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仕事と子育ての両立が自分を強くした。
39歳で社長へ、テクノロジーの力で世の中を豊かに
【日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社代表取締役社長・井上裕美】

目次
  1. ITで世の中を豊かにしたい
  2. ワクワクする新会社の社長に就任
  3. トライアンドエラーを繰り返しベストを尽くす

人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社の社長・井上裕美さんをご紹介。

ITを使って世の中を良くする仕事がしたいと思い、日本アイ・ビー・エム株式会社で官公庁のシステムづくりをするエンジニアとして働いていた井上さん。結婚・出産、昇進とキャリアを積んでいく中で、数多くのトライアンドエラーを繰り返してきました。39歳で社長になった井上さんの思いとは。お話を伺いました。

1ITで世の中を豊かにしたい

両親が理数系の大学の出身で、小さいころから理数系の話をたくさん聞いて育ちました。
10代の頃はITの世界に興味を持ち、大学は物理情報工学を専攻。
学ぶ中で、テクノロジーの発展が世の中に大きな豊かさをもたらしていると感じ、将来はITを使って世の中を豊かにする仕事がしたいと思いました。

就職活動でいろいろな業界を見ていく中で、公共に関わる仕事がしたいと思うようになりました。
ITで公共インフラが整備されれば、多くの人の生活が豊かになると感じたんです。
そのためにはインフラをつくるのがいいと思い、大学卒業後は日本アイ・ビー・エム株式会社に就職し、官公庁のシステムをつくるエンジニアとして働き始めました。

官公庁の他に自治体や教育関連のシステムづくりにも関わるようになり、多くの社会インフラの構築に携わりました。
仕事は苦労も多くて大変ですが、システムがうまく稼動した後にクライアントに喜んでもらえると、それまでの苦労が報われた気がしましたね。

就職して数年後に結婚し、妊娠しました。
体調を見ながら仕事をしていましたが、つわりが重くて思うように仕事ができない時期が続きました。
子どもができたのはうれしいけど、自分の時間の全てを仕事に使えないことへのモヤモヤが生まれました。

同じタイミングで、プロジェクトリーダーに昇進しました。
もっと仕事にやり甲斐が出る反面、産休から復帰した後にこのポジションが務まるのか。
仕事も子育ても全力でやっていきたいけど、果たして私にできるのかという不安が生まれました。

私はお世話になっている部署の男性上司に相談しました。
いまの自分の不安やモヤモヤのことを話したら、上司は「気にしてもしょうがないから、育休から復帰したらとりあえずやってみよう。サポートはいくらでもするから」と言ってくれました。
これから起きることを考えすぎて、不安が大きくなっていたんだと気がつきましたね。

出産後、半年で職場に復帰しました。
一日でも早くマネージャーとして現場に受け入れてもらおうと、全力で仕事に打ち込みました。
でも、子どもの病気で早退したり、保育園から急な電話がかかってきたり、思うようにいかない日々が続いて歯がゆさを感じましたね。

2ワクワクする新会社の社長に就任

仕事と子育てに全力で向き合う生活が半年ほど続いたころ、クライアントから「井上さん、肩に力が入りすぎじゃないですか?」と言われ、ハッとしました。
プロジェクトのメンバーはとても信頼していますが、メンバーに頼るのはなんとなく悪いと思い、何から何まで一人で対応しようとして自然と力が入っていたことに気づいたんです。
もっとメンバーに頼ってチームとして仕事を進めればいいと思えるようになりました。
クライアントからの言葉は本当にうれしかったですね。

それからは自分の仕事を少しずつ他のメンバーに任せ、マネージャーとしてできる仕事に取り組むようにしました。
最初は大変でしたが、トライアンドエラーを繰り返し、徐々に仕事もうまく回り始めていきました。

クライアントからの評価も上がり、「チームとしてうまく回っているね」と言ってくれる人もいました。
母親になって仕事に打ち込む時間は減りましたが、信頼されるリーダーと思ってもらえたのは、とてもうれしかったですね。

数年後、2人目の子どもを妊娠したタイミングで昇進し、さらに多くのプロジェクトを見るようになりました。
産後2ヶ月で復帰してから会社の福利厚生制度を活用して、ベビーシッターを雇い、仕事で手が回らないところはメンバーに任せて、自分が必ず関わらないといけない仕事は全力で打ち込みました。
一人ではなくチームで仕事を達成することを目標に、短期間でトライアンドエラーを何度も繰り返しました。
多くのプロジェクトでクライアントが喜ぶのを見て、世の中に貢献している手応えを感じましたね。

ある日、1人目の子どもを妊娠したときに相談に乗ってくれた上司と話をする機会がありました。
彼は日本支社の社長になっていて、日本支社に3つあるグループ会社を統合して新しい会社をつくることを教えてくれました。
クライアントのデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するため、深い業界知識と技術力を持ったITプロフェッショナルのチームをつくり上げることがミッションだというんです。

グループ3社が統合した会社ができれば、もっと社会に対して大きな貢献ができる。
私は上司からの話を聞きながらワクワクが止まりませんでした。

新会社の話が終わった後、上司から「で、その会社の社長をぜひ井上さんにやってもらいたいんだけど」と言われました。
聞いた瞬間、私は「え〜!」と驚きました。
まさか社長を頼まれるとは思っていなかったからです。

上司は「男性とか女性とか年齢も関係なく、いろいろな候補者の中から、井上さんが実力で適任だと思ったので、ぜひお願いしたい」と言ってくれました。
この会社なら、もっと社会に貢献ができる。
私はその場で社長就任を引き受け、2020年7月1日に設立した新会社・日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社の社長に39歳で就任しました。

3トライアンドエラーを繰り返しベストを尽くす

現在は日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社の社長として、DXを加速させるための事業展開をしています。

今後は社長として、より多くのクライアントに価値を提供し、社会に貢献をしていきたいです。
ITの進化はものすごく速いので、常に学び続けていく必要があります。
社員には、言われたから学ぶのではなくて、自分で学んでいこうと伝えています。
学んだ上でトライアンドエラーを繰り返し、ベストを尽くせるサービスを提供し続けていきたいです。

ご自身の経験について語ってくださった井上さん

ご自身の経験について語ってくださった井上さん

これまでの半生を振り返ってみると、仕事も子育てもトライアンドエラーの繰り返しだったと思いますね。
トライしてダメだったとき、何がダメで、どうすればベストに持っていけるのかを常に考えていました。

これからもベストな結果を追求し、トライアンドエラーを繰り返し、会社のテクノロジーを提供して社会に貢献をしていきたいです。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2021年2月)のものです

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