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大手企業・高学歴が好きだったけど。
複業占い師になって見つけた自由な生き方
【複業占い師・林知佳】

目次
  1. 大失恋をきっかけに、複業占い師に
  2. ハプニングの後にはいいことがある
  3. 人とのご縁を大切にする人生を

人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、複業占い師の林知佳さんをご紹介。

フリーランスとして人材派遣会社で働きながら、占い師やライター、会社経営もこなす林さん。しかし、もともとは「大手企業に勤め、素敵な男性と結婚をする」ことが夢だったと語ります。ステータスを追い求めていた林さんが、複業占い師の生き方を選択した背景とは。お話を伺いました。

1大失恋をきっかけに、複業占い師に

神戸の大学を卒業した後、損害保険会社に入りました。
その会社は2年ほどで退職し、以降は金融系の会社、ガス会社、船会社と転職を繰り返しました。
転職先は全て会社の規模やネームバリューで決めていました。
両親を含め親族が全員大手企業に勤めていたので、小さい頃から大手企業に勤めることが正義だと信じていたんです。
大手企業に勤めれば親も喜ぶし、それ以外の選択肢は頭にありませんでした。

27歳のとき、人材紹介会社に勤めていた男性と付き合い始めました。
彼の影響で人材業界に興味を持ち、私は、人材派遣会社に転職しました。

私の誕生日に、「お祝いしよう」とデートに誘ってもらいました。
楽しみでワクワクしながら待ち合わせ場所に向かいましたがなんと当日、約束の時間にドタキャンされたんです…。
もう何がなんだか分からなくて、ショックでしたね。

そして、この日以降、彼とは連絡が取れなくなりました。
私は、この現実が受け入れられませんでした。
”なんとしてでも復縁したい!”と、わらにもすがる思いで、たどり着いたのが占いでした。

タロット、占星術、スピリチュアル、ありとあらゆる占いを試し、気がつけば数ヶ月で30万円ほど使っていました。
でも結局、復縁はかないませんでした。
そのときは、ご飯も食べられなくなって、体重が6キロ減りました。

気持ちの整理がつかない中で、ある日ふと、「30万円も使って、私は一体何をしていたんだろう。もったいない」と我に返りました。
と同時に冷静な自分もいて、占いに30万円も使ったんだから、その経験を活かして私にも占いができるんじゃないか、人を占うことで使った分を回収してやろうという気持ちが湧いてきました。
早速、占いの勉強を始め、ネットでお客さんを募集しました。

平日は会社で働き、夜や土日を使って占いをしました。
占いの仕事は少しずつ増えていき、会社の昼休みを使って占いをしたこともありましたね。
失恋の痛みを忘れるためにわざと忙しくしていました。

しばらくして、東京から転勤で大阪に来た男性と付き合い始めました。
ようやく失恋の苦しみから抜け出すことができましたね。
その後、その彼とは、結局別れてしまったのですが、「これも何かのご縁!私も東京に行こう!」と決意し、上京しました。

2ハプニングの後にはいいことがある

東京では、大手人材サービスグループ傘下の人材紹介会社でエージェントとして働きました。
しかしトラブルがあり、退職することになってしまいました。
親からは「実家に帰ってくる?」と言われましたが、絶対に帰りたくありませんでした。

次の仕事探しは、前職でトラブルに巻き込まれたこともあり大手以外も視野に入れました。
求人サイトで数社が候補に挙がる中、従業員30人ほどの不動産ベンチャーの面談に行きました。
何回か面談をしているうちに、人の良さに魅力を感じました。
家族のような感覚でプライベートのことも話すんです。
不動産業界には、全く興味がなかったのですが、この人たちと一緒に働いてみたいと思い、入社を決めました。

会社で働くのは楽しかったです。
みんな仲が良くて、大手に勤めていたときのドライな感じがなく、毎日が充実していましたね。
給料は前職より減っていたのですが、占い師で補填すればいいと思っていたので、金銭面での不安もそんなにありませんでした。

ある日、人を紹介したことがきっかけで同い年の経営者と仲良くなり、彼から「林さんの力を貸してほしい」と人材会社の共同経営のお誘いを受けました。
エージェントの経験を活かして人材ビジネスをやりたい気持ちもあったので思い切って会社を辞めて起業準備に取りかかりました。

会社を立ち上げる直前、改めて契約書を確認したところ、「副業禁止」の項目があり、違反したら罰金と記載がありました。
私が副業で占いをしているのを知っているのに、なぜこんなことを書くのか理解できませんでした。
占い師をやめるつもりは全くなかったので、共同経営の話は白紙にしてもらいました。
会社員に戻るか、このままフリーランスとして独立するか悩みました。
それまで大手志向だったのもあって特に収入面で不安を感じていましたね。

ある日、占いサービスを出店しているプラットフォームの代表にたまたまお会いする機会がありました。
思い切って代表に独立のことを相談すると、代表は「林さんなら大丈夫」と言ってくれました。
また、周りの人から「代表は、大丈夫じゃない人には大丈夫と言わないよ」とも言われ、本当にうれしかったですね。
私はこの言葉に後押しされ独立を決めました。

3人とのご縁を大切にする人生を

独立してから半年後、社員全員がリモートワークをする会社で、過去に経験のあった人材派遣コーディネーターとして働き始めました。
人材派遣コーディネーターの仕事も、副業の占いも、ネット環境とパソコンさえあればどこでもできます。
自由を手に入れた感じがしましたね。

現在は人材派遣コーディネーターと占い師の他に、ペット関連メディアのライターをしています。
また昨年会社を立ち上げ、アパレル事業もはじめました。

アパレル事業は今年の3月にアフリカのケニアに行った際にふらっと立ち寄ったマーケットで、デニムのジャケットを作っている男性と知り合いになったのをきっかけに始めました。
彼と話したら気さくで魅力的で、何より作る作品がとても素敵だったので、彼とデニムジャケットを一緒に作ることにしたのです。
今後彼のジャケットをフェアトレードで日本に広めていきたいと思っています。

振り返ると、恋愛に揺さぶられた20代後半だったと思います。
でもそのおかげで人材業と出会えたし、上京するきっかけにもなりました。
何よりも占いとの出会いが大きいですね。
複数の軸足を持てたことで、やっと自分が毎日楽しいと思える生き方に気づくことができました。
仕事の面でも心の面でも救われましたね。

私はずっと大手企業に勤め、高学歴の素敵な男性と結婚するのがステータスだと思っていました。
でもその生き方はどこかしっくりきていませんでしたね。
独立してからは人とつながることが好きになったし、つながったご縁を大事にしたいと心から思うようになりました。
今後どんな人生を歩むのかは想像もつきませんが、人とのご縁を大切にして、明るく楽しく人生を生きていこうと思います。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年7月)のものです

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