シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

32歳無職からチャンスを掴んで起業。
まだ見ぬ自分の可能性を見出すサポートを
【ミーニング・ノート開発者/株式会社ダイジョーブCEO・山田智恵】

目次
  1. 自分は一体、どれほどのチャンスを逃してきたのだろう
  2. 「ミーニング・ノート」で掴んだチャンス
  3. 自分の可能性を見つけるサポートをしたい

人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、ノートに1日3つチャンスを書くことで、起きるできごとに価値や可能性を意味づけする「ミーニング・ノート」を生み出した山田智恵さんをご紹介。

社長令嬢として何不自由ない毎日を送っていた人生から一転、民事再生を機に一家全員が失業者になった山田さん。そんな中、始めたのがミーニング・ノートをつけることでした。その背景とは?お話を伺いました。

1自分は一体、どれほどのチャンスを逃してきたのだろう

父親、祖父ともに会社経営をしていて、経営者の娘として育ちました。
家庭では、ビジネスは自分でやるのが当たり前という価値観がありました。
両親からは「勉強しなさい」などと言われたことがなく、自分がやりたいと思うものを自然と選んで育ちました。

ただ、何かに熱中したり目的を考えて行動したりすることはほとんどありませんでした。
経済的に何不自由ない生活をさせてもらって、甘えていたところもあったと思います。
キャリアや将来について真剣に考えることもせず、のほほんと過ごしていました。

大学卒業後は、就職活動をせずに父の会社へ就職しました。
今思うと、周りから気を使っていただいて、ぬくぬく過ごしていたと思います。
時間もお金も有限だということに気づかず、ただただ浪費する毎日。
与えられた場所でなんとなく働く毎日を送っていました。

ただ、親のおかげで今の生活ができていると理解はしていたので、自分に自信はありませんでした。
人生を自力で切り拓く人を見ては、「すごいなぁ」と自分との違いを感じていましたね。
とはいえ、何か行動を起こそうとはせず「楽だし、今のままでいいかな!」とぼんやり過ごしていました。

ところが、リーマンショックを機に生活が一気に変わりました。
会社は不況の煽りを受け、倒産。
お嬢様として何も考えずに暮らしていた毎日から一転、失業者となってしまいました。
これからは、親に頼らず自分の力で生きていかなければならない。
32歳で初めて社会に出て働くことになりました。

就職をし、いざ働き始めると、自分がいかに何もできないかを痛感しましたね。
電話の出方もわからない、経費申請ができることすら知らない。
業務にあたる度に、わからないことが増えていくんです。
無限に知らないことが広がっていく毎日に、ビクビクしながら過ごしていました。

また経営者の娘として生きてきたアイデンティティが突然失われ、焦りや不安もありました。
生活のためと会社に勤めながらも「私、このままでいいんだっけ?どうやって生きていくんだろう」という迷いや葛藤は常にありました。
何者でもない自分の存在に寂しさを感じることもありましたね。
だからこそ、自分にしかできないことがやりたい!という想いもありました。

どうしたらチャンスを掴めるのだろうか?そう考え過去の自分を振り返ったとき、これまでたくさんのチャンスを見逃してきたことに気づきます。
あのとき、みんなと一緒に就職活動をしていれば…。
あのとき、留学していれば…。
そんな後悔が次々と蘇ってきました。

当時は、チャンスと思っていなかったがゆえに、逃してしまったチャンス。
ということは、今この瞬間もチャンスを見落としているかもしれない。
いや絶対に見落としている!まずはチャンスを見分ける目を養うためのトレーニングが必要だ、と考えるようになりました。

それからノートに1日3つ、チャンスを生活の中から見つけ出して記録していく、今の「ミーニング・ノート」の原型となる記録をつけ始めました。

2「ミーニング・ノート」で掴んだチャンス

その頃、もう少し自分の力を試せる環境に身を置きたい気持ちが大きくなり転職を考えます。
転職活動の末、広告代理店のソーシャルメディアの事業部に採用されました。
まだソーシャルメディアが世に出始めたばかりで、業界の常識やルールもできあがっていない。
それなら知識や経験のない自分でも活躍できる場所があるのではないかと入社を決めました。

転職後もノートをつけることは引き続き行なっていました。
チャンスを意識しながら仕事をしていると、日々を過ごす姿勢も少しずつ変わっていきました。
これ、チャンスかな?と思えば自ら手を挙げて仕事を任せてもらったり、それまで読み流していた全社員宛のお知らせメールもチェックしてプロジェクトの募集欄に応募してみたり。
小さなことも、みんなが嫌がることも、チャンスだと思えば張り切ってやっていました。

