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もっと自分らしい生き方を実現するには。
熱狂を求めて大手銀行からスタートアップ企業へ
【ミレニアル女性のキャリア支援をする企業の人事・コーポレート担当・大本美友】

目次
  1. バレエや水上スキーに夢中だった学生時代
  2. 「安心して長く働ける会社」を選んだけれど…漠然とつのる将来への不安
  3. 熱狂する日々、毎日が青春のような感覚

人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、ミレニアル世代の女性向けクリエイティブスクール「SHElikes」を運営するスタートアップ企業で働く大本美友さんをご紹介。

大学卒業後、大手銀行に就職した大本さん。職場の環境には恵まれていましたが、自分の将来に漠然と不安を感じ始めたといいます。5年勤めた銀行を辞め、創業まもないスタートアップ企業に転職。自ら進んで安定した職場から離れたワケとは。お話を伺いました。

1バレエや水上スキーに夢中だった学生時代

中学生のとき、恩師となる先生に出会い本格的にクラシックバレエに打ち込みました。
学校が終わってから毎日夜遅くまで、プロの方に交じって舞台のリハーサルや練習をする毎日。
夢中になれたのは先生のおかげでした。
演技しているときの美しさや情熱をもって作品作りに向き合っている姿に、心の底から憧れていて、少しでも先生に近づきたいと思っていました。

でも、次第に自分の理想と現実の乖離に苦しむようになりました。
バレエが大好きだからこそ、理想の演技をしたいという想いが強く、思うように動かせない自分の身体を受け入れられなくなってしまったんです。
血のにじむような努力をしているのに、なんで上手くならないんだろう。
中学3年生のときには心身ともに限界が近づいていました。
プロのバレリーナになるのは難しいと悟り、受験勉強を機にバレエを趣味でやっていくことを決断しました。
本当につらかったですね。

高校では受験勉強に打ち込み、大学で水上スキー部という体育会の部活に入りました。
スポーツのなかでは珍しく未経験から始めても全国大会に出場できる可能性があり、歴代何度も日本一に輝くような強豪でした。
ここならバレエをしていたときのように夢中になれるかもしれないと、胸が高鳴りました。

初めて挑戦するマリンスポーツ。
実際やってみると、思っていた以上に難しいものでした。
練習場所の川の近くの合宿所で寝泊まりしながら、朝3時に起きて日の出から日の入りまで活動していました。
冬は極寒の中、凍りかけた川で練習をし、アメリカ合宿ではボートから転落して全治半年の骨折をするなど、厳しい練習を耐え抜きました。

あまりにも普通の大学生活とかけ離れた環境で、辞めたいと思ったこともありました。
しかし、そんなときに支えになったのが「バレエ時代、どんなに辛くても努力し続けられたのだからやればできる」という気持ちでした。
また、常に一緒に励まし合い頑張ってきたチームメイトと引退試合で優勝がしたかったので、最後まで頑張り抜くことを決めました。

4年間の成果が出て、引退前の学生選手権では優勝することができました。
学生時代の全てを水上スキーにささげていたので、日本一になったときは言葉に表せないくらいうれしかったですね。

就活の時期が訪れ、将来について考える機会がありました。
しかし、自分が何になりたいのか全くわかりません。
それまでバレエや水上スキーなど目の前のことに没頭する毎日だったので、将来の自分のキャリアに関してあまり真剣に考えたことがなかったんです。
そんな中で漠然と、「やりたいことが見つからないうちは、まずは一人前の社会人としてのスキルを身につけたい」と考えていました。

結局、周囲の方に相談しつつ選考を受け、大手の銀行に入社させていただくことにしました。
銀行であれば「安心して長く働ける会社」で社会人としての基礎も汎用的な金融スキルも身につけられるし、プロとしてお客様の前に立つことで「一人前の社会人」になれる環境だと思ったからです。

2「安心して長く働ける会社」を選んだけれど…漠然とつのる将来への不安

銀行では支店の業務を一通り経験させていただき、素敵な同僚や上司、お客様に恵まれ、少しずつ仕事を覚え、やりがいも感じるようになりました。
社内のキャリアアップの仕組みも整っていて、安心感もありました。

一方で、バレエや水上スキーに熱狂した学生時代を超えられない、どこかモヤモヤしていて、もどかしい思いもありました。
次第に「いつか新しい世界に挑戦してみたい」と思うようになりました。

