1やりたいこと100個のリストが人生を変えた
僕は就職して20年近く「ダメリーマン」でした。
仕事は忙しかったのですが、同僚や後輩を強引に誘い、仕事のうっぷんを晴らすために飲み明かす日々でした。
いつも家に帰るのは夜中で、育児も家事も一切せず、妻には「仕事の付き合いだからしょうがない」と言いわけばかり。
希望のない毎日を送っていました。
それが今は、お酒を飲むのを一切やめ、仕事も効率的にこなして残業も削減し、空いた時間で片付けの考え方を通していろいろな人が自分のミッションを見つけるお手伝いをする「片付けパパ」としての活動もしています。
都内を中心にワークショップや講演を行っていて、活動開始3年でワークショップ受講者は1万人近くになりました。
僕が人生を変えようと思ったきっかけは、物心つく前に亡くなった父が親戚に宛てた手紙に書いてあった「時間の大切さ」と「家族への願い」でした。
ただ、人生を変えたいと決心しても、どうやって変えればいいのかわからず、モヤモヤした日々を過ごしていたんです。
そんな日々を過ごしていたころ、ラジオDJなど多彩な活動をしているロバート・ハリスさんが書いた「人生の100のリスト」を読みました。
この本が僕の人生を変えてくれたんです。
本の内容を簡単に説明すると、「人生でやりたい100個のことをリストにする」というものです。
やりたいことを書き出してそれを目標に掲げて行動したことで、僕はたくさんの夢をかなえてきました。
会社員をしながら「片付けパパ」としてのセミナーや講演活動もしていますし、2020年には本も出版できました。
リストを書き出してからは人生の目標ができて、毎日が楽しくなってワクワクしながら生きています。
今やリストは、ワクワクした人生を送るためのツールになっていて、それを眺めているだけでニヤニヤしてしまうほどです。
リストに書いた夢をかなえていくうちに、夢がかないやすくなるメカニズムがあることに気づきました。
目標があるから、それに向かって行動しやすくなるし、リストに関連した有益な情報も集まりやすくなる。
また、僕は手帳にリストを書いてあり、講演会に来てくださった方々にご紹介したり、出会った方にもお見せしているのですが、それを見た人たちがアドバイスをくれたり人を紹介したりしてくれるようになりました。
自分のやりたいことって、外の世界を見ながら探しがちです。
でも、本当は自分の内面から探していくものだと思うんです。
人生の100のリストを作ることで、自分が本当は何をやりたいのかを知るきっかけをつかみました。
やりたいことを書き出すのは、人生のシナリオを作ることと同じです。
「自分が本当は何をやりたいのか」がわかれば、後悔しないための人生を歩んでいけます。
2夢をかなえるための5つのポイント
「人生の100のリスト」の帯には「夢を夢のままで終わらせないために!将来に迷った時、あなたの進むべき道が、このリストで見えてくる!」と書かれていました。
私は「これなら人生を変えられるかも」と思い、本を読み込んでリストを書こうと思いました。
ただ、本にはハリスさんの100のリストは書かれていますが、ハリスさんがどのようにリストを書いたのかは詳しく書かれていませんでした。
とりあえずリストを作って見ようと、まずは自分のやりたいこと・かなえたいことをパソコンの表計算ソフトを使って2週間ほどかけて入力しました。
それからしばらくリストのことを意識しながら生活をしていたのですが、あまり夢はかないませんでした。
かなった夢もありましたが、喜びや充実感はたいしてなかったんです。
おかしいなと思い、本に書かれたリストと自分のリストを見返してみました。
すると、本のリストには「イルカと泳ぐ」などかなえたら楽しいだろうなと思うことがかかれていました。
一方で僕のリストは「昔の写真を整理する」「虫歯を治す」など、「やらなければいけないこと」がほとんどでした。
つまり作業をこなすためのToDoリストになっていたんです。
僕はきちんとした100のリストを書いてみたいと思い、リストの作成方法を勉強することに。
人生の100のリストを研究・実践されている方から、リストの書き方や実践方法を教わりました。
また、たくさんの方に100のリストの作り方をお伝えしながら、さらに自分なりに試行錯誤して夢を実現しやすい100のリストの作り方のポイントを編み出しました。
ポイントは大きく5つあります。
1つ目は手でリストを書くこと。
なぜなら、手書きのほうが、自分の内面をアウトプットしやすいと言われているからです。
