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早寝早起きで、自分軸を取り戻す。
ご機嫌に生きられる人を増やしたい
【早起きコミュニティ朝渋代表・5時こーじ】

目次
  1. 早寝早起きには価値がある
  2. 自分軸を取り戻す
  3. ご機嫌に生きられる人を増やしたい

人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、早起きコミュニティ「朝渋」の代表、5時こーじさんをご紹介。

自分にとって当たり前だった早寝早起き生活が、実は誰かにとっては価値のあるものだと気づいた5時こーじさん。5時こーじさんが早寝早起き活動を通して目指したいものとは。お話を伺いました。

1早寝早起きには価値がある

早寝早起き習慣を持つ家庭で育ち、朝5時起きの生活習慣を保ったまま大人になりました。
社会人になったあとも、22時就寝、5時起床のスタイルを変えるつもりはありませんでしたが、仕事の都合上、一時的にそのリズムが崩れ、頻繁に風邪をひくようになってしまいました。

多少睡眠不足のとき、他の人なら翌日のパフォーマンスが落ちるといっても、60%程度の力は出せる状態なのかもしれません。
しかし、私の場合は20%しか出せない状態になり、仕事にならなくなってしまうと知りました。
十分なパフォーマンスが出せない自分が嫌で、仕事のためにも健康のためにも早寝早起きを貫くことにしたんです。

友だちからは「こーじは二次会には来ない」と思われていたので、まれに「行くよ」と言うと喜んでもらえるくらいで。
交友関係に支障はありませんでした。
会社でも堂々と「私はこういう生活スタイルの人間です」と伝え、認識してもらうようにしていきました。
ただし、早寝早起きスタイルはあくまでも私個人のスタイルですから、周りに強く勧めたいとまでは思っていませんでした。

もうすぐ独立を考えている方と仕事上でやり取りをしていたある日、彼から「こーじさんの会社ってどれだけブラックなんですか」と言われました。
彼が23時に送ってくるメールに私が朝5時に返していたので、徹夜で残業をしていると思われていたんです。
「いえ、私は早起きなんですよ」と伝えたところ、朝型にしたいが夜型になってしまっている彼から、「プチコンサルティングをしてほしい」と依頼を受けました。

私の中で当たり前だった早寝早起きを、彼からの質問に答えながら少しずつ言語化していきました。
「夜ご飯は何時までに食べるのか、どういったものを食べるのか」「お風呂はどうしているのか」など、彼に聞かれて改めて「どうしていたっけ」と考えることが多かったです。
彼から毎日の就寝時間、起床時間を教えてもらいながら、1ヶ月間伴走。
結果、24時就寝が当たり前だった彼が、22時就寝、5時起床の生活スタイルを身につけられるようになりました。

彼は大いに感動してくれました。
起業を目指すような人ですから、社会的意義に関するアンテナが高く、「これは全ビジネスパーソンに伝えていったほうがいいですよ!」と私に言ってくれました。
「僕が裏側でビジネス面をサポートするから、こーじくんが前面で活動してよ」との言葉に面食らいました。
私は会社で大きな成果も出していない社会人2年目です。
周りの目が気になり、目立つのもあまり好きではありません。
しかし、彼が感動して「やろうやろう」と背を押してくれて、朝渋というコミュニティ活動を始めました。

朝渋の活動を開始して1ヶ月後、「世界のCEOはなぜ朝5時に起きるのか」というイベントを開催することになりました。
キャッチーさを狙い、私は「5時こーじ」と名乗ることになり、「早起きのプロ、5時こーじが語る」との打ち出し方には「私なんかが大丈夫なのか」と不安もありました。
そうして迎えた当日、自分より年上のビジネスパーソンたちが集まってきてくれたんです。
「人が来ちゃった、やばいやばい!」と思いましたね。

初めてのイベントで参加者を前にお話しする5時こーじさん

初めてのイベントで参加者を前にお話しする5時こーじさん

イベントでは、一日の過ごし方や早寝早起きと両立できる飲み会の開催方法を紹介しました。
すると、参加者には「素晴らしい内容だった」「早く聞きたかった」と大いに喜んでもらえ、早寝早起きは価値があると実感しました。
すでに完成された商品を売る営業とは違い、価値を自らつくっていく楽しさも見出せました。
これは自分にしか教えられないものかもしれないと思い、本格的に朝渋の活動に取り組み始めました。

2自分軸を取り戻す

朝渋に20人ほどが参加するようになったころ、仕事をしているとまとまって本を読む時間がなかなか取れないという課題から、毎週金曜朝7時に運営陣3人で本を黙々と読む会を朝渋の活動とは別にお試しで開始。
そこから派生し、著者を招いた本の内容を紹介するイベント「著者と語る読書会」を渋谷のブックカフェで朝7時半に開催し始めました。

