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やりたいことがなくてもいい。
自分を必要とする人の期待に応え続ければ

組織活性化コンサルタント 前川 由希子

2練習→成果→褒められるのスパイラル

高校卒業後は、都内の有名私立大学に進みました。
当時は就職氷河期で先輩たちの就職が決まらなかったり、入った会社が潰れてしまったりしていました。
学生生活は楽しかったのですが、大学で4年間勉強してもまともに就職できないことに大きな不安を感じていました。
そんな不安から、働かずに生きていくにはどうすればいいか本気で考え、大学3年生から公認会計士の専門学校に通い始めました。
資格を取るための学校に通っていれば、大学を卒業しても「資格を取る勉強をしています」と理由をつけて就職までの時間を延ばせると思ったからです。

ほとんど就職活動をせず大学を卒業し、学生時代からしていたコールセンターのアルバイトを続けながら専門学校に通っていました。
そんな生活が1年半ほど続いた頃、大学のゼミの先輩から連絡があり、「もし何もしてないなら、うちの会社で働いてみない?」と誘いを受けました。
この生活をしていて、やりたいことが見つかったわけでも、結婚が決まったわけでもない、このままじゃどうしようもないなと思い、この会社の正社員になりました。

人生最初の会社勤めは、死ぬほどつらかったです。
今までコールセンターでしか働いたことがなかったので、仕事一つするのにもちんぷんかんぷんでしたね。
普通、新卒で入社したら業務研修を経て職場に配属されますが、私は中途採用で入社したので、何もわからないまま営業の部署に配属されました。

なんとか仕事を覚えて業務をこなしていきましたが、つらさは消えません。
上司によく怒られていて、寝ているときに上司に突き落とされる夢を見ていたほどです。
励ましてくれる別の上司や先輩もいましたが、結局、25歳のとき退職しました。

数年後、福岡に戻りました。
妹の結婚式に参列したとき、式の司会者の女性にくぎ付けになりました。
きれいな格好をしていて楽しそうで、「おめでとうございます」と幸せそうに言っているんです。
なんて楽しそうな仕事なんだろう、どうせ働くならハッピーな仕事がしたいと思い、結婚式の司会を派遣する事務所を探してレッスンを受け始めました。

レッスンを受けて数ヶ月後、事務所が人材不足で、レッスン途中だけど結婚式の司会をやってみないかと話をいただき、「やってみます」と返事をしました。
まだプロレベルではないけど、失敗してはいけないと思い、家で毎日「それではご注目ください。
ウェディングケーキ入刀です」と繰り返し練習しました。
練習の甲斐あって、本番は見事成功。
新郎新婦さんはとても喜んでくれて、チップを頂けたんです。
練習して、成果が出て、褒められる。
自分の中でいいスパイラルに入った感覚になって、「もっとたくさんの司会をやりたい!」と思いました。

司会のキャリアを重ねていくうちに、式場の人から「ぜひ前川さんに司会をお願いします」と指名されるようになりました。
指名されて期待されているのがうれしくて、それに応えようと、多いときは年間70本から80本の司会をこなしていましたね。

司会業のかたわら、専門学校や社員研修の講師も務めるようになりました。
そんなある日、私の家に1冊の本が送られてきました。
送り主は、従業員を褒めて育てる人材育成をしているコンサルタントの男性で、本の著者でした。

男性はその後、「よければ私の講義を受けてみませんか」と連絡してきました。
コンサルタントのパートナーを探していて、そのお誘いだというんです。
いきなり本を送りつけて、講義を受けませんか、パートナーになりませんかと連絡してくるなんて変わった人だなと思いましたが、とりあえず関西に月1回、講義を受けに行くことにしました。
この人は私に、この分野での活躍を期待して連絡をくれたのではと感じたんです。

講義は面白かったです。
人材の育て方、組織の作り方などを学び、とても勉強になりましたね。
数ヶ月後、関西での講義が終わった後、男性から「あした夜中1時から3時に飲食店の企業研修が入っているので、同行してみませんか」とお誘いを受けました。
断る理由はないと、夜中0時に道頓堀で待ちあわせて、研修に同行しました。
男性は、研修への同行を即決で決めた私を気に入り、個別に指導をしてくれるようになりました。
私は男性の期待に応えようと、講師業に本腰をいれていくようになりました。

次は
3. 私を必要とする人の期待に応えたい!
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