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やりたいことよりも、得意なことを。
キャリアカウンセラーが語る仕事選びのコツ
【株式会社UZUZ専務取締役・川畑翔太郎】 <後編>

目次
  1. やりたいことがない人の仕事の探し方のコツは?
  2. やりたいことではなく、得意なこと。では、得意なことがない人は?
  3. やりたいことも得意なこともない人は、どうやってファーストキャリアを決める?
  4. 何がしたいかわからないとキャリアに悩む人にアドバイス

人はどのようにして人生の道を選択し、壁を乗り越え進むのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、キャリアカウンセラーの川畑翔太郎さんにインタビュー。

前回は、就活に失敗した際のアドバイスをいただきました。後編となる今回は、やりたいことがない方へのアドバイスや仕事を選ぶコツを教えていただきました。

1やりたいことがない人の仕事の探し方のコツは?

仕事を選ぶうえで、やりたいことが見つからず、軸が定まらない場合、どうしたらいいでしょうか。

そもそも「やりたいことがない」ことに負い目を感じることはありません。
やりたいことがなくて悩んでいるなら、仕事で得意なことを探したり、結果が出るまで工夫してみましょう。
厳しい言い方をすると、ある程度の年齢になって「やりたいことを仕事にしたい」と言い続けている人は、得意なことがない、もしくは実績をあげたことがない人がほとんどです。
結果が出ないから「やりたいこと」に逃げているにすぎません。

こう話すと、「やりたいことを仕事にしたからこそ活躍できた人もいる」と反論が来るかもしれません。
でも「やりたいことで結果を出している人」たちは、もともと仕事を楽しむスキルが高い人、かつ結果が出ている人たちです。
実際は、最初からやりたい仕事を選んでいるよりも、やってみた仕事で結果を出して、途中から仕事が楽しくなった人がほとんどです。
だから、「やりたいことを仕事にしたら人生うまくいく」なんてことはありません。

むしろ得意なことを仕事にしたり、仕事を通じて得意なことを増やすべきです。
得意なことを仕事にしていると、自信もつくし、結果も出て、周りからも褒めてもらえます。
人はできることをしているときが一番いきいきするし、楽しいと思えます。
その結果、先ほどのように「今はやりたいことを仕事にして成功している」と思うことができます。

私が今まで見てきた人も、はじめからやりたいことを仕事にした人より、得意なことを仕事にしたことで活躍できた人の方が、楽しそうに働いている印象を受けます。

2やりたいことではなく、得意なこと。では、得意なことがない人は?

得意なことを仕事にしようとしても、やりたいこと以上に思いつかない人も多いと思います。
どうすればいいでしょうか。

確かに、就活生や社会人になったばかりの人たちが「得意」と語れることはなかなかないと思います。
それは「実績(仕事として実際にやってみて、結果を出したこと)」がないからです。

社会人の方は、最初の3年くらいは手当たり次第にチャンスをもらえる仕事をすべてやってみるべきです。
社会人1年目は、いわば食べたことがある料理が少ない人。
世の中にあるおいしい料理(得意な仕事)を知らないのに、「はじめからこの料理しか食べられません」と宣言してしまうと、本当に自分に合った料理には出会えません。
それよりも、まずは何でも食べてみて、どの料理が自分の舌に合うか、試してみる。
すると、どんどん舌が肥えてきて、比較もできるようになります。
だから、まずは変に選り好みせずにどんな仕事も味見してみましょう。

やったことがない仕事で失敗してしまうのが怖い人もいるのでは?

新人の時に最も身に付けた方がいい能力は「失敗リカバリー能力」です。
失敗したらどのように対処すべきか、どのように報告すれば影響が最小限に収まるかなどのノウハウ、そして「失敗してもリカバリーできるからとにかくやってみよう」というマインドを身に付けましょう。

このノウハウやマインドは、どんなビジネスパーソンにも求められる基礎中の基礎です。
これがあれば、怖がらずにどんどん仕事の味見ができるので、何が自分にとって得意なことなのかを知る材料が増えます。
心配しなくても、入社後3年くらいは、失敗は当たり前。
あまり咎められず、まわりもカバーしてくれます。
まずは失敗を恐れずに、色んな仕事にチャレンジしてみてください。

3やりたいことも得意なこともない人は、どうやってファーストキャリアを決める?

やりたいことも得意なこともない人は、どうやって仕事を選べばいいでしょうか。

まずは自己分析をしてみましょう。
おすすめなのが、「ネガティブリスト」づくり。
自分はどんな働き方だとアレルギーを起こすか、どんな作業はやりたくないかを考えます。
まずはその仕事だけを避けるようにしましょう。

次は採用市場にどんな仕事(求人)があるのか調べてみましょう。
大前提として、働く理由はお金のため。
それ以外の条件が同じなのであれば、お金が稼げる仕事をすべきです。
ここで重視すべきは、「業種」ではなく「職種」で仕事を探すことです。
理由は、職種の方が「身に付くスキル」「働き方」に直結しているので、「仕事に合う/合わない」に大きな影響があるからです。

たとえば、営業職と事務職、技術職ではぜんぜん仕事内容や働き方、評価基準が違います。
例えば、営業職が自動車業界から不動産業界のような異業種に転職しても、営業スキルはある程度引き継ぐことができるので、ゼロからスタートすることにはなりません。
しかし、同業での転職だったとしても、営業職から技術職に転職しようとすると、業務内容も求められるスキルもかなり違ってしまいます。

日本の新卒採用は総合職採用が一般的であるため、「業界」という軸で選びがちですが、それは採用する企業側の都合にすぎません。
ざっくり、営業職や技術職、事務職などの職種を分析し、自分の能力が活かせそう、こんな働き方なら続けていけそうだと感じる職種を受けてみましょう。

とはいえ、会社は山の数ほどあります。
どう選べばいいですか。

確かに選べないですよね。
しっかり自己分析や市場リサーチをしたうえであれば、私はランキングの上から順に受けていってもいいと思っています。
ファーストキャリアは確かに大事ですが、それだけで今後のキャリアが決まってしまうほど決定的なものではありません。
これからの仕事ぶり、転職によってキャリアはどうとでもなります。
ある程度の条件を絞れたら、どうせならランキングに上がっているような人気の会社を数十社受けてみるという考え方でいいと思います。

4何がしたいかわからないとキャリアに悩む人にアドバイス

最後に、キャリアに悩む人へのアドバイスをお願いします!

現在働いている人は、まずは結果にこだわって、目の前の仕事を一生懸命やってみることが大事です。
「やりたいことを仕事にする」ことに執着しすぎるよりも、今自分に期待してくれている人や、自分に与えられている仕事でしっかりと結果を出すことが、今後の自分にとって必ずプラスになります。
仕事を通じて知見を深めて、自信がついてくれば、本当の意味での「やりたい仕事」が見えてくるかもしれませんし、その選択が取れるだけのポジションつくことができるかもしれません。
頭で考えすぎずに行動してみましょう。
そうすることが一番自分のキャリアや人生を変えることができると思います。

就活中の学生の人は、ファーストキャリアだからといって悩みすぎず、とにかく入った環境でがんばろうという気概で臨んでみてください。
就活だけで人生が変わるなんてことはありません。
私もキャリアカウンセラーとして、さまざまなキャリアの人を見てきましたが、経歴が途中めちゃくちゃになっていても、のちのち活躍している人はたくさんいます。
ぜひ自分らしく、気負わず、就活に臨んでみてください。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2022年7月)のものです

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ご協力ありがとうございました
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