額に応じてポイント還元が受けられるため、リピート率をアップさせる効果も期待できます。高額なメニューほど多くのポイントが還元されるので、お客さまにもメリットを感じてもらいやすいでしょう。
「同じ金額を支払うなら、現金よりもクレジットカードの方がお得」と考える人は少なくありません。
会計がスムーズに行えることもクレジットカード決済導入のメリットです。クレジットカード決済では現金のやりとりが発生しないので、釣銭の数え間違いなどのミスが起こりません。特に、支払い金額が高額になると、会計ミスがないようにエステサロンにも慎重な対応が求められ、それがスタッフの心理的なストレスになることも考えられます。
クレジットカード決済なら、店頭に設置した決済端末のカードリーダーにお客さまがクレジットカードを通すか、クレジットカード(またはカードを登録したスマートフォン)をかざせば決済が完了し、エステサロンはレシートを渡すだけです。ミスなくスムーズに会計ができる上、多額の現金を店舗で管理する必要もなくなります。
お客さまとエステサロンの双方にメリットがあるクレジットカード決済ですが、導入前に知っておきたいデメリットもあります。クレジットカード決済の導入を検討する際には、メリットだけではなくデメリットについても確認しておくことが大切です。
クレジットカード決済の導入にあたっては、決済端末を設置するための初期費用がかかります。また、お客さまがクレジットカード払いを利用すると、売上に対して所定の割合の決済手数料が発生します。そのほか、契約するクレジットカード会社や決済代行会社によっては、システム維持費として月額料金が必要になることもあるでしょう。
事前に初期費用やランニングコストを確認し、かかるコストと得られるメリットのバランスを考慮した上で導入を検討することをおすすめします。
クレジットカード決済の導入にあたっては加盟店審査があるため、申込んだらすぐに利用できるというわけではありません。一般的に、クレジットカード会社の加盟店審査は数週間~1か月程度といわれていますが、審査が長期化した場合は数か月かかる可能性もあるため、計画的に導入準備をしておくことをおすすめします。加えて、クレジットカード決済をスムーズに運用するために、スタッフ教育にかかる時間なども頭に入れておくべきでしょう。
また、提供しているコースメニューの内容によっては、クレジットカード決済の導入が難しい可能性がある点にも注意が必要です。エステサロンの施術メニューのうち、提供期間が1か月を超え、金額が5万円を超えるサービスは、特定商取引法上の「特定継続的役務提供」にあたります。
特定継続的役務提供については、クーリングオフや中途解約などの規定があることから、クレジットカード会社の審査が通りにくいとされています。ただし、クレジットカード決済を取り扱う決済代行会社の保証を受けることで、加盟店審査に通過できるケースもあるため、事前に問い合わせをしてみましょう。
キャッシュレス決済については、下記の記事をご覧ください。
エステサロンにクレジットカード決済を導入すると、客単価アップや機会損失の防止など、さまざまなメリットがあります。支払い方法の選択肢の少なさで機会ロスになるのを防ぐためにも、クレジットカード決済をはじめとしたキャッシュレス決済の導入を検討することをおすすめします。
キャッシュレス決済には、クレジットカード決済のほかにもいくつかの方法がありますが、「初期費用を抑えたい」「お客さまに手軽に利用してもらいたい」という場合におすすめなのが、QRコード(バーコード)決済です。
QRコード(バーコード)決済のうち、ユーザースキャン方式を導入すれば、基本的に初期費用はかかりません。ケア用品や化粧品を販売するときなども、QRコード(バーコード)決済ならスマートフォンひとつで手軽に支払いが可能です。
エステサロンにQRコード(バーコード)決済を導入するなら、ドコモのd払いがおすすめです。d払いは、スマートフォンのアプリをつかって行うキャッシュレス決済です。d払いなら、9,000万人を超えるdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップが見込めるでしょう。
また、ドコモでは、d払い加盟店で利用できる「スーパー販促プログラム」を提供しています。スーパー販促プログラムをつかえば、お客さまに加盟店からのメッセージやキャンペーン情報を配信でき、集客や利用単価アップといった施策が可能です。
エステサロンにはじめてキャッシュレス決済を導入するなら、ぜひドコモのd払いをご検討ください。
スマートフォンからでもダウンロードいただけます
よくあるご質問
エステサロンにキャッシュレス決済を導入するメリットは?
キャッシュレス決済サービスを導入すると、お客さまは手持ちの現金を気にすることなく希望を伝えられるため客単価アップにつながりやすくなります。また、レジ締めにかかる作業コストの削減、お釣りを用意する手間、両替コスト削減などのメリットがあります。詳しくはこちらをご確認ください。
エステサロンにキャッシュレス決済を導入するときの注意点は?
クレジットカードや電子マネーを導入する場合は、専用カードリーダーの購入にいくらかかるのかも事前にチェックしておきましょう。また、認知度が高く、信頼できるサービスを選びましょう。決済・管理の手間がかからないことも大切です。詳しくはこちらをご確認ください。
エステサロンにおすすめのキャッシュレス決済は?
日本で最も普及されているクレジットカード決済は高額の支払いや分割支払いにも対応しているため、客単価の高いエステサロン向きのキャッシュレス決済サービスといえるでしょう。ほかにも、電子マネー決済やQRコード決済がおすすめです。詳しくはこちらをご確認ください。
監修者プロフィール
黒川 一美
日本FP協会 AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。
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