山本 杏奈
ライター・編集者
高知県出身、東京都在住。FP3級、証券外務員二種を取得。金融機関勤務を経て、2018年にフリーライター・編集者に転身。現在は書籍編集、企業パンフレットや商業誌の執筆・編集ほか、採用ページのブランディング、Web媒体のディレクションなど、幅広く担当している。
2023年1月20日
キャッシュレス
経営ノウハウ
個人事業主
2021年、日本のキャッシュレス決済比率は過去最高の32.5%を記録しました。このようなキャッシュレス化の流れを受け、エステサロンでもQRコード決済やクレジットカードといったキャッシュレス決済サービスの導入が進んでいます。キャッシュレス決済サービスを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。期待できる5つのメリットや種類、導入前にチェックしたい注意点、おすすめのサービスなどをご紹介します。
キャッシュレス化の流れと消費者需要の高まりを受けて、近年はエステサロンでもキャッシュレス決済の導入が進んでいます。エステサロンにおけるキャッシュレス決済の種類は、大きくわけてクレジットカード、電子マネー、QRコード決済の3つです。まず、それぞれの特徴から見ていきましょう。
日本で最も普及し、使用されているキャッシュレス決済手段がクレジットカードです。2021年の国内決済比率の27.7%を占めており、幅広い年代で高い保有率を誇ります。2022年4月の民法改正にかかる成人年齢の引下げにより、親権者の同意不要でクレジットカードを取得できる年齢が20歳から18歳に引下げられたことから、今後さらなる伸長が予想されます。クレジットカードは高額の支払いや分割支払いにも対応しているため、客単価の高いエステサロン向きのキャッシュレス決済サービスといえるでしょう。
ただし、クレジットカード決済を導入する場合は専用のカードリーダーが必要です。初期費用で数万円かかるケースがあり、平均2~4%の決済手数料も店舗側が負担します。
交通系や流通系で親しまれている電子マネーは、事前に必要な現金をチャージして使用するキャッシュレス決済サービスです。クレジットカードのような入会審査がないため、学生やアルバイトなど安定した収入が見込めない若い世代にも多く利用されています。特に交通系の電子マネーは、都市部や駅ビルなどで多く利用される傾向があります。都市部や駅の近くにあるエステサロン、電子マネーを発行しているショッピングモールなどに入っているエステサロンにおすすめです。
ただし、事前にチャージした金額が不足している場合は電子マネーでの決済ができません。「いくら入っていたかな」と手持ち現金を気にしなければならない点は、現金決済に似ています。
また、クレジットカードと同様に専用のカードリーダーが必要で、決済のたびに店舗側は手数料を支払わなければなりません。初期費用やランニングコストを考えると、電子マネーのみを導入するよりも複数のキャッシュレス決済に対応する端末を導入し、電子マネーを決済手段の一つする方が賢明です。
コロナ禍で大きく伸びたキャッシュレス決済がQRコード決済です。2018年に0.05%だった決済比率は、2021年には1.8%まで上昇。店舗での利用金額も前年比65.7%アップの約8.1兆円を記録するなど、今やクレジットカードに次ぐ決済手段となっています。
QRコード決済の最大の魅力は、ユーザーと店舗側の双方の利便性が高いことです。ユーザーはスマートフォンを提示するだけ、店舗側はユーザーが掲示するQRコードを読み取る、もしくは店舗専用のQRコードを読み取ってもらうだけで利用できます。店舗側がQRコードを読み取る場合もスマートフォンやタブレット端末を読み取り機として利用できるため、クレジットカードや電子マネーのように専用のカードリーダーを購入する必要はありません。
運用がはじまってまだ日が浅いことから、「決済手数料無料キャンペーン」が実施されていることもあります。すでに有料化されたサービスも多いのですが、ドコモのd払いではWebサイトから新規で申込んだ場合、決済手数料2.6%*1が無料になるキャンペーンを実施しています。「初期費用やランニングコストを抑えたい」「はじめてキャッシュレス決済を導入する」という事業者には、特におすすめのサービスです。
キャンペーンの詳細はこちらからご確認ください。
ご紹介したとおり、3つのキャッシュレス決済サービスはそれぞれ特徴が異なります。店舗の立地条件や客層、導入にかかる費用などを比較しながら、ご自身の店舗に合ったサービスを選びましょう。
*1 メルペイとの共通のQRコード決済を利用した場合。
エステサロンにキャッシュレス決済サービスを導入すると、さまざまなメリットが期待できます。5つのメリットを詳しくご紹介します。
現金払いのみの場合、お客さまはメニューを追加したり商品を購入したりする際に手持ち現金を気にしなければなりません。「フェイシャルも追加したいけれど今日は現金を持っていないからあきらめよう」といったように、やむなくメニューを制限する方も少なくありません。これでは、客単価や売上の低下につながります。
リクルートライフスタイル「ホットペッパービューティーアカデミー」の調査によると、「エステサロンを利用したときに『キャッシュレス決済が利用できるようになれば、もっと物販の購入やメニューの追加がしやすくなる』」と答えた方は全体の約40%にのぼります。今やキャッシュレス決済サービスの利用可否は、消費者がエステサロンを選ぶ際の基準の一つになっているのです。
キャッシュレス決済サービスを導入すると、お客さまは手持ちの現金を気にすることなく希望を伝えられ、エステサロン側もおすすめしたいメニューや商品を提案しやすくなります。「店販化粧品や店販商材の販売増を狙いたい」「客単価を上げて売上アップをめざしたい」という事業者さまには、キャッシュレス決済サービスの導入をおすすめします。
