1声優になってから一番苦労した経験は何?それをどう乗り越えましたか?
IKKANさんが声優になってから一番苦労した経験は何ですか?
ある日突然、喉が枯れてしまったことですね。
ちょうど花粉症シーズンで、起きたら声が出なくて。
その日はナレーション収録があったので、「うわ、どうしよう」と焦りました。
収録時間に効き目が出るよう時間を計算してステロイド剤を飲み、はちみつや、ごま油や、のど飴など、喉にいいものを持って現場に向かいました。
現場に着いた時もまだ声が枯れていましたが、マイクの前に座り、いざ収録というタイミングの時には、何とかナレーションを収録することができました。
収録後、録音を聞いていたマネージャーに「今日、声が枯れていたんですけど、どうでした?」と話したところ、「え?全然気づきませんでした」と言われてホッとしました。
この時はヒヤヒヤしましたね。
アレルギーは不可抗力なぶん、より大変そうだなと感じます。
いやあ、本当にそうですね。
それからは免疫力について調べ始め、腸を整えた方がいいと知ってケアをするようになりました。
その成果が出ているのか、ここ最近は花粉症シーズンでも軽めの症状で抑えられています。
その他、どのようなケアをされているのでしょうか。
加湿に関してはしっかり気をつけています。
なるべく部屋の湿度を50%以上に保つようにして、食事も気をつけるようになりました。
腸に負担のかかりすぎない食事を心がけています。
さらに、歌の収録があるときなどは、収録日にベストコンディションになるよう、数日前にあえてカラオケで喉を酷使して、少し潰すようにもしています。
のどを守るのではなく、潰すのですか?
ええ。
筋トレによって傷んだ筋が修復していく時に、筋肉が強くなっていくのと同じで、喉も少し潰れたところから戻るときに強くなり、修復してくると、いつもより幅広いキーの音も調子よく出せるようになるのです。
特に、歌の場合、決められた音程を正確に出さなければなりませんから、楽譜をもらって「このキーは、喉の調子を最大限に引き上げておかないと出せないから、数日前から喉を潰して強くする準備をおこう」というのが僕のやり方です。
喉は使っておかないと、かえって弱くなってしまいます。
2反対に、声優になって一番うれしかった瞬間や事例を教えてください
声優のお仕事をされる中でうれしかったこと、楽しかったことは何ですか?
全部です。
全部楽しいです。
演じること自体が楽しいという感じでしょうか。
そうですね。
現場で作品作りをしていること自体が楽しいです。
他の声優さんや音響監督さんなど、スタッフさんたちと「ああだよね、こうだよね」と話し合うのも楽しいですし、他の声優さんの演技を「おもしろいな」「いい芝居だな」「もっとこうしたらいいんじゃないかな」なんて思いながら見ているのも楽しいです。
僕は芸能が趣味で、趣味を職業にできていること自体が幸せです。
ですから、「早く仕事を上がりたいな」と思ったことはないと思います。
お酒を飲みに行くこと自体も好きですが、「あーあ、早く仕事を終えて飲みにでも行きたいよ」という感じではなくて、「仕事も楽しい、そのあとに飲みに行って仕事のことを振り返るのも楽しい」といった感覚です。
ある、きつい仕事の時「こんなシビアな現場なのに、IKKANは文句を言わないでやってくれて、ありがたいわ」とスタッフの方に言われたことがあります。
でも、僕からすると明け方までの仕事になろうが、環境の劣悪なところでの撮影だろうが、本当に心から楽しんでいるだけ。
我慢しているわけではないのです。
「ずっと芸能の仕事をしていられて楽しい!」と思ってしまう。
天職ですね。
自分の性格と芸能の仕事が合っているのだと思います。
恵まれていると思いますね。
ですから、芸能の仕事だけで生きていけるなら、大きく稼ぐことができなくても幸福度が高いと思っています。
3今後の展望やご自身の将来のビジョンについて伺わせてください
IKKANさんは声優だけではなく、幅広く芸能のお仕事をされていますが、これからのご活動についてはどのような展望を描いていらっしゃいますか?
どんどん新しいことをやりたいです。
飽き性なのかもしれませんが、目新しいものがとにかく好きなので、みんなが見たことのない様な現場に足を踏み入れ続けたいですね。
誰かに「まだ収益になるかどうかわからないけど、こんな新しい仕事があるよ。やってもらえないかな?」と言われたとき、僕はいつも前のめりで聞いてしまう性質で、そのうえ断らない性格だから、どんどんいろんな人から新しい情報が集まってくるのでしょうね。
石橋を叩いて慎重に取り組むのもありですが、損してでも、楽しいことならなんでもやりたい。
新しい仕事はいつでも大歓迎。
これからも、どんどん難易度の高い仕事に挑戦し続けていきたいです。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2022年9月)のものです