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いくつになっても目の前の課題を解決し続ける。
85歳世界最高齢プログラマーが描く未来とは

世界最高齢プログラマー 若宮 正子

3高齢者にこそデジタルツールを使ってほしい

現在は、1999年に創設した「メロウ俱楽部」というシニア世代のネット上のコミュニティの副会長を務め、またNPO法人の理事として、シニア世代へのデジタル機器普及のために各地を飛び回っています。

私は好奇心が旺盛で、創造力を大切にしています。
最近はAI(人工知能)が注目されていて、人間がやっている仕事をAIに奪われてしまうのではと心配する人もいます。
しかし、AIはゼロから1を作ることはできません。
例えば私は10年ほど母の介護をしていて大変な時期もありましたが、AIやロボットが進化すれば、介護の負担も軽くなるはずです。
創造力を養っていけば人間とAIは二人三脚で共存できると思います。

最近はAI(人工知能)スピーカーに注目しています。
AIスピーカーは音声で操作できるので、高齢者でも使いやすく生活の補助になるので、結果的に高齢者の自立支援になると思うんです。
年を取っていくと視力や聴力が落ちて、体を動かすのが大変になっていきます。
もちろん運動は必要ですが、声だけで操作が出来るAIスピーカーがもっと高齢者に広まっていくことを願っています。
私の自宅でもAIスピーカーと家電などをリンクさせていて、テレビや電気のスイッチは声で指示して電源が入るようにしています。

2019年夏、行政手続きなどを紙からデジタルへ移行して電子政府を実現したエストニアに行きました。
エストニアの高齢者がどんなことを思っているのか知りたかったからです。

エストニアの高齢者100人に調査をしたところ、93%の人が「電子政府が生活をより豊かにした」と答えました。
通常、高齢者はITを毛嫌いしていて、なかなか使いこなしてくれません。
しかし、いったん使うと満足度が高いということがわかりました。

昔と比べてデジタルツールはずいぶんと使いやすくなりました。
高齢者はデジタルの力を使えば自立できる期間が長くなります。
私は高齢者こそがこうしたデジタルツールを使うべきだと思っていて、高齢者施設にもっとネット環境を整備するよう要望しています。

高齢者のデジタル先駆者となって、他の高齢者にデジタルツールの素晴らしさを広めていきたいですね。

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