人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、既卒・第二新卒・フリーターに特化した人材紹介事業を展開するUZUZ(ウズウズ)で働く瀧水貴博さんをご紹介。
キャリアカウンセラーとして働いていた瀧水さんは、異動を機に仕事で成果が出せなくなったそうです。その苦しさから、会社に内緒で転職活動をしたこともありました。そんな経験をしてもなお、UZUZに残る選択をした理由とは。お話を伺いました。
1無力を痛感…新卒2ヶ月で転職
大学卒業後、ソフトウェアの開発会社に就職しました。
能力主義・成果主義の文化で、20代のうちから圧倒的に成長したい僕にベストな環境だと思ったんです。
入社後、エンジニアとしての研修が始まりましたが、自分の力のなさを痛感しました。
能力主義・成果主義に惹かれ、どんな事業をしているかよく調べずに入社してしまったんです。
プログラミングのスキルも、ほとんどないまま臨んだ研修だったので、課題についていけず、よく怒られました。
なんとか食らいつこうとプログラミングの本を買い、仕事が終わったら自宅で朝まで勉強。
研修中は昼ご飯も食べずに仕事に打ち込みました。
しかし、なかなか成果につながらず、「なんでこんなにできないんだ」と塞ぎ込んでいきました。
精神的にもだんだん追いつめられて、体調も崩すようになりました。
周りから「顔色がいつもと違う」と言われることもありましたね。
「これ以上やったら本当に壊れてしまう」。
僕は入社してわずか2ヶ月で退職しました。
これまで生きてきた23年間が、たったの2ヶ月で打ち砕かれてしまったような感覚でした。
逃げたい思いでいっぱいでした。
しばらく休んで、体調は回復しましたが、働くのが怖くなっていました。
自分は社会で通用しないんじゃないか、就職してもまた役立たずとして終わってしまうんじゃないかと。
でも、久しぶりに友人たちに会い、励ましてもらううちに、このままではいけないと感じるようになりました。
勇気を出して、またゼロから始める気持ちで突き進むべきだと思ったんです。
僕は転職活動を始めました。
転職活動をする中で、友人が既卒・第二新卒・フリーターに特化した人材紹介事業を展開するUZUZ(ウズウズ)というベンチャー企業を紹介してくれました。
就業サポートの面談に行くと、キャリアカウンセラーが退職に至った経緯の振り返りからキャリア設計まで、丁寧に向き合ってくれましたね。
また、このサービスを立ち上げた背景を聞き、経営層の想いや人柄に魅力を感じました。
何度か面談を重ねた後、僕は思い切ってUZUZで働きたいと社長に伝え、試用期間を経て第二新卒で入社しました。
UZUZに転職してすぐ、会社のメンバーと撮影した一枚(右前が瀧水さん)
キャリアアドバイザーとして働き始めましたが、上司によく怒られました。
「自分はここで通用しないんじゃないか」と、ずっと不安でしたね。
そんな僕に、あるとき上司が「なんで怒っていると思う?きみが会社に必要だから指摘をするし、怒るんだよ」と話してくれました。
僕は勘違いしていました。
指摘してくれる人がいるのは幸せなんだと気づいたんです。
2成果が出ず自信喪失、逃げ出すように転職活動
4年ほどキャリアアドバイザーとして働いた後、管理部に異動しました。
しかし、なかなか成果を出せず、約1年で大阪支社へ異動。
再びキャリアアドバイザーとして働き始めました。
前の部署での失敗を引きずり、赴任当初は気持ちが落ち込み、自信がない状態でした。
しかも、大阪支社のメンバーは若くて元気な人が多く、成果も上げているので、余計に自信をなくしました。
上司は「大丈夫だよ」と励ましてくれますが、大丈夫なわけないと思っていましたね。
せっかく転勤になったのだから気持ちを切り替えて仕事をしようとするのですが、なかなかうまくいきません。
中途半端な気持ちで仕事をするから成果が出ない、成果が出なくて自信をなくす。
完全に負のスパイラルに入っていましたね。
次第に体調を崩しがちになり、睡眠もままならなくなりました。
寝付きも悪くなり、一時間置きに目が覚めてしまうこともありましたね。
体重もどんどん減っていきます。
とにかく大阪での生活がきつくて嫌でした。
でも、会社のメンバーを心配させたくないので、つらい部分はなるべく見せないようにしていましたね。
赴任して半年ほどたってから、会社に内緒で転職活動を始めました。
会社側がいろいろフォローしてくれているのに、これだけ成果が出せない自分がこの会社にいていいのか、これ以上会社に迷惑をかけないほうがいいんじゃないか、と思ったんです。
僕は逃げ出すような思いで転職エージェントに登録しました。
転職エージェントと面談で転職理由や会社のことを話していると、エージェントの担当者が「なぜ転職するんですか?」と聞いてきました。
僕が会社のことを笑顔で話すのを見て、「瀧水さんは本当にUZUZが好きなんですね。たぶん辞めないほうがいいと思いますよ」と言うんです。
他のエージェントにも登録して話をしましたが、同じことを言われました。
思い返せば、東京のメンバーは僕が大阪に赴任している間、チャットで励ましてくれたり、イジってくれたりしていました。
みんな新しい環境に移った僕を応援してくれていたのに、僕はそれに気づかず、勝手に落ち込んでいたんです。
僕の周りは支えてくれる人だらけでした。
転職活動をしてみて、僕にとってUZUZよりいい会社はないなと改めて思いましたね。
内定をもらった会社もあったのですが、辞退しました。
まだまだ至らない自分だけど、全力を尽くし、UZUZというすばらしい環境で結果を出そうと誓いました。
3働くことの難しさや楽しさを伝えていきたい
2020年7月に再び東京勤務になりました。
気持ちも切り替わり、今は楽しく働いています。
友達からは「イキイキしているね」と言われるほど毎日が充実しています。
今もまだ、仕事で怒られることはあります。
でも前のようにひどく落ち込まなくなりましたね。
これまでは言われたことをそのまま受け止めていましたが、今は「なんで怒られるのか?」を考えるようになったからだと思います。
さまざまな部署で働くなかで、怒る側と怒られる側にあるズレを認識し、修正するアクションが大切だと気づいたのです。
「怒られる=プロセスの修正機会を与えられている」と捉えるようになりましたね。
今後は、会社やメンバーのためにも一日も早く成果を出さないといけません。
もう古株になっていますし、いい加減に会社を引っ張る存在にならないといけないとも思っています。
今まで会社やメンバーにお世話になった分を一気に返していきたいですね。
キャリアカウンセラーとしては、働くことの難しさや楽しさを多くの人に伝えていきたいです。
僕自身2ヶ月で会社を辞め、UZUZに転職して、楽しいこともつらいことも経験しました。
カウンセリングを通じて、いろいろな働き方があることを知ってほしいし、一人でも多く楽しく働ける人を増やしていきたいですね。
これからも周りの人への感謝を忘れず、僕を支えてくれた全ての人に恩返しをしていきたいです。
※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年10月)のものです