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勉強嫌いがTOEIC990点獲得。
僕の英語学習法を多くの人に届けたい
【米国公認会計士/英語学習系YouTuber・ATSU】

目次
  1. 初めて努力する楽しさを知った
  2. 海外で働く公認会計士からYouTuberへ転身
  3. 英語で人生を切り拓く人を増やしたい

人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、英語学習系YouTuberのATSUさんをご紹介。

効率的な英語学習法を発信し、チャンネル登録者数は26万人以上。しかし、子どもの頃は勉強や努力が嫌いだったといいます。ATSUさんが英語を好きになったきっかけはなんなのか。英語の勉強法を発信しているのはなぜなのか。お話を伺いました。

1初めて努力する楽しさを知った

子どもの頃から面倒くさがりな性格で、頑張ることがとにかく嫌いでした。
勉強も嫌いで、中学生のときに社会科の定期試験で30点台を取ったことも。
母親に言われて仕方なく塾に通っていましたが、成績なんかどうでもいいと思っていましたね。
父親は寡黙で、私の勉強についてあれこれ言いませんでした。

高校受験のときも特に勉強せず、自分の学力で行ける公立高校に進学しました。
高校に入ってから母親は私に大学進学を勧めましたが、大学に行く必要性が感じられませんでした。
将来は「なんとなくカッコいいから美容師になろうかな」と思っていましたね。
専門学校の体験授業を受けていましたが、美容師になるために何か勉強をしていたわけではありませんでした。

高校2年生の最後の定期試験の前、普段は寡黙な父親が「次の定期試験で学年10番以内に入ったら、現金で10万円をやる」とつぶやくように言いました。
耳を疑いましたね。
毎月5,000円のお小遣いは携帯代や友達と遊ぶために消えてしまい、もっと遊びたいと思っていた僕には願ってもないチャンスでした。

父親の一言によって、僕は翌日から猛勉強を始めました。
学校がある日は部活後から夜中まで、土日も自宅や図書館でひたすら勉強しました。
その変わりようは、友達から「頭でも打ったのか?」「誰かと入れ替わっているんじゃないか」と言われるほど。
猛勉強の結果、僕は定期試験で学年10番以内に入り、父親から現金10万円を受け取りました。
同級生たちが勉強に力を入れていなかったのもありましたが、本当に10番以内になったんです。
人生で初めて「努力」をして成長を実感できた。
お金を手に入れたのはもちろんうれしかったですが、努力をして結果を出せた自分にめちゃくちゃ興奮したんです。

中でも英語の勉強にハマりました。
英語は他の教科に比べて将来役に立つイメージが湧いたんですよね。
それに英語で外国人と話せたらカッコいい。
これはもっと努力をすれば、外国人と話せるようになるかもしれないと思いました。

空いた時間のほとんどを英語の勉強に充てるようになりました。
勉強を重ね、外国人と英語で話してみたいと思ったのですが、地元の札幌ではなかなか機会がありませんでした。

高校3年生のとき、チャンスが訪れました。
修学旅行です。
行き先の京都には外国人観光客がたくさんいて、話せる機会があるはずだと考えました。
僕は持参した英語の本を見ながら、自分から外国人に話しかけて記念撮影をお願いしまくりました。
相手の反応はイマイチで僕の英語は全くと言っていいほど通じませんでしたが、写真撮影に応じてくれました。
自分ではしっかり勉強したつもりだったけど、勉強だけじゃ会話は難しいんだなと思いましたね。
もっと英語ができるようになりたいと、さらに英語の勉強を頑張るようになりました。

自ら声をかけ、観光にきていた外国人と記念撮影

自ら声をかけ、観光にきていた外国人と記念撮影

2海外で働く公認会計士からYouTuberへ転身

高校卒業後、地元の国立大学の商学部に入りました。
サークルや部活に入らず、趣味である英語の勉強に打ち込みました。
一日12時間勉強する日もありましたね。
自分の腕を試したくて、英語の資格にも挑戦し、大学2年生のときには英検1級、TOEIC970点を獲得。
その後TOEICの990点満点をとることができました。

20歳のとき、札幌にはあまり外国人がいなかったので、自分から英語を話す機会を作ろうと、YouTubeで動画配信を始めました。
僕が英語で日本語を教えるコンテンツです。
YouTubeを見てくれた外国人と直接コンタクトを取って英語で会話することで、コミュニケーション能力が上がっていくのが楽しくて仕方ありませんでしたね。

大学2年生の頃から、ここまで伸ばした英語力を活かして英語を使って海外で仕事をしたいと思うようになりました。
まずは海外の生活を体験してみようと、オーストラリアに1ヶ月間、語学留学に行きました。
現地の人たちの生活は、日本よりもゆったりと時間が流れている印象で、ワーク・ライフ・バランスを大事にしているなと思いました。
こんな場所で働けたらいいなと、海外で就職するための計画を練り始めました。

