シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

流行に乗らない、上手い人と比べない。
「自分の絵」を求める仕事は必ずある
【イラストレーター・YAGI】 <後編>

目次
  1. イラストレーターになってから一番苦労した経験は何?また、それをどう乗り越えましたか?
  2. 反対に一番うれしかった瞬間や事例を教えてください
  3. 今後の展望やご自身の将来のビジョンについて伺わせてください

人はどのようにして人生の道を選択し、壁を乗り越え進むのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、イラストレーターのYAGIさんをご紹介。

前編では、イラストレーターとして独立した経緯や仕事の取り方について伺いました。後編となる今回は、一番苦労した経験やうれしかった瞬間、今後のビジョンについて伺いました。

1イラストレーターになってから一番苦労した経験は何?また、それをどう乗り越えましたか?

これまでに一番苦労した経験について教えてください。

請求書や確定申告など、クリエイティブ以外の事務的な仕事ですね。
フリーランスとして避けては通れないものばかりですが、独立した当初はそういうことをしなければならないなんて全然想定していませんでした。

クライアントから「見積もりをください」と言われて初めて「見積もり 書き方」と調べて。
一つひとつ何かが起こるたびに調べて乗り越えていきました。

自分の仕事の値段を決めるのは難しくなかったですか?

そうですね、基本的に私は自分から「いくらです」と提示することはあまりなく、クライアントの予算感を伺いながらすり合わせていくことが多いです。

最近はアプリサービスなどでイラストを安売りする人が増えているので、イラストの相場がどんどん下がっているんです。
だからといって薄利多売をしてしまうと、生活が成り立たない。
非常に難しい部分ではありますが、コミュニケーションを取りながら契約しています。

確定申告に関してはいかがですか?

ただただがんばりました。
昔は税務署の人に何度も「こうやってやるんだよ」と教わりました。

会社員であれば、こうした事務作業を自分でする必要はなくなります。
YAGIさんはそれでもフリーランスでいたかったのでしょうか。

はい。
会社に入ったとしても、自分の性格的に絶対に結局また一人でやりたくなると思いました。

クリエイターとしての大変さや苦労はありましたか?

あまりないですね。
基本的に全部楽しんで描いています。
私の仕事は主にシュール系なので、おもしろいことを考えているうちに楽しくなってきちゃうんですよ。
自分でニヤついていることもあります。

ネタに困ることはないのでしょうか。

ありませんね。

意識してインプットされている?

いや、特に意識してはいないです。
ただ、日々のニュースにネタは転がっていますし、思いついたら書き留めるようにはしています。

あとは、インターネットを見て、素敵な色合いのデザインを見つけたら覚えるようにしたりですとか。
これはイラストに限らず、例えばYouTubeのサムネイルのデザインで「いいな」と思うこともあります。
インプットしようと意識していなかっただけで、自然とおこなってきたんでしょうね。

「趣味を仕事にするのは大変だ」と言われることがありますが、YAGIさんにはそうしたつらさはありますか?

ないですね。
個人的には、好きじゃないことを仕事にする方がつらいと思います。

2反対に一番うれしかった瞬間や事例を教えてください

イラストレーターとして働く中で一番うれしかったことは何ですか?

ベタな話になってしまいますが、やっぱり街中で自分のイラストを見た瞬間ですかね。

コンビニや駅など、自分がふだん使っている生活圏内で見かけると、「うわ、ここに俺の作品がある!」と思います。
この感動は今も変わりません。
友達が「あったよ」と写真を送ってきてくれたときもうれしいです。

また、昔から憧れていた作家さんが関わるコンテストに作品を出し、賞をもらえたときは、お金に換えられない喜びを感じました。

3今後の展望やご自身の将来のビジョンについて伺わせてください

YAGIさんの今後の展望についてお聞かせください。

学生時代、自分のサイトを作って絵を載せていたときに、「こういう雑誌に載ったらいいな」と考えていたり、友達と話していたりした夢は、ありがたいことにだいたい叶えられました。

その中で、まだできていないのは文章の仕事です。
私の作家性を買っていただき、イラスト付きのコラムの仕事ができたらいいなと思っています。

文章を書くのもお好きなんですね。

はい。
ただ、そこを強く出し過ぎるとイラストレーターとしての軸がぶれるので、あくまでもイラストレーターYAGIの横道的な仕事として、何かご縁があればいいなと思っています。
おもしろ系や映画のレビューなど、ジャンルにこだわりはありません。

イラストレーターとしては、これからも変わらず仕事をしていくイメージでしょうか。

そうですね。
イラストにも流行はありますが、私は流行に合わせようとは思っていないんです。
あまり誰かの絵と比べませんし、他の方の作品を見ること自体が少ないです。

うまくなれば絵で食べられるわけではないので、うまい人と比べて落ち込むより、今の画力こそが個性なのだと思う方がいい。
流行に乗らない方がブレずに活動できますし、席も空くと思います。

自分の独自性を強化していけば、いつか必要としてくれる人に見つけてもらえるはずだと思います。
ただ、私が最初に取り組んだように、最低限のニーズ調査は必要です。

ニッチすぎる絵だとどこにも使ってもらえないので、自分で使われる場所のイメージが湧くかどうかは考えたいところですね。
その上で、いかに目立つか、欲している人に知ってもらえるかが、イラストレーターとして長く仕事をしていくために大切なことだと思います。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2022年7月)のものです

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
ご協力ありがとうございました
Related Stories

関連ストーリー

この記事を読んでいる人は、こんな記事も読んでいます
シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

マイマガジン

旬な情報をお届け!随時、新規ジャンル拡充中!