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2022年12月22日(最終更新日:2023年11月28日)

美容院にクレジットカード決済は必要?導入メリットと注意点を解説

キャッシュレス

経営ノウハウ

個人事業主

近年では、生活のさまざまなシーンでキャッシュレス決済を利用できるようになっています。美容院を経営していて、「キャッシュレス決済を導入すべきだろうか」と考えている店舗も多いかもしれません。
キャッシュレス決済にはさまざまな方法がありますが、なかでも利用者が多いのが、クレジットカード決済です。そのため、美容院にキャッシュレス決済を導入する場合、クレジットカード決済は大きな選択肢のひとつになるでしょう。

ここでは、美容院にクレジットカード決済を導入するメリットや注意点などを、クレジットカード決済の現状を踏まえて解説します。

クレジットカード決済の現状

現金をつかわない決済方法であるキャッシュレス決済には、さまざまな方法があります。そのなかでも、クレジットカード決済はどのような特徴があるのでしょうか。

国内のキャッシュレス決済のなかで、最も多く利用されている

一般社団法人日本クレジット協会の「クレジットカード発行枚数調査」によれば、2022年3月末時点での国内のクレジットカード発行枚数は3億101万枚です。これは、成人人口比で、1人あたり2.9枚のクレジットカードを保有している計算になります。
また、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が公開している「キャッシュレス・ロードマップ2023」によると、キャッシュレス決済手段別の支払金額の状況はクレジットカード決済が8割以上です。
これらの結果から、クレジットカード決済が、多くの人にとって非常に身近な決済方法になっていることがわかります。

利用ニーズはさらに高まる可能性がある

キャッシュレス決済の動向を見ると、クレジットカード決済の利用ニーズはさらに高まる可能性があります。
2018年4月に経済産業省が日本のキャッシュレス化の方向性や方針などを定めた「キャッシュレス・ビジョン」によると、2022年時点で36.0%の日本のキャッシュレス決済比率を、2025年までに40%程度、将来的には世界最高水準の80%まで上昇させるという目標を掲げています。
このような国のキャッシュレス化推進の影響もあり、クレジットカードの利用ニーズはこれまで以上に増えていくでしょう。
人々の生活に身近なサービスを提供する美容院でも、クレジットカード決済を導入することによって、多くの顧客ニーズに応えられるといえます。

キャッシュレス・ビジョンについては、下記の記事をご覧ください。

キャッシュレス・ビジョンとは?キャッシュレス比率や動向を解説

  • キャッシュレス
  • 用語解説

美容院にクレジットカード決済を導入するメリット

美容院にクレジットカード決済を導入すると、お客さまと店舗の双方にさまざまなメリットが生まれます。どのようなメリットが得られるのか、具体的な内容を見ていきましょう。

売上アップ

美容院にクレジットカード決済を導入すると、客単価のアップを後押しする効果が期待できます。美容院で提供するサービスには、ヘアカットだけではなくヘアカラーやパーマ、トリートメントなどの施術があります。それらを組み合わせると、1回あたりの価格が比較的高額になることも少なくありません。場合によっては、お客さまの希望や髪質、コンディションに合わせて、オプションメニューやヘアケア用品の購入をおすすめする機会もあります。

そのようなとき、店舗が現金決済にしか対応していないと、「手持ちのお金が足りない」という理由で、お客さまに断られてしまいかねません。しかし、クレジットカード決済なら、お客さまは手持ちの現金を気にせず、サービスの追加利用や商品の購入が可能です。「ヘアカットのついでにトリートメントも受けてみよう」「施術でつかったシャンプーがよかったから買って帰ろう」など、購買意欲を後押しし、販売機会を逃さずに済むでしょう。クレジットカード決済を導入することで、お客さまにとってベストなサービスや商品を提案しやすくなるといえます。

集客効果

I集客効果が期待できることも、美容院にクレジットカード決済を導入する大きなメリットです。美容院は、人によって利用するタイミングが異なります。定期的に決まった美容院を利用する人もいれば、「時間ができたから今日美容院に行きたい」「気分転換に新しい美容院を試したい」と考える人も少なくありません。そのようなとき、クレジットカード決済に対応している美容院なら、手持ちの現金を気にせず思い立ったタイミングですぐに利用することができます。

また、クレジットカードには、利用金額に応じたポイント還元サービスやキャッシュバックサービスなど、利用者にとってうれしい特典があります。
お客さまが美容院を選ぶときに、「同じ金額を支払うなら、クレジットカードでポイントがたまる美容院にしよう」と考え、顧客獲得のチャンスが広がるかもしれません。

