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2022年11月28日(最終更新日:2023年10月4日)

POSレジとは?POSシステムとの違いや仕組み、導入のメリットを解説

キャッシュレス

経営ノウハウ

店舗開業

小売業や飲食業をはじめ、多くの業界で広く使われているレジが「POSレジ」です。POSレジという言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのような機能があるレジなのかを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。POSレジにはいくつかの種類があるため、店舗に導入する際には、業態や規模、ニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
本記事では、POSレジとPOSシステムの違いやPOSレジの種類のほか、POSレジを導入するメリットや選び方のポイントなどについて解説します。

POSレジとは、POSシステムの機能が搭載されたレジのこと

POS(ポス)とはPoint of Saleの略称で、日本語にすると「販売時点情報管理」です。店舗における販売情報を記録・集計する仕組みの総称のことをPOSシステムといい、POSレジはPOSシステムの機能が搭載されたレジ(端末)のことを指します。つまり、POSレジはPOSシステムの一部ということになります。

POSシステムは、商品が売れた時点で、商品名や売上額、販売個数、販売場所などの情報を記録し、自動的に集計するシステムです。このような販売実績に加えて、購入した人の性別や年齢層、当日の天気なども記録できます。
売上データは自動的に蓄積されるため、「いつ、どの店舗で、何が、どんな人に、いくらで、いくつ売れたか」ということがリアルタイムでわかり、営業終了時に行う集計作業も効率化できます。
POSレジは、レジとしての会計機能に加えて、上記のような売上管理・商品管理・在庫管理・顧客情報管理といったPOSシステムの機能が備わっているのが特徴です。

POSレジと旧来のレジとの違い

POSレジと旧来のレジとの大きな違いは、売上情報の分析ができるか否かということです。
旧来のレジの主な機能は、販売金額の計算や記録です。それぞれのレジや店舗の売上の集計は手動で行う必要があり、商品や顧客層ごとの個別の売上分析などはできません。
一方のPOSレジは、POSシステムの機能を備えているため、売上データをリアルタイムで確認でき、さらに自動的に集計されたデータから、商品の売れ行きや顧客の購買行動などを分析し、マーケティング施策に活かすことが可能です。

POSレジの種類

POSレジには、大きく分けて「パソコン型」「ターミナル型」「タブレット型」の3つの種類があります。それぞれの特徴について詳しく見てみましょう。

パソコン型POSレジ

パソコン型POSレジは、既存のパソコンにPOSソフトウェアをインストールして使用するPOSレジです。パソコンにソフトウェアをインストールするだけで、タブレットなどの端末を購入する必要がないため、比較的簡単に導入できるといえます。
ただし、レジとして機能させるためには、レシートプリンターや現金を出し入れするキャッシュドロアなどの周辺機器を別途そろえなければなりません。また、システム自体は既存の端末になるため、サポートが十分に受けられない場合がある点にも注意が必要です。

ターミナル型POSレジ

ターミナル型POSレジは「一体型」とも呼ばれ、スーパーやコンビニなどでよく見られる据え置き型のPOSレジです。ターミナル型POSレジには、バーコードリーダーやレシートプリンター、キャッシュドロアなど、レジに必要な周辺機器が一体化して付属しており、高機能なものが一般的です。その分、ほかのPOSレジに比べて導入費用が高くなります。

タブレット型POSレジ

タブレット型POSレジは、タブレットやスマートフォンにPOSアプリをインストールして使用するPOSレジです。持ち運びが可能で、タッチスクリーンによる直感的な操作ができるという特徴があり、導入コストもほかのタイプに比べて安く抑えることができます。
一方で、レシートプリンターやキャッシュドロアなどの周辺機器は別途準備が必要です。