イベントでは経営者、インフルエンサーといった著名人たちと対等に話さなければなりません。
「羨ましい」とも言われましたが、プレッシャーからメンタルがギリギリで、ある種の地獄でしたね。
だんだんと「5時こーじ」という仮装の自分になんとか追いつこうとするようになっていたように感じます。

「著者と語る読書会」の様子

「著者と語る読書会」の様子

イベント1週間前から、著者になったつもりで「憑依」し、相手の考えを理解しようと努めました。
緊張の連続でしたが、第一線で活躍されている方たちと同じ目線を持とうと努力するうちに、仮想の5時こーじという自分に追い付き追い越せで、自分自身も引き上げられていく感覚になりました。
活躍されている人たちの言葉には共通項があります。
毎週それらにふれ、対話によるアウトプットを重ね、自然と外側に向いていた意識が自分の内側に向くようになっていきました。

自分に向きあう時間が増えたことで、社会人になり、上司や会社からの指示にしたがって決められたノルマをこなしていくうちに、いつしか自分の行動が、会社軸、他人軸に傾いていたと気づきました。
会社員として、自分を大きく見せたいと思っていたんだ、だから他人の目が気になっていたんだと自覚したんです。

内省とアウトプットで自分軸を取り戻せて、5時こーじと本来の自分とのギャップも埋まっていきました。
本業で成果を出せていないのに朝渋だけをがんばっているのはダサいとの考えも生まれ、本業にも今まで以上に真剣に向きあうようになったんです。

朝渋の活動で早寝早起きを教える中で、早起き生活は自分軸を取り戻せる手段だと感じるようにもなりました。
早寝早起き生活を実現するのに、まずは自分の理想の時間割をつくってもらうのですが、その作業をする中で自分の時間の使い方とも向きあっていきます。
理想の生活を手に入れた人たちが、同時に「自分にとって何が大事で何が不要か」を理解していく様子を見ていて、自分らしさを取り戻すきっかけをつくる意味でも早寝早起きを広めていきたいと思うようになりました。

活動を開始してしばらくすると、一緒に朝渋を始めた彼から、「夜型で体を壊し、朝型生活に切り替えようとしている20代の女性経営者がいる。彼女を運営メンバーに誘おう」と提案され、声を掛けました。
自然と仲も深まり、その後お付き合いが始まりました。
企業勤めの経験のない彼女を会社員経験のある私がサポートしたり、私の活動を彼女が応援してくれたりと支えあうようになり、彼女は「朝渋で起業した方がいい!」とまで言ってくれましたが、独立起業を目指すつもりはありませんでした。

公私ともに支えあう中で、「彼女の会社に朝渋事業を入れ、私が彼女の会社に入ればいいのではないか」と思うようになりました。
プレゼン資料を作り、彼女に「プロポーズプレゼン」をして伝えました。
公私ともにパートナーになることに対し、彼女には迷いがあったようです。
しかし、仕事上でも私が彼女の右腕になれることはすでにわかっていたため、プロポーズを受け入れてもらえました。

彼女の会社は、彼女の本名を由来にした「モーニングラボ」。
図らずも、「モーニング」と名の付く会社に「朝渋」事業が加わり、縁を感じています。

3ご機嫌に生きられる人を増やしたい

今は、会社の事業として早起きコミュニティ朝渋のコミュニティ活動、「著者と語る読書会」の活動を継続しています。
コミュニティメンバーは250名ほどに増加、メンバーがこよなく愛する「偏愛」でメンバーをつのる部活動も朝に行っています。
「積読になってしまう本を読破したい!」「日経新聞をきちんと読みたい」など、内容はさまざま。
今は70ほどの部活動が存在しています。
ニッチな偏愛ではメンバーが少ししか集まらないこともあるので、今はコミュニティメンバーを1,000名規模まで増やしたいと考えています。

朝渋コミュニティ部活動「積読部」

朝渋コミュニティ部活動「積読部」

読書会は、今でもやはり緊張します。
しかし、緊張感も込みで楽しめるようになってきました。
選書するときには、自分と向きあうのにぴったりな本を選びたいと思っています。
ゲストとなる著者から答えをもらうのではなく、良い問いをもらえるイベントを続けていきたいですね。

これからも、ぶれずに早寝早起きでご機嫌に生きる人を増やしていきたいです。
昔の私のように、会社員として働くうちに、自分軸から他人軸、会社軸になっている人がいるのではないでしょうか。
それは一見楽な生き方のようですが、心身ともに実はコンディションが悪くなる生き方ではないかと思うんです。

早寝早起き生活は、単に健康に良いだけではなく、自分の時間の過ごし方をデザインし、自分と対話する時間を設けるきっかけにもなります。
だから、自分軸を取り戻せるんです。
早朝はSNSの動きが鈍くノイズが少ないのも、内省に適している理由と考えています。
これからも、「どんな人生にしたいの?」と自問自答し、自分軸で生きていけるようになる、そんなきっかけを早寝早起きでつくっていきたいです。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2022年1月)のものです

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