また、1週間・1ヶ月とノートを振り返ることで、一見何も関係のないようなできごとが思いがけないところでつながっていたり、小さな出会いやきっかけが大きな活躍の場につながっていたりすることに気がつきました。
まるでわらしべ長者のようだなと思いましたね。
そのときは大したことじゃないと思っていても、本当は大きなチャンスに成りうる。
どんなできごとにも意味があり無駄ではないと思えるようになっていきました。

山田さんが書き続けたノート

山田さんが書き続けたノート

だんだんと視点や行動が変化していくに連れ、取り巻く環境も変わっていきました。
仕事では転職1年目で部長を任せてもらえるまでに。
またInstagramが日本でも大きな影響力を持つことを見抜いて、著書を出版することもできました。
会社に貢献できている実感もあり、うれしかったですね。
部署のみんなと一緒に、全力でソーシャルメディアの運用に力を注いでいました。

部署の取り組みが成功し充実感に満たされる一方で、私個人だからこそできることを見つけたい気持ちはずっと心のどこかにありました。
人生を終えるとき、自分の信じていることを言うとするならば何だろう。
そう考えると、「会社での事業ではなく、自分自身で人に貢献できることをしたい」という想いが浮かんできました。

そのとき、チャンスをノートに記録し続け、人生が変わった経験が、誰かの役に立つのではないかと思うようになります。
きっと私だけじゃない。
他の人の人生も好転させるツールになってくれるはず。

そんな想いを募らせていたところ、ノートについて出版のお話をいただきました。
執筆に専念するために会社を退職し、独立することに。
執筆中は貯金を切り崩しての生活でした。
先行き不透明な毎日でしたが、それほど不安ではありませんでした。
ノートにチャンスを書き込み始めてから6年。
仮に失敗しても、今の私ならまたチャンスを見つけ出していけるだろうという自信が自分を支えてくれていました。

3年がかりで本を出版し、その後はノートの活用術を多くの人に伝えるためコミュニティづくりにも力を入れました。
もちろん一人でもチャンスを書き込み起きたできごとに意味づけをしていくことはできます。
でも仲間と一緒に行うことで、新しい視点を得られたり自分のクセに気づけたり、多様な意味づけ方を学ぶことができるのではないかと考えたのです。
そこで、仲間と楽しく効果を出すための場をつくりたいと、コミュニティを立ち上げ活動を始めました。

ミーニング・ノートのコミュニティページ

ミーニング・ノートのコミュニティページ

3自分の可能性を見つけるサポートをしたい

現在は、株式会社ダイジョーブのCEOを務めています。
ノートに1日3つチャンスを書くことで、起きるできごとに価値や可能性を意味づけする『ミーニング・ノート』を広める活動を通して、自分の力で人生を切り拓くサポートを行っています。

具体的には、オンラインコミュニティの運営・企業のチームビルディングセミナー・大学生へ向けての授業など。
さまざまな場を通じてみなさんにミーニング・ノートの効果と活用術をお伝えしています。

設立したオンラインコミュニティには、130人以上の人に参加いただいています。
日曜日の朝にそれぞれどんなチャンスを見つけたかを共有しています。
みんなとチャンスの話を共有すると、「最近は、家族のことが多めだな」とか「仕事のことばかりを書くんだな」とか「嫌なことに目が向きがちだな」とか、それぞれ自分のクセが見えてくるんですね。
それを仲間にシェアすることで、こんなこともチャンスと捉えられるんだ!と視野を広げることができるんです。
また、仲間と行うことでお互いの理解が深まるのも利点ですね。

コミュニティでは、メンバー同士お互いに背中を押し合ってチャンスを見出して行動する人が多くいらっしゃいます。
自分でYouTubeチャンネルを立ち上げて発信を始めた人や、個人事業主になり大好きなことを仕事にした人、本を出版する道を切り拓いた人など。
どんどん行動が積極的になり変化するメンバーの姿を見て、コミュニティをもっともっと大きくしたい気持ちが膨らんでいます。
今はコミュニティメンバー1,000人を目標に動いています。

過去の私は、夢中になれるものは何もなく自信を持てずに過ごしていました。
一家全員無職になり、人生どん底まで落ちましたが、チャンスを掴みたいとミーニング・ノートを活用したことで自分の可能性を見出せるようになった。
まさに人生が変わった経験です。

だからこそ、自分に自信がなかったり、何か行動をしたいけどできなかったりする人の背中を押したいんです。
自分の可能性を見つけたい。
もっともっと羽ばたきたい。
そう思っている人のサポートを、これからもし続けたいです。

ミーニング・ノートについて講義をする様子

ミーニング・ノートについて講義をする様子

※掲載している情報は、記事執筆時点(2021年1月)のものです

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
ご協力ありがとうございました
Related Stories

関連ストーリー

この記事を読んでいる人は、こんな記事も読んでいます
シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

マイマガジン

旬な情報をお届け!随時、新規ジャンル拡充中!