■3つのPOSレジの比較

POSレジの機能

続いては、POSレジの具体的な機能を見ていきましょう。店舗の業種などによって使う機能は異なりますが、代表的な機能を抜粋してご紹介します。

会計システム

会計システムは、POSレジの基本機能です。POSレジに商品データを登録しておくことで、バーコードを読み取るかボタンを押すだけで簡単に会計処理ができます。自動釣銭機能のついたPOSレジであれば、会計時間の短縮につながり、現金の受け渡しミスも軽減できるでしょう。

商品管理・在庫管理

POSレジは、あらかじめ商品情報を登録しておくことで、会計処理のたびに「どれくらい売れているか」という商品管理ができます。
また、POSレジでリアルタイムに販売状況を記録することで、正確な在庫状況の把握も可能です。商品管理と在庫管理を連携させれば、受発注がスムーズになり、品切れも防止できます。

顧客管理

POSレジは、ポイントカードやアプリなどを利用し、連携することで顧客の性別や年齢層、購入履歴などの情報も管理できます。また、顧客の予約やキャンセルなどの情報を記録できる、予約管理機能が搭載されたPOSレジもあります。

データの抽出・分析

POSレジに蓄積された売上に関するデータは、さまざまな切り口で抽出できます。たとえば、現金決済とキャッシュレス決済の売上比率や、時間帯や曜日ごとの売上額のほか、天気や季節による売れ筋商品の変化などもPOSレジなら簡単にデータ抽出が可能です。
また、抽出したデータを分析することで、より効果的なマーケティング戦略を立てられます。複数の店舗の売上データを分析し、企業全体の経営に活かすことも可能です。

売上データの一括管理

POSレジでは、複数店舗の売上をリアルタイムで一括管理できます。各店舗のデータは自動で本部に送信されるため、本部は日々の売上などの報告書を待つ必要はありません。現在、在庫管理や受発注を本部で一括して行っている企業にはとても便利なものになるでしょう。

勤怠管理

POSレジは、従業員の出退勤時刻を記録することもできます。勤怠管理機能を活用すれば、タイムカードや出勤簿なども不要になるでしょう。売上状況と勤怠状況を併せて分析し、従業員のシフト調整に役立てられます。

キャッシュレス決済

キャッシュレス決済機能が搭載されたPOSレジなら、クレジットカードや電子マネー、QRコード(バーコード)決済などのキャッシュレス決済に対応できます。POSレジによって、キャッシュレス決済に必要なカードリーダーやスキャナーが内蔵されているものと、外付けして使用するものがあります。

業種別・使用したいPOSレジの機能

基本の会計機能のほかにもさまざまな機能のあるPOSレジですが、業種によって重視する機能は異なるでしょう。ここでは、業種別に活用しやすい機能をご紹介します。

飲食業

飲食業では、売上分析や顧客情報管理、シフト管理といった機能が多く使われます。また、オーダーエントリーシステムをPOSレジと連携することで、席で受けた注文をキッチンに伝え、注文内容を自動でレジに送信という、一連の流れを自動化できます。

サービス業(美容室・整体など)

美容室や整体、各種サロンといったサービス業は、POSレジの予約管理機能を活用するといいでしょう。一度来店した顧客にリピーターになってもらうためには顧客管理機能が、適切な人員配置のためには勤怠管理機能が役立ちます。

小売業(アパレル・雑貨店など)

アパレルや雑貨店などの小売業の場合、在庫管理が必須業務となります。POSレジの在庫管理機能を使えば、バックヤードの在庫もリアルタイムで把握でき、過剰在庫や品切れを防ぐことが可能です。
さらに、顧客管理機能を活用することで、効果的なキャンペーン施策なども行えるでしょう。

医療・福祉

医療・福祉業界で多く使われているのが、顧客管理機能や予約システム機能です。そのほか、レセプト(診療報酬明細書)の発行に使用するレセコン(レセプトコンピューター)や電子カルテと連携できる機能も必要になるでしょう。

POSレジを導入するメリット

店舗にPOSレジを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。店舗の主なメリットは、下記のとおりです。