経済産業省「キャッシュレスの現状及び意義」によると、レジ締めにはレジ1台あたり約25分の時間がかかるそうです。短い時間のように思えますが、トータルで毎月12時間以上、レジの台数によってはその倍以上の時間を要しているのです。
キャッシュレス決済を導入して現金の取扱いが減ると、レジ締め作業にかかっていた時間と手間を大幅に削減できます。また、現金を取扱わないことで会計時のやりとりもスムーズになり、会計や釣り銭のミスといったヒューマンエラーも減らせるでしょう。人手不足や従業員の人件費にお悩みのエステサロンにとっては、キャッシュレス決済サービスが役立つかもしれません。
QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済では、お客さまがポイント還元サービスや期間限定クーポンなどを利用できます。現金払いにはない割引や特典があるため、お客さま側にも多くのメリットがあります。特にQRコード決済のポイント還元率は高めであり、顧客満足度だけでなく店舗のイメージアップや集客への貢献も期待できます。
ここ数年、多くの金融機関が両替手数料の設定・改定を行っています。利用する金融機関によっては1回あたり500円以上、両替枚数によっては1,000円を超えることもあり、小規模事業者にとってはかなりの痛手です。キャッシュレス決済の場合はお釣りを用意する必要がないため、これまで両替のために金融機関に出向いていた手間や手数料などのコストを大幅に削減できます。
現金を店内で保管したり、両替や入金のたびに持ち出したりすると、どうしても紛失や盗難のリスクが高まります。管理者に心理的負担がかかることもデメリットです。強盗や窃盗によって売上がすべて盗まれてしまう可能性も考慮すると、防犯の観点でもキャッシュレス決済を導入した方が安全といえるでしょう。
お客さまと店舗側の双方にメリットがあるキャッシュレス決済ですが、導入前に知っておきたい注意点がいくつかあります。のちに困惑しないためにも、以下の3つの注意点を確認しておきましょう。
ご紹介したとおり、どのキャッシュレス決済サービスを導入するかによってかかる初期費用やランニングコストが大きく変わります。クレジットカードや電子マネーを導入する場合は、専用カードリーダーの購入にいくらかかるのかも事前にチェックしておきましょう。
決済のたびに発生する決済手数料も重要なポイントです。クレジットカードはほかのサービスと比べて決済手数料が高めですが、無料キャンペーンを実施しているQRコード決済サービスであれば、初期費用やランニングコストを抑えながらキャッシュレス決済を導入できます。
せっかくキャッシュレス決済サービスを導入するのであれば、利用者が多いサービスを選びたいもの。認知度が高く、信頼できるサービスを選びましょう。特にお客さま側にメリットの多いポイント還元や期間限定キャンペーンなどを実施しているサービスであれば、決済方法の追加自体が新規顧客獲得につながる可能性もあります。
キャッシュレス決済サービスは、「消費者の利便性向上」と「店舗の効率化・売上拡大」の2つを軸に選びましょう。双方にとって、決済・管理の手間がかからないことが前提になります。
<ユーザー側に負担がかからない要件>
<店舗側に負担がかからない要件>
d払いは、ドコモが提供するQRコード決済サービスです。ドコモの回線契約があるお客さまはもちろん、ドコモの回線契約がないお客さまでもdアカウントをお持ちであれば利用できます。dポイントクラブの利用者数は約9,040万人にのぼり(2022年6月末時点実績)、高い集客効果が期待できます。
d払い残高からの支払い上限は100万円、クレジットカードでの支払いの場合は50万円が上限(dカードからのお支払いはカードのご利用限度額に準ずる)となっているため、客単価が高いエステサロンでも問題なく利用できます。
先ほど注意点としても挙げた決済手数料に関して、d払いではWebサイトから新規で申込んだ場合、手数料無料キャンペーンを実施中です。通常2.6%*2かかる決済手数料が無料になるため、初期費用やランニングコストを抑えたい事業者におすすめです。
キャンペーンの詳細はこちらからご確認ください。
導入にあたって新しい機材は一切不要で、店舗ごとのQRコードを設置するだけで利用できます。お客さまのスマートフォンさえあれば、手間なくスムーズに会計が完了します。Webサイトからのお申込みは最短5分で完結し、審査に通過すればすぐにスタートキットが届きます。店舗で使える説明書やステッカーも一緒に届くので、はじめてキャッシュレス決済を導入する場合でも不安なく、新たな決済方法を利用できます。
*2 メルペイとの共通のQRコード決済を利用した場合。
これまで説明してきたように、エステサロンでのキャッシュレス決済にはd払いがおすすめです。「なるべく費用を抑えたい」「お店の認知度をアップさせたい」「キャッシュレス決済導入で売上アップを狙いたい」と考えている事業者さまは、ぜひd払いの導入を検討してみてください。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
執筆者プロフィール
山本 杏奈
ライター・編集者
高知県出身、東京都在住。FP3級、証券外務員二種を取得。金融機関勤務を経て、2018年にフリーライター・編集者に転身。現在は書籍編集、企業パンフレットや商業誌の執筆・編集ほか、採用ページのブランディング、Web媒体のディレクションなど、幅広く担当している。
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