業務効率化

美容院でのクレジットカード決済の導入は、業務効率化にも大いに役立ちます。現金を使用しないクレジットカード決済では、会計の際にお札や小銭をやりとりする必要がありません。また、現金のやりとりが少なくなることによって、釣銭の準備やレジ締め後の集計などの手間も軽減されます。

特に個人経営の美容院では、レジ専任のスタッフがいないことも多く、美容師が会計やレジ締めなどの作業を兼任するケースがほとんどでしょう。店舗にクレジットカード決済を導入することによって業務を効率化できれば、お客さまへのサービスやスキルアップにより集中できるようになります。

顧客満足度の向上

美容院にクレジットカード決済を導入することで、顧客満足度も向上すると考えられます。美容院でリピーターを獲得するには、施術の良し悪しと同じくらい、サービス面でいかに満足感を与えられるかが重要です。
施術後の会計で、もたついたり待たされたりすると、店を出る際の印象が悪くなりかねません。最後に「また利用したい」と思ってもらうためにも、会計時の対応は重要であるといえます。クレジットカード決済を導入することで会計がよりスムーズになれば、トータルの満足度向上にもつながるはずです。

不正やミス、盗難のリスクを回避

会計時の不正やミス、現金の盗難のリスクを回避できることも、美容院でクレジットカード決済を導入するメリットといえます。クレジットカード決済を導入すると、1日の売上が現金払いとクレジットカード決済に分散され、レジに置く現金が少なくなります。多額の現金を店舗に保管したり、銀行口座への入金のために持ち歩いたりすることがなくなるため、不正や盗難のリスクも軽減できるでしょう。
また、不正の意思がなかったとしても、現金決済では、釣銭の渡し間違いや集計ミスなどで売上が合わなくなってしまうこともあります。クレジットカード決済で会計がデータ処理できるようになると、そのようなリスクの防止にもつながります。

美容院にクレジットカード決済を導入する際の注意点

お客さまにとっても店舗にとっても、メリットの大きいクレジットカード決済ですが、導入時には次のような注意点があります。クレジットカード決済を導入する際は、注意点についてもよく確認しておくことが大切です。

導入コスト

クレジットカード決済の導入にあたっては、決済端末を設置するための初期費用がかかります。また、お客さまがクレジットカード払いを利用すると、売上に対して所定の割合の決済手数料が発生します。そのほか、契約するクレジットカード会社や決済代行会社によっては、システム維持費として月額料金が必要になることもあるでしょう。必ず事前に初期費用などを確認し、かかるコストと得られるメリットのバランスを考慮した上で導入を検討することをおすすめします。

スタッフ教育

クレジットカード決済を導入した場合は、スタッフ教育が必須です。会計をスムーズにするためにクレジットカード決済を導入したのに、決済端末の操作に手間取って時間がかかってしまっては本末転倒です。
また、クレジットカード情報の漏洩などのトラブルがあると、お客さまの信頼を失うばかりか、大きな責任問題にも発展しかねません。
決済端末のつかい方やクレジットカードの取扱いなどに関してスタッフ教育を徹底することで、お客さまがあんしんしてクレジットカードを利用できる環境を整えましょう。

売上入金までのタイムラグ

クレジットカード決済では、売上が入金されるまでにタイムラグがあります。現金決済ならサービス提供や商品販売と同時に手元に現金が入りますが、クレジットカード決済では、売上額は所定の締め日に集計され、入金日になるとクレジットカード会社から口座に振り込まれます。
売上があった日から実際に現金が入るまでにタイムラグがあるため、資金繰りが悪化しないよう注意が必要です。入金サイクルは月1回、または月2回などクレジットカード会社によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

不具合発生のリスク

通信障害や決済端末の不具合などのトラブルが発生すると、クレジットカード決済システムがつかえなくなってしまいます。万が一問題が起こったとしても適切な対処ができるように、あらかじめトラブル時の対策を立てておくことをおすすめします。
決済サービスを提供する会社のサポート体制についても、導入前に十分確認が必要です。

美容院にクレジットカード決済を導入する方法

美容院がクレジットカード決済を導入するには、「クレジットカード会社と直接加盟店契約を結ぶ」または「複数のカード会社との手続きをまとめて依頼できる決済代行会社と契約する」という2つの方法があります。ここでは、それぞれの導入方法について、詳しく見ていきましょう。

クレジットカード会社との直接契約

直接契約とは、導入したいクレジットカードブランドを取り扱うクレジットカード会社に直接申込んで、加盟店契約を結ぶ方法です。後述する決済代行会社との契約に比べると、手数料負担を抑えられることが多いですが、複数のクレジットカードブランドを導入したい場合は、各ブランドと個別に手続きをしなければなりません。また、複数のクレジットカード会社と直接契約をした場合、売上金の入金がそれぞれ違うので管理が煩雑になりがちです。
「手間がかかってもコストを抑えることを優先したい」「クレジットカード決済以外のキャッシュレス決済を導入する予定はない」という店舗なら、直接契約を選んでも問題は少ないでしょう。