どうしたら海外で働くための最短ルートを歩めるのか。
調べてみると、オーストラリアの大学院を卒業し、労働ビザを獲得することだとわかりました。
海外で働くためには労働ビザの確保がもっとも大切です。
英語の勉強や会話ができても、働く権利がなければ意味がありません。
労働ビザは資格や仕事内容、居住年数などを総合的に判断して発行されるのですが、オーストラリアで会計学を学び現地の大学を卒業するのが、僕にとってもっとも近道でした。

そこから会計学の専門的知識を英語で勉強し、大学を3年で卒業。
両親に200万円の借金をして22歳のとき、オーストラリアの大学院に留学しました。

現地では、一日13時間ほど勉強していましたね。
はじめはモチベーション高く頑張っていましたが、次第につらくなっていきました。
生活費は1日200円程度、日本のときより金銭的事情は苦しかったです。
レストランの店員と仲良くなり、まかないを分けてもらったことも。
つらくなったときは「なぜ自分がオーストラリアに来たのか」を思い出しました。
将来、海外でキャリアを築くために頑張っているんじゃないか。
何度も自分に言い聞かせましたね。

大学院在学中、ロータリー国際親善奨学生にも選ばれた

大学院在学中、ロータリー国際親善奨学生にも選ばれた

勉強の合間を縫って、YouTubeの発信は続けていました。
23歳のとき、YouTubeの配信方針を転換し、日本人向けに英単語の覚え方を発信すると、見てくれる人の数がどんどん増えました。
「これはニーズがある」と思いましたね。

大学院在学中に米国公認会計士に合格しました。
これで海外の会計事務所で働く下地ができたと、就職活動を始めました。
しかし、日本人で海外実務経験のない僕が応募してもなかなか連絡は来ません。
100社ほど送って連絡が来たのは数社程度で、それも採用には至りませんでした。

そんな中、世界有数の会計事務所グループの応募に目がとまりました。
応募条件は実務経験3年以上。
ダメもとで応募すると1ヶ月ほどたった頃に、「この職種は無理だけど、他の職種にポジションがあるかもしれない」と連絡が来たんです。

正直不安でしたが、海外で働くためにここまでやって来たんだからと、思い切って応募することにしました。
不思議なことに面接はトントン拍子で進み、会計士として採用が決定。
夢がかない、本当にうれしかったですね。

就職したからには努力をして結果を出したいと、5年でマネージャーになる目標を立て、一生懸命働きました。

会計士になってからもYouTubeでの配信は続けていました。
配信だけではなく英語学習メディア「Atsueigo」を立ち上げ、正しい英語学習法を学んでもらおうと、ネイティブスピーカーと共同し、自費出版でオリジナルの英語教材も発売しました。

就職して5年、目標通りマネージャーになりました。
次の目標を考えたとき、3つの選択肢が浮かびました。
1つめは会社内でもっと上のポジションを目指すこと、2つめは海外の一般企業の会計責任者への転職、3つめは退職してYouTuberに転身です。

公認会計士のキャリアで1つめと2つめは一般的です。
同僚や先輩が経験しているので、ある程度の道筋が見えるし、社会的にも見栄えがいいです。
一方で、海外で働く公認会計士がYouTuberへ転身するのは、ほとんど例がありません。

3つの選択肢を考えたとき、YouTuberになることがもっとも努力が必要でワクワクする人生を歩めそうだと思ったんです。
また動画配信を数年行う中で、YouTubeの規模が拡大したのを実感し、ポテンシャルも感じていました。
ここで会社を辞めるのはきっといいタイミングなんだと、会計事務所を辞めて帰国し、2020年3月に独立しました。

3英語で人生を切り拓く人を増やしたい

現在は英語学習メディア「Atsueigo」の運営を通じて、英語学習サイト、YouTubeチャンネルで発信を行っています。
「英語でグローバルを切り拓く」をスローガンに、僕が積み重ねた経験や学びを多くの方に価値として還元していきたいと思っています。

英語を勉強している日本人は多いと思います。
でも、多くの時間を割いて勉強しているのに、なかなか思うような結果が出ない人も多いのが現状です。
勉強した分の結果が出るような環境を、僕の勉強法を通じて多くの人に届けたいんです。
どんなに高額な教材を使っても、正しい学習の方法を学ばないと英語力はなかなか伸びません。

さらに英語の勉強にはモチベーションの維持も大事です。
語学力は短期間で伸びるものではないので、モチベーションを保つのは難しい。
そこで、僕が10年間、英語で配信してきたYouTubeを見てほしいんです。
僕自身の成長記録がアーカイブされていて、この勉強法でどのように語学力が伸びたのかがわかります。
実際に、僕の動画を見たユーザーが「モチベーションが上がります!」とコメントしてくれて、配信をしてきて良かったと思いますね。

僕は高校の試験勉強を通じて、努力をすればするほど成長できることを学びました。
英語にハマったおかげで、自分の人生がそれまでとは全く違うものになったんです。
英語が僕に自信を与えてくれ、その自信が行動や挑戦につながっていきました。
英語がなかったら今の自分はないと思います。

今後もAtsueigoの活動を通じて、英語を学び、英語で自信を得て、英語で人生を切り拓く人が増えることを願っています。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年8月)のものです

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