業務の効率化

POSレジは、バーコードを読み取るなど、簡単な操作で会計処理が完了します。また、売上情報がリアルタイムで記録されるため、レジ締めの集計作業も不要です。
従業員の勤怠管理や在庫管理機能を搭載したPOSレジなら、棚卸作業やシフト作成、人件費計算などにかかる時間も短縮できるでしょう。これまで、人の手で行っていた作業がPOSレジによって自動化され、業務全体の大幅な効率化を図れます。

多店舗の情報を一元管理

複数の店舗を運営している場合、POSレジを使えば、各店舗の売上や在庫などのデータを一元管理することが可能です。店舗ごとの売上を比較することで、改善が必要な店舗を把握できるなど、多店舗運営のメリットを出せます。POSレジのなかには、実店舗とECサイトのデータを連携可能なものもあります。

ヒューマンエラーの防止

POSレジでは、わざわざ商品の金額を手打ちすることがありません。そのため、打ち間違いによる会計ミスや操作ミスなどのヒューマンエラーを防ぐことができます。
さらに、自動釣銭機能が搭載されたPOSレジなら、釣銭の数え間違いなどの心配もありません。

顧客満足度の向上

POSレジを導入することでレジ業務が効率化されれば、レジの混雑緩和を実現可能です。また、在庫管理機能を活用して品切れを防ぎ、売上分析を行うことで、顧客のニーズに合った商品やサービスを的確に提供できるようになります。さらに、キャッシュレス決済などの幅広い決済手段に対応できれば、さらに顧客満足度も上がるでしょう。POSレジの機能を複合的に活用することで、顧客満足度を向上させ、結果として売上アップを目指せます。

従業員の不正防止

POSレジは使用ログが残るため、誰がいつ会計処理を行ったのかが明確です。また、売上データの集計も自動で行われるため、従業員による不正を防止することができます。万が一問題が起こった場合も原因を見つけやすく、スムーズに対処することが可能です。

コスト削減

POSレジを導入して業務効率化を実現できれば、人件費削減にもつながります。POSレジを活用して混雑する曜日や時間帯を把握することで、無駄のないシフト編成も可能です。
また、操作が簡単なPOSレジなら、慣れない従業員でもスムーズに会計処理ができるため、教育コストも削減できるでしょう。

POSレジを導入するデメリット

メリットが多い一方で、POSレジには次のようなデメリットもあります。POSレジを導入する際には、メリットとデメリットの両方を把握しておくことが大切です。

初期費用や運用コストがかかる

POSレジの導入時には、機器やツールなどの初期費用が発生します。また、導入後もシステムのアップデートやメンテナンスといった保守費用や通信費用が必要です。
初期費用や運用コストは、POSレジの種類や搭載されている機能などによっても異なるため、事前に確認をしておきましょう。

トラブル時に使えない可能性がある

POSレジは、停電や通信障害や、故障などが発生した場合、使うことができなくなります。もし、何の備えもしないまま、このようなトラブルが起こると、会計や受発注作業がストップして店舗営業に支障をきたしかねません。
POSレジの導入にあたっては、あらかじめ不測の事態を想定した上で、緊急時のマニュアルなどを準備しておきましょう。

POSレジを選ぶ際のポイント

POSレジはメーカーや種類によって機能が異なるため、選択する際には導入目的を明確にすることが大切です。
POSレジの機能には、業種や店舗規模などによって、よく使うものとあまり必要ないものがあります。次のようなポイントを意識して、自店舗にどのような機能が必要なのかを検討することをおすすめします。

店舗の規模と拡張性

「小規模店か大規模店か」「地域密着型か全国的なチェーン展開を目指すか」など、店舗の規模や今後の方向性はPOSレジを選ぶ際の重要なポイントになります。
POSレジ導入時には事業拡大を考えていなくても、将来的にどうなるかはわかりません。そのため、できるだけ店舗数の増減に柔軟に対応できるシステムを選ぶといいでしょう。

