シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

好きなものに没頭しすぎて高校を退学。
それでも諦めず、ゲームを仕事に

プロゲーマー/レッドブル・アスリート ボンちゃん

2プロゲーマーに人生を懸けた姿勢に共鳴

そんな生活をしていた23歳頃、世間ではゲームをプレイすることで生計を立てるプロゲーマーが誕生していました。

この頃、知り合いのプロゲーマーの練習相手として週2回ほど彼の練習場に呼ばれるようになりました。
彼の一日の生活を見て衝撃を受けましたね。
朝起きて体をほぐした後、2時間サイクルでいろいろな格闘ゲームの練習をし、合計で一日12時間ゲームをする。
これを毎日繰り返していたんです。
まるでアスリートのような生活で、完全にゲームに取り憑かれているなと思いました。

海外のプロゲーマーがゲーム一本で生計を立てているのは知っていましたが、プロゲーマーがどんな生活をしているのかは知りませんでした。
僕は彼に尊敬の念を覚えました。
僕もそれなりにゲームの練習をしているけど、仕事終わりにゲームセンターに行くレベルです。
でも、彼はうまくなるために明確な目標を持って一日中練習していたんです。
しかも、多くの大会に出てちゃんと実績も残している。

間近でプロの姿勢を見て、資格を持っていればプロになれるのではなく、圧倒的な努力をしているからこそプロになれるんだと思いました。
ゲームに打ち込み、胸を張ってプロゲーマーを名乗っている彼をうらやましくも思いましたね。

僕は格闘ゲーム専門で彼の練習相手になっていましたが、決して腕が劣っているとは思いませんでした。
格闘ゲームに絞ってもっと練習すれば僕もプロとして胸を張れるようになれるかもしれないと思いましたね。

そこで、プロゲーマーになる最初の一歩としてダイエットに取り組み、105キロから30キロ絞りました。プロになるには人から目指される存在にならねばならず、そのためには見た目を改善しないとと思ったんです。
まったくと言っていいほど興味がなかったファッションにも気を使うようになり、パーソナルスタイリストと一緒に服を買いに行ったこともありました。

雀荘の店員として仕事をしながら空いた時間で猛練習を重ね、ゲームの大会に参加して好成績を出していきました。
順調な時期もありましたが、結果が出ないこともありました。
ゲームを仕事にするということは、常に結果を出し続けなければいけません。
練習をしていて苦しいときもありましたが、そんなときこそ、練習を楽しめるように工夫するのがプロだと思い、モチベーションを高めていました。

その後、確実に実力をつけ、いくつかの大会で優勝することができました。
それに伴い、多くのプロ契約オファーが舞い込みました。
でも、自分を安売りせず、雀荘でのアルバイトなどゲーム以外の仕事も続けながら適正な価格の契約オファーを待ち続けました。
僕にとってのプロゲーマーの定義は、スポンサー契約や大会の賞金で生活をしている人だったんです。

また、僕が適正な価格でスポンサー契約をすることで、これからプロゲーマーを目指す後輩たちのロールモデルにもなれると思っていました。

焦らず待ち続けた結果、2015年、フランスで行われたエナジードリンクブランド・レッドブル主催の大会で優勝し、そのままレッドブルとプロスポンサー契約を結ぶことができました。
ようやくスタートラインに立った感じでしたね。
その後も、デバイスメーカーなどとも契約を結べて、2019年には世界最大の格闘ゲーム大会「Evolution Championship Series」(米国・ラスベガス)で優勝できました。
本当にうれしかったです。

次は
3. ゲーム業界の認知を広めていきたい
1 2 3
シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

マイマガジン

旬な情報をお届け!随時、新規ジャンル拡充中!