決済代行会社との契約

決済代行会社に依頼すると、複数のクレジットカード会社との契約を一括で任せることができます。一般的に決済代行会社と契約した場合は、直接契約に比べて手数料などのコストがかかりますが、複数のカードブランドを導入したい場合であっても、契約から売上金の入金まで、決済代行会社とのやりとりだけで済むので、業務負担を大幅に軽減できることが大きなメリットです。
また、クレジットカード以外にも、QRコード(バーコード)決済や電子マネーなど、ほかのキャッシュレス決済にも対応可能な決済代行会社もあります。

クレジットカード決済については、下記の記事をご覧ください。

クレジットカード決済とは?仕組みや導入方法、メリットを解説

  • キャッシュレス

美容院にクレジットカード決済を導入したら、告知も忘れずに

dせっかく美容院にクレジットカード決済を導入しても、お客さまに告知しなければ利用してもらうことはできません。広告費用をかけなくても、次のような方法なら効果的な告知が可能です。

WebサイトやSNSで情報発信

美容院の情報を得る手段として主流となっているのが、WebサイトやSNSです。クレジットカード決済を導入したら、まず店舗の公式WebサイトやSNSで告知してください。アクセスや営業時間などと併せて、対応可能な決済方法について紹介するのもおすすめです。
その際には、クレジットカード決済可能ということに加えて、対応しているクレジットカードブランドも明示しておくといいでしょう。

店頭にステッカーを貼る

美容院の入り口やレジ周辺、待合スペースなどに、クレジットカード加盟店であることがわかるステッカーやポスターなどを掲示するのも効果的です。クレジットカード決済に対応していることがひと目でわかるため、「クレジットカードがつかえるならサービスを追加しようか」「ヘアケア用品を購入できる」などと考えるお客さまもいるかもしれません。

美容院にキャッシュレス決済の導入を検討しよう

キャッシュレス決済には、クレジットカード以外にもいくつかの方法があります。そのなかでも、若い世代を中心に近年注目が集まっているのがQRコード決済です。スマートフォンをつかったQRコード決済は、クレジットカード決済に比べれば利用者のシェアが少ないものの、急激に普及しているキャッシュレス決済といえます。特に、若い世代の集客をめざしたい美容院にとって、QRコード決済の導入は売上や顧客満足度の向上につながる可能性が高いでしょう。

美容院にQRコード決済を導入するなら、d払いがおすすめです。d払いなら、約9,000万人を超えるdポイントクラブ会員に店舗の存在をアピールでき、集客・売上アップが見込めるでしょう。また、ドコモでは、d払い加盟店で利用できる「スーパー販促プログラム」を提供しています。「スーパー販促プログラム」をつかえば、お客さまに加盟店からのメッセージやキャンペーン情報を配信でき、集客や利用単価アップといった施策ができるようになります。
新たに導入するキャッシュレス決済をどれにするかお悩みの際には、ぜひ、ドコモのd払いをご検討ください。

d払いの導入については、下記の記事をご覧ください。

d払いとは?手数料や導入方法、入金サイクル、メリットを解説

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よくあるご質問

  • クレジットカード決済の利用状況は?

    一般社団法人キャッシュレス推進協議会が公開している「キャッシュレス・ロードマップ2023」によると、キャッシュレス決済手段別の支払金額の状況はクレジットカード決済が8割以上です。

  • 美容院にクレジットカード決済を導入するメリットは?

    美容院でのクレジットカード決済導入は、5つのメリットがあります。①売上アップ:客単価の向上や販売機会の拡大。②集客効果:顧客の利用しやすさと特典による魅力。③業務効率化:現金の取り扱い減少による効率的な業務進行。④顧客満足度向上:スムーズな会計で顧客満足度向上。⑤リスク回避:不正やミス、盗難のリスクを軽減。

  • 美容院にクレジットカード決済を導入する際の注意点は?

    クレジットカード決済の導入に際し、以下の注意点が挙げられます。導入時のコスト、スタッフの教育、売上の入金までのタイムラグ、及びシステムの不具合発生リスク。特に、導入・維持のコストを明確にし、スタッフへの適切な教育、入金タイミングの確認、トラブル時の対策は事前に確認しましょう。

執筆者プロフィール

黒川一美さん

黒川 一美

日本FP協会 AFP認定者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学院修了後、IT企業や通信事業者のセールスエンジニア兼企画職として働く。出産を機に退職し、自分に合ったお金との向き合い方を見つけるため、FP資格を取得。現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。

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