また、働く中で世の中の変化のスピードの速さを実感するようになり、「このままで良いのかな…」という自分の将来への漠然とした不安がつのっていきました。
いつか結婚や出産を経ても職場に戻れるような、組織で求められる人になれているのだろうかと心配になったのです。

会社の枠組みを外れても自分らしい生き方を主体的に選択できる状態になることが本当の意味での安心なのかもしれないと考えるようになりました。

自分らしい生き方を実現するためのヒントを得たいと、SHE株式会社が運営する「SHElikes(シーライクス)」という女性向けのキャリアスクールに通い始めました。
理想のキャリアを実現するために平日の夜や土日などの時間を捻出して、前向きにスキルアップに励む同世代の女性たちがたくさんいて、刺激を受けました。
また、スクールの創業者が自分と同世代の女性だったことにも衝撃を受けました。
「何歳でも、自分らしいキャリアを目指していいんだ」と背中を押してもらえた気持ちでしたね。

次第にSHEの「一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を作る」というビジョンに共感し、自分と同じように生きづらさを抱えている多くの女性が、SHEを通してもっと自由な選択をできるようになれば良いな、と思うようになりました。

そんな矢先、社員としてSHEの運営に携われることになり、思い切って5年間お世話になった銀行からの転職を決めました。
自分自身がキャリアに悩んだ経験があり、本当に解決したいと思える課題だからこそSHEの事業に熱狂できると考えたんです。

とはいっても、慣れ親しんだ銀行からスタートアップ企業に飛び込むのはとてもリスクがある決断のように感じ、不安でいっぱいでした。

同時期、遠距離でお付き合いしていた男性と結婚。
これから夫婦の人生を築いていく時期なのに、身勝手に自分のやりたいことに振り切った選択をしているのではないか、近くで彼を支えられなくなってしまうのではないかというためらいがありました。
夫を支えるのが妻としての役割で「良い妻にならなくては」という固定概念があったんです。

でも彼に転職の件を相談したら、反対するどころか「やりたいことが見つかってよかったね」と。
さらに、「支えて欲しいから結婚するんじゃなくて、これから一緒に生きていきたいから結婚するんだよ」という言葉をかけてくれました。
大切な人に背中を押してもらえたからこそ、新しいことにチャレンジする勇気を持てました。

3熱狂する日々、毎日が青春のような感覚

現在は「SHElikes」を運営するSHE株式会社で働いています。

転職してから1年ほどたちましたが、最初は環境の違いに戸惑う毎日でした。
銀行時代は、ある程度の枠組みの中でミスをせず業務を進めることが求められていました。
一方で、創業まもないスタートアップでは経営者と同じ目線に立ち、組織に必要なことを自ら考え提案し、迅速な業務遂行が求められます。

業務も多岐にわたっていて、秘書、総務、人事労務、採用、イベント運営・登壇などなんでもこなします。
頭でわかっていても、身動きが取れない自分にもどかしさを感じることもありましたが、少しずつ社内のメンバーとコミュニケーションを取りながら動けるようになってきました。
今は組織のもっとも根幹となる人事領域での業務にとてもやりがいを感じています。

自分の将来に不安を感じ始めてモヤモヤしていたとき、なんで不安だったんだろうと振り返ってみると、会社に自分の人生を委ねていたからなのではと思うんです。
自分で人生の舵取りができてない状態だったのかなって。
知識やスキルを得て自分の足で立ち、周りに信頼される人であれば、自分らしく働ける選択肢はぐっと広がるのではないかと思っています。

私は最初からやりたいことやビジョンが明確に描けていたわけではありませんでした。
それでもさまざまな環境でチャレンジする機会をいただき、経験を積み、自分のなりたい姿を少しずつ見つけてきました。
さらにキャリアチェンジの一歩も踏み出すことができました。
理想を描くのも大事ですが、目の前のことに真摯に取り組んで経験値と自信を高め、いざやりたいことに出会ったときに挑戦できることも大事だと思います。

入社当時は2人だった社員が今では15人ほどの組織になりました。
組織の変わりゆくスピードを前向きに楽しみながら、大好きな仲間から刺激を受け、毎日が青春のように感じています。
SHEの掲げるビジョンのように自分らしく生きる方が増えてほしいですし、私もその一人でありたいですね。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年8月)のものです

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ご協力ありがとうございました
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