シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

これからの動画投稿は「ズラし」が重要。
YouTuberになるには、サラタメさんに聞いてみた
【YouTuber・サラタメ】 <前編>

目次
  1. YouTuberとしての仕事内容は?
  2. YouTuberを目指したきっかけは?
  3. YouTuberになるには、どのような経験やスキルが必要?
  4. YouTuberになりたい場合、どうしたらいい?初心者がまずすべきこと
  5. YouTuberに向いている人の特徴は?

人はどのようにして人生の道を選択し、壁を乗り越え進むのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、YouTuberのサラタメさんをご紹介。

正社員として働いていたサラタメさんがYouTuberを目指したきっかけ、YouTuberに向いていると思う人の特徴とは。お話を伺いました。

1YouTuberとしての仕事内容は?

サラタメさんのお仕事について教えてください。

書籍解説のYouTubeチャンネル『サラタメさん【サラリーマンYouTuber】』と、転職ノウハウのYouTubeチャンネル『【転職】サラタメのホワイト転職】』を運営しています。

書籍解説チャンネル投稿の具体的な流れとしては、まずは紹介したい本について、YouTubeに掲載してもいいか出版社に確認。
許可が下りたら台本を作成し、その台本通りにナレーションを撮ります。
私の場合は、そのナレーションをアニメーション会社に送付し、映像を外注。
最後にアニメーションのチェックをして、YouTubeに投稿します。
転職チャンネルについても、大体同じような流れで作成しています。

アニメーションの編集は外注されているんですね。

そうですね。
最初のうちは、「このようなアニメーションにしてください」とスライドや構図の指示を出していたのですが、3年程ご一緒する中で、ほぼナレーションを送るだけでこちらの意図通りにつくってもらえるようになりました。
最近、編集はほぼノータッチです。

編集をしなくても、本を読んだり、台本を作成したり、ナレーションを撮る時間を合わせると、15分ほどの動画を1本投稿するのに約15時間かかります。
編集を自分でするならば、もっと時間が必要になりますね。
中には、台本まで作成したけれど、面白くないのでボツにすることもありますし、YouTubeは見えないところでかなりの時間がかかる仕事だといえます。

大変そうです。
サラタメさんはYouTuberのかたわら、現在も会社員を続けていると聞きました。

私の名前の由来は「サラリーマンのタメ」であり、YouTubeチャンネルを作った目的もそこにあります。
サラリーマンとして組織で働く感覚を忘れたくないと考え、今も採用支援の企業で会社員を続けています。
とはいえ、時間に縛られる働き方をしたくないので、業務委託契約としています。
過去には、メディア「新R25」のYouTube運営やインタビュアーを務めたこともあり、計3回の転職経験があります。

2YouTuberを目指したきっかけは?

YouTuberに興味を持った原体験を教えてください。

きっかけは、自己啓発のためにYouTubeを視聴したことでした。

YouTuberを目指す前は副業でブログやせどりと呼ばれる、商品を仕入れて販売する仕事をしていました。
約6年前、書籍『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』を読んで、人生100年時代、大企業でガンガン出世していくよりも、自分のスモールビジネスを持って、定年退職をしたあとも人生のハリになるような仕事を持ちたいと考えたのがきっかけです。

ただ、ブログもせどりも2年ほど続けましたが、ぜんぜん軌道に乗らなかったんです。
ブログにおいては、「転職ジャンルならこの人!」といったポジションがすでに固まっていて。
どれだけがんばっても、その人が何らかの理由でブログの更新を止めない限り、自分には勝ち目がなさそうだと感じました。
また、自分は文章を書くよりも話す方が得意なのに、それを活かせていないことにも、モヤモヤしていました。

3年前、自己啓発や勉強のためになればと考え、教育系TouTube動画を視聴しました。
聞き流すだけならばスキマ時間にもできるし、画期的な勉強方法だと感じましたね。
かつ、これなら自分でもできそうだと感じました。
先駆者はいたものの、動画の質はそれほど高くなかったからです。
しかも自分の得意分野である「話すこと」が活かせます。
自分も参入してみようと、YouTubeを始めました。

3YouTuberになるには、どのような経験やスキルが必要?