店舗の業態

飲食店や小売店、サロンなど、業種によって適したPOSレジの機能は異なります。たとえば、同じ飲食店でも、セルフオーダーやテーブル会計など、店舗のスタイルによって必要な機能は変わってきます。小売店であれば、在庫数の的確な把握など、棚卸や仕入れの効率化も重視すべきでしょう。
各業態の業務フローに合う機能をはじめから搭載している業態特化型のPOSレジもあるため、比較検討してみることをおすすめします。

使いやすさ

POSレジを操作するのは、現場の従業員です。会計を担当する従業員をはじめ、在庫管理やシフト管理の担当者など、誰でもスムーズに使えるものを選びましょう。
POSレジの操作がわかりにくいために、覚えるのに時間がかかったり操作ミスが起こったりしていては、業務効率化は遠いものになってしまいます。

保守・サポート体制

POSレジ導入時に必ず確認しておきたいのが、保守・サポート体制です。ハードウェアの故障や入れ替え時の保守体制、システムトラブルをはじめとした緊急時の対応など、サポート体制が整っているPOSレジを選ぶとあんしんです。

キャッシュレス決済への対応

近年では、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンのQRコード決済など、キャッシュレス決済の利用者が増えてきました。キャッシュレス決済に対応したPOSレジを導入することで、幅広い顧客ニーズに応え、販売機会の損失を防げます。
キャッシュレス決済といっても種類が多くあるため、導入したいキャッシュレス決済が利用できるかどうかを確認しておきましょう。

POSレジでキャッシュレス決済を併用するなら「d払い」がおすすめ

POSレジを導入すると、売上や顧客、在庫に関する情報など、従来は個別に管理していたデータを一括管理できるようになります。さらに、POSレジなら、旧来のレジでは対応できなかったキャッシュレス決済との併用も可能です。キャッシュレス決済をまだ導入していない店舗であれば、POSレジと併せて、キャッシュレス決済の導入も検討してみるといいでしょう。

「POSレジでキャッシュレス決済にも対応したい」と考えているなら、ドコモのQRコード決済サービス「d払い」がおすすめです。d払いは、スマートフォンのアプリを使って行うキャッシュレス決済です。d払いなら9,000万人を超えるdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップが見込めます。
さらに、ドコモが提供する法人向けプラットフォーム「スーパー販促プログラム」を活用することで、集客や利用単価アップといった店舗の課題解決が可能です。POSレジと併せてキャッシュレス決済の導入を考える際には、ぜひドコモのd払いをご検討ください。

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よくあるご質問

  • POSレジとは?

    POSレジとは、商品に付いているバーコードなどを読み取り、販売情報を記録・集計するシステムを搭載したレジのことです。店舗経営のあらゆるデータをPOSレジで管理・分析できるのが特徴です。詳しくはこちらをご確認ください。

  • POSレジの主な機能は何ですか?

    POSレジには、会計機能をはじめ、売上分析機能、顧客管理機能、在庫管理機能、基幹システムとの連携機能、勤怠管理機能など店舗経営の業務効率化につながるさまざまな機能が備わっています。詳しくはこちらをご確認ください。

  • POSレジの選び方のポイントは?

    POSレジは中長期的な目線で運用するものなので、目的に合っているか、現場のスタッフが使いやすいかどうかなど、さまざまな視点で検討することが大切です。初期費用だけでなくランニングコストも考慮したり、操作性がよいものを選ぶといいでしょう。詳しくはこちらをご確認ください。

監修者プロフィール

坪谷亮さん

坪谷 亮

FPサテライト株式会社 取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 日本FP協会 認定CFP®
大学時代にFPについて知り、22歳までにCFP®を取得。
FPや金融業界の現状を知り、お客さまとの利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートしている。

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