3準備しているうちに死ぬかもよ
デビュー以来、失踪した話(『探さないでください』)や風俗店でくも膜下出血を発症した話(『くも漫。』)、群馬県のブラジル人が多く住む町に半年間滞在した話(『群馬県ブラジル町に住んでみた ラテンな友だちづくり奮闘記』)など、自分の体験を元にしたエッセイ漫画を執筆し続けています。
ありがたいことに『くも漫。』は映画化されました。
映画好きの自分にとってこんなにうれしいことはありません。
ただ、風俗店でくも膜下出血を発症するシーンを親戚一同で観たときはいたたまれなかったです(笑)。
生死の境をさまよう体験をしてからは、好奇心にしたがって行動することが増えました。
将来の準備のためにとか、安心・安全・安定のためにとか、人に嫌われないようにという動機で行動することが減りました。
漫画家の卵の中には、「納得のいく絵を描けるようになってから」とか、「シナリオ術をマスターしてから」と言って、準備ばかりしてなかなか作品を作り始めない人、完成させない人がいますが、そういう人には、「準備をしているうちに死ぬかもよ」と囁きたくなります(笑)。
今後はエッセイ漫画だけでなくフィクションも描いてみたいです。
「ワクワクドキドキして笑ってちょっと泣けて読み終わった後にスッキリした気持ちになる作品」が自分の理想の漫画です。
そういうものが描けるようこれからも精進していきたいです。