YouTuberになるために必要なことを教えてください。

3つあると考えています。

1つ目は、どうしても伝えたいことがあること、たとえ伝えたいことがなかったとしても、まわりの人から教えて欲しいと言ってもらえるような知識があることです。
何かしら仕事をしたり、熱中したりして語れる分野は誰にでもあると思います。
それほど難しく考える必要はありません。
たとえば不動産投資の本を5冊読めば、人より詳しいと言えると思いますね。

2つ目は、コミットする時間があること。
正直、経験やスキルよりも、時間が重要です。
YouTubeはほかのSNSに加えて、圧倒的に時間がかかります。
チャンネル立ち上げ時は、週5日3時間はコミットしないと収益化は厳しいでしょう。

2年前にあるインタビューで答えたときは、この2つがあれば十分だと考えていました。
しかし今は、全体のチャンネル数が増え、競合も増えています。
そのため、この2つに付け加えて、スキマを狙う力が必要になると考えています。

自分がやってみたいと思ったジャンルについてリサーチすると、似たようなチャンネルが存在することでしょう。
そのなかからトップを見て、どれだけの再生回数を推移しているのかを分析したり、あるいは動画収益以外のビジネスモデルをつくっているのかなどリサーチし、その上で、完全に真似するのではなく、ちょっとズラす戦略を立てます。

たとえばダイエットチャンネルの場合、若い女性向けはすでにたくさんの競合がいる可能性が高いです。
あえて高齢者向けにしてみるのも手です。
このようにスキマを開拓すれば、後発にすごいチャンネルが現れても、すべての視聴者さんを奪われずにすみます。
すでにYouTubeは激戦区になっているので、この力は非常に大事になりますね。

4YouTuberになりたい場合、どうしたらいい?初心者がまずすべきこと

YouTuberになるのは大変なのですね。
初心者はまずどうしたらいいでしょうか?

完全なる副業初心者であれば、1~2万円の動画編集ソフトを買ってみて、画面収録機能を使いながら、パワポにナレーションをつけた動画をお試しで投稿してみるのがいいと思います。
もしこれまでブログやSNSの経験がある場合は、すぐに投稿するよりも念入りなリサーチから始めて、先駆者からズラしたチャンネルをつくるべきです。

YouTubeの面白さは、表現の幅にあります。
ブログで、文体で差別化するのはなかなか難しいですが、YouTubeではかわいい女の子のアニメーションを使ったり、イケボの男性の声を使ったりなど、さまざまな手段があります。
すべて自分でやらなくても、クラウドソーシングを使って外注することもできます。
まずはリサーチして、ズラしの方向を考えてみていただきたいですね。

初心者がYouTube投稿するにあたり、注意すべき点はありますか?

顔出しや名前などの個人情報を公開しない方がいいと思います。
副業を始めたばかりは、上手ではありません。
数年後に黒歴史になることももしかしたらあるでしょう(笑)。

よっぽど自信がある人以外は、顔出しはせず、動画投稿のルーティンを回してみるといいと思います。
また、著書『真の「安定」を手に入れるシン・サラリーマン: 名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』にも書きましたが、この時代は個人情報を出すリスクが非常に高いです。
顔を出さないからといって、稼げないわけではありません。
YouTubeと心中するような覚悟がない限り、しない方がいいと思いますね。

5YouTuberに向いている人の特徴は?

サラタメさんが思う、YouTuberに向いている人の特徴は何ですか?

さきほどあげた3つのポイントと同じです。
特に、どうしても伝えたいことがある人は強いと思いますね。
それがあれば、世界観もついてきますし、競合がいても根強いファンがついてくれます。
長期的なスパンで考えたとき、非常に重要になると思います。

また、YouTubeチャンネルですぐに成功できる確率は非常に低いです。
すでに競合が多数いる今、完全なる初心者がはじめると、収益の軌道が乗り始めるまで2年間はかかるでしょう。
他の収入源を得たり、長期的な目標を持ったりなどでモチベーションを維持しつつ、根気強く挑戦する力が必要だと思います。

<後編はこちら

※掲載している情報は、記事執筆時点(2022年6月)のものです

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
ご協力ありがとうございました
Related Stories

関連ストーリー

この記事を読んでいる人は、こんな記事も読んでいます
シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

マイマガジン

旬な情報をお届け!随時、新規ジャンル拡充中!