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ダイエットと朝食を巡る議論から見えてくる、意外な結論とは!?

2017/04/20

ヨーロッパでは、古くから「朝食は王様のように、昼食は王子様並みに、夕食は貧民の食べる程度に」という格言があります。特に子どもに対して、「朝食をきちんと食べないと、午前中学校で集中できませんよ!」と言うわけです。ダイエットに関しても、大方の意見はこの格言と同様に、朝食をきちんと食べることを勧めています。その根拠は、朝食を食べることで新陳代謝を促すことができるから。でもこれって本当にホント? 朝食を食べないと太ってしまうの? いやいやそんなことはないでしょ? ...ということで、今回はダイエットと朝食の関係の真実に迫ってみました。

朝食を食べると代謝がアップする?

朝食を食べると代謝がアップする?
エネルギーは身体の全活動において必要なものです。もちろん食べることもその活動のうちの一つ。胃に食べ物を貯蔵し、小腸へ移動、血液中へ吸収し消化する、この一連の過程でエネルギーが消費されることを専門用語では「食事誘導性体熱産生」と言います。これに基礎代謝と運動による消費カロリーを合わせると、一日の消費カロリー、つまり一日に必要なカロリー量となります。理論的には、摂取カロリーよりも多くのカロリーを消費し続ければ、体重は減ります。
朝食を食べることで、食事誘導性体熱産生が起き、代謝を刺激します。これまでの研究では、同じ食事を朝と夜に取った場合、朝に取った方が代謝を向上させるという結果が確認されています。ですので朝食を取ったほうが身体の新陳代謝はより促進されると言うことができるでしょう。ただし、食事によるカロリー消費は全体の15%に止まりますので、朝食を取ることだけでは減量の決め手にはならないように思われます。

朝食を抜くと、かえって多くのカロリーを摂取してしまう?

朝食を抜くと、かえって多くのカロリーを摂取してしまう?
朝ごはんを食べないと、結局昼間にたくさん食べ過ぎてしまったり、「朝食べていないんだから...」と余分な間食をしてしまうことになりがちです。こういった傾向は誰でも身に覚えのあることでしょう。ですが、ニューヨークの研究者の最新の論文では、朝食を食べていても食べていなくても、最終的な一日のカロリー摂取量は変わらない、という結論が発表されました。朝ごはんを抜いたからといって、カロリー超過を招くとは限らない、ということですね。

朝食を食べないほうが、一日空腹を感じずにいられる気がするんですが...?
朝ごはんをしっかり食べたのに、昼食前にはお腹が空いている。朝食を食べた時のほうがむしろお腹が空いて、昼前におやつを食べたり昼食を食べ過ぎてしまう気が...。特に朝食を取らないことが多い人はそんな風に感じたことがあるかもしれません。これは胃の伸縮性に関連があると考えられます。日頃から食べる量が多かったり、頻繁に食べ物を口にしている人の場合、胃が伸びて大きくなっているので、その分空腹感を感じやすくなります。夕食後何も食べずに就寝し、翌日朝食を食べなければ胃が縮んで小さくなっていることでしょう。すると、空腹を感じにくくなりますし、朝食を食べる事で発生するエネルギー消費もありませんから、あまりお腹が空かない、という結果になります。空腹を感じにくいということは、カロリー摂取を制限するという視点ではよいことですが、その一方で朝食を食べることにより代謝が促進される効果の恩恵を受けることはできません。朝食を取るべきか、取らないべきか、さてどちらがよいのでしょうか?

朝食を抜くと太るって本当?

朝食を抜くと太るって本当?
これまでの調査や研究では、朝食を食べない人の方が肥満になりやすいと言われてきました。とはいえ、朝食を食べない習慣を続けることで必ず太るかといえば、そうとは言い切れません。それよりも、このような研究結果からは、朝食を取る人のほうが早寝早起き、活動的でヘルシーなライフスタイルを実践している傾向があり、それが「朝食を取っている人のほうがスリム」という結果につながっているという考察も可能です。テーブルについて朝食を取ってからゆっくり出かける準備をする人のほうが、朝起きて取るものも取りあえずバタバタと出かけていく人よりも、健康管理ができているという印象はありますよね。だからといって、朝食を食べれば肥満にならずに済むといった単純な話でもありません。

さて、ここまでお付き合いいただいて恐縮なのですが、「朝食は王様のように、昼食は王子様並みに、夕食は貧民の食べる程度に」という格言の裏付け、さらには朝食を食べるべきか抜くべきかという問いに対する明確な答えはない、というのが結論のようです。しかしこのことはダイエットに関するたくさんのメソッドやディスカッションが嘘かマコトかを考える上で大きなヒントとなります。

ところで、朝の空腹感は「グレリン」というホルモンの働きによることはご存知でしたか? 食欲中枢を刺激するこのグレリン、特に朝の時間帯に血中濃度が高いことが研究結果からわかっています。今回探ってきた事実を総合すると、朝の空腹感を落ち着かせる程度の健康的な朝ごはんを適量食べている限りは、ダイエットの成果にネガティブな影響はなさそうです。私たちはどうしても「何々すべきか否か」「何々は身体に良いか悪いか」など、様々なことについてはっきり白黒つけようとしがちですが、万人に当てはまる唯一の正解はないことも多いというのが実情ではないでしょうか。例えば朝食なら、何をどのくらい食べるのが自分自身の体質や体調にとってベストか、自分の身体が発する声に耳を傾け、徐々に改善していくのが効果的。溢れかえる情報に惑わされず、自分が気持ちよく、健康的に毎日を送ることができるような運動習慣や食生活を実践してください。

朝食について考える際の重要ポイント

  • 「朝食」と一言でいっても、何を食べるかでその意味は大きく異なります。朝食を食べると太りにくい、という言葉を鵜呑みにして、砂糖のたくさん入った菓子パンやドーナッツ、チョコレート入りのシリアルをたくさん食べて、太りにくい身体ができるはずはありません。
  • 特に食べ過ぎの傾向があるわけではない人が、朝食に限らず食事を抜くということは、一日に必要な栄養素を取る機会を減らすということです。
  • 朝ごはんを食べる習慣により、食後の血糖濃度上昇を抑えられるなど、糖尿病の人にとっては重要な効果があります。
  • 体重減量、ダイエットのためにランニングに取り組みたいという方は、ぜひ朝ごはんの前に走ってください。逆に、筋肉をつけたい、タイムやペースを磨きたい、という方はトレーニングの前に必要なエネルギーを取るようにしたほうが効果的です。

提供元:Runtastic Blog - Fitness, Nutrition & Health
監修:Julia Denner,Vera Schwaiger,Lunden Souza,Herwig Natmessnig