手書きは、何世紀にもわたって創造的なアイディアを生み出すために使われてきた手法の一つで、J・K・ローリングなど有名な小説家も手書きで作品を書いたと言われています。
ある研究では、なめらかな腕の動きが、創造性を高めることも言及されています。
私はリストを手で書き出した後、さらにデータ化して、パソコンやスマホでいつでも見られるようにしています。
2つ目は書き出すときに「時間がないからできない」「スキルがないから難しい」などと、いまの自分の能力や環境は考えないことです。
その上で、「●●に●●する」と想像することでワクワクするような未来をリストに書き込みます。
3つ目は例え時間がかかっても、リストは一気に100個書き出すことです。
30〜40個までは比較的スムーズに書けるのですが、100個書き出すためには「自分が本当にやりたいことはなんなのか」「何をしているときにワクワクするのか」と自己との深い対話をしていく必要があり、その環境を作るため、一気に作業するのです。
リストを書くことは本当の自分を知ることでもあるのです。
大村さんの「人生の100のリスト」
完成したリストを見ると、「自分が歩みたかった人生」が可視化されていることに気づきました。
このリストに書いたことが全てかなったら、とても楽しい人生になるだろうなとワクワクしましたね。
思いが可視化されれば、夢をかなえるためにあとは行動するだけだなと思いました。
4つ目は、リストをもとに夢をかなえるための行動指針をスケジュール帳に書き込むことです。
いつどこで何をするのか、細かく具体的に書くことで、行動するためのイメージが湧くように工夫をします。
せっかくリストを作っても、眺めているだけではかなわず、実現には行動が不可欠だからです。
私の場合は、リストに記入したもののうちピンときたものを「生きているうちに叶えたいもの」「10年以内に叶えたいもの」「5年以内に叶えたいもの」「1年以内に叶えたいもの」に分けていきます。
そうすると、いつ頃何をやらなければいけないのか、わかるようになるので、あとはそれをスケジュール帳に落とし込むだけです。
具体的に今日何をするのかまで、決めていきます。
真面目な方ほど「100個全部スケジュールに落とし込むのに時間がかかる」「できなかったとき落ち込んでしまう」とスケジュール化に尻込みする傾向がありますが、別に全部を完璧にする必要はありません。
自分にできる範囲から少しずつスケジュールに沿って挑戦していけば大丈夫です。
5つ目は、夢がかなったときは友人などに報告すること。
夢がかなった、うれしかった、幸せを感じた、こうした出来事は独り占めせずに、周りの友人たちとシェアすれば、周りも幸せな気持ちになれます。
それと同時に、友人たちの夢も応援することが大事です。
夢をかなえるのって、実は一人ではなかなかできないことが多く、仲間に協力をいただいたり、逆に応援したりすることによってちょっとずつ夢に向かっていくからです。
他人を応援すると自分も応援してもらえます。
私自身、リストに書いたことがかなう度に、応援し合う仲間が増えていきました。
人生の100のリスト「フルマラソンで4時間切る」がかなったときの様子。かなったので、今はリストからは外している
3ワクワク星人を増やしていく
僕は6年前に書いた最初の100のリストのうち、70以上をかなえることができました。
実は、僕が片付けパパになれたのも、リストに「パラレルキャリアを実現する」と書いて行動したからです。
僕は元々、片付けが得意ではありませんでした。
高校の同級生が片付けのプロとして活動していて、家を片付けてもらったとき、片付けのノウハウも教わりました。
片付けのノウハウを得ると、探し物が少なくなってイライラする時間が減り、片付けでこんなに人の心は変わるだと感動したんです。
パラレルキャリアの1つとして片付けを広めるのはアリかもしれないと思い、勉強をして整理収納アドバイザーの資格をとりました。
現在、99番目は「ノーベル平和賞(紛争を片付ける)」100番目は「後悔なく笑顔で人生の幕を閉じる」と書き込んでいます。
僕はこの地球に住む人が「ワクワク星人」ばかりになるということを夢見ています。
ワクワクすることは、自分のやりたいことに期待することでもあると思いますが、本当にやりたいことを見つけるには、深い自己対話が必要です。
たくさんの人にリストを使ってもらい、本当にやりたいことをしてワクワクしながら生きる「ワクワク星人」になって欲しいですね。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2021年4月)のものです