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アイドルは生きる糧
「好き」が気持ちを動かし、世界を変える!
【アイドルビジネスに熱狂する企業経営者・鶴見至善】

目次
  1. アイドルをきっかけに広がった輪
  2. アイドルファンに国境はない
  3. 好きな気持ちが世界を変える!

人はどのようにして大切にしたい価値観に気づき、人生の軸を見つけるのか。各界で活躍する方の人生ストーリーから紐解きます。今回は、株式会社ひろろの代表を務める鶴見至善さんをご紹介。

中学生のときにハマったモーニング娘。をきっかけにアイドルファンとしての道を突き進む鶴見さん。現在はアイドルビジネスを運営する会社の代表としてアイドルと仕事をしています。鶴見さんにとってアイドルとは?お話を伺いました。

1アイドルをきっかけに広がった輪

小学校3年のとき、「美少女戦士セーラームーン」のアニメにハマりました。
学校に持っていく筆箱やグッズもセーラームーンにしていたほどハマりました。

セーラームーンは当時社会現象になっていて、大人でもハマる人が続出していました。
自分の好きなセーラームーンで、大人や世の中が動くのがすごいと思いましたね。
セーラームーンを夏休みの自由研究の題材にし、その経済効果を調べたこともありました。

中学生のときにアイドルグループ「モーニング娘。」にハマり、ライブを見に行くようになりました。
メンバーの中には小学生もいて、圧倒されたのは、そのパフォーマンスを見て、観客の大人たちが泣くほど叫びながら応援している姿でした。
大人たちが、年の離れた子どもに熱狂する姿を見て、すごいなと思いました。
僕の住んでいる地域や学校では、そんな大人の姿は決して見ることはできません。
こうした非日常空間は面白いなと思いましたね。

この頃からいろいろなアイドルグループのファンになり、握手会にも足を運ぶようになりました。
世間はインターネットが普及し始めていて、掲示板やチャットを通じてアイドルコミュニティが出来ていました。
僕もそうしたコミュニティでやり取りをするようになっていきました。

高校1年生のとき、あるアイドルのイベント後に行われたオフ会に行きました。
人生初のオフ会で、参加者は男子大学生におじさん、女性もいました。
僕が最年少でした。
年齢も職業もバラバラなのに、アイドルの話で盛り上がって、とても楽しい会でした。
アイドルという共通の趣味で、普段繋がれない人が繋がることが出来るのは、面白いなと思いましたね。

地元の愛知県の高校を卒業し、東京の大学に進学しました。
大学の友達同士で趣味の話になったとき、モー娘。が好きだと真顔で言ったら、女友達がドン引きしたんです。
「ん?東京ではアイドルを好きと言ってはいけないのか?」と思いました。
東京に来て初めて、空気を読むとはこういうことなんだと感じましたね。

大学ではマーケティングを専攻しました。
消費者の行動やブランディングがアイドルのプロデュースに通じるものがあると感じました。
大学の経営学の先生になろうと、そのまま大学院に進みました。
ただ、研究や勉強を重ねるうち、大学の先生になるのは大変そうだなと感じ、就職しようと思いました。
ブランディングやマーケティングの仕事がしたくて、大手広告代理店に入社しました。

2アイドルファンに国境はない

ところが、入社して配属されたのはキャッチコピーなどを考えるクリエーティブの部署でした。
配属が決まった瞬間、人生終わったと思いましたね。

でも仕事をこなしていくうちに、面白さも感じるようになっていきました。
マーケティングはプロジェクトを分析して1を10にする仕事ですが、クリエーティブの部署は1からプロジェクトを作り上げていく仕事が多かったんです。
何もなくても自分で作ればいいんだというマインドを身につけられました。

2012年、フランスで開かれた日本文化の総合博覧会「Japan Expo」に行く機会がありました。
日本のアイドルグループ「ももいろクローバーZ」もライブを行っていて、そこには熱狂的なフランス人ファンがたくさんいました。
このグループは日本ではそれほど有名ではないのに、なぜフランスで人気があるのか、初めは分かりませんでした。

理由を分析したところ、彼らは日本でどのアイドルグループが人気なのか情報が入ってこないため、YouTubeで探していることがわかりました。
YouTubeでアイドルグループの動画を見つけて、そこからファンになっていく。
その過程がとても面白いと思いましたし、同じ時代に同じアイドルグループに熱狂している人が世界にいたことにうれしさを感じました。

驚いたのは、ファンのフランス人ほぼ全員が、日本語を使って会話をしていたことです。
通常、日本人が外国に行ったときは、英語や現地の言葉で会話していて、フランスに限らず、現地の人が日本語を使うことはほとんどありません。
フランス人がフランスで、日本語を使って会話していることにすごいなと思いました。

帰国後、社内起業プログラムを利用して、日本のアイドルマーケットを輸出するビジネスを柱としたベンチャー企業を立ち上げました。
日本のアイドルを世界に発信するサイトを立ち上げ、日本のアイドルカルチャーに興味がある海外の人たちに紹介することで、自分たちが「情報の蛇口」の役割を果たそうと思ったんです。
サイトは人気を集め、世界中のアイドルファンに感謝されました。

ただ、アイドルビジネスは、なかなか利益が出ません。
会社では楽しく仕事をしていましたし、特に不満があったわけではないのですが、会社としてはどうしても利益を優先しなければなりません。
利益を出すのも大事ですが、果たしてアイドルはそれで幸せなのか、本当にファンのためになっているのか、疑問を感じ始めました。
考えた結果、アイドルもファンも喜ぶような自分の理想の仕事がしたくなり、11年勤めた会社を辞めました。
2018年のことでした。

3好きな気持ちが世界を変える!

現在はフリーランスのクリエーティブディレクターとして仕事をしながら、自分の推しアイドルとビジネスをする会社を経営しています。
CMや写真集、ライブイベントをプロデュースしています。

会社の社是は「好きな気持ちで動く 好きな人のために動く 好きな気持ちを動かす」です。
昔の広告は、極端に言えば1億2,000万人に幅広く受け入れてもらえるものを作ることがゴールとされていました。
広告代理店にいるときも、その考えで制作に取り組んでいました。

しかし、時代は変わりました。
いまは「幅広く」でははく、10万人単位の「熱狂的」なファンをたくさん作りだし、そこからコミュニティを作っていくことが求められます。
これからは、多くの「熱狂」を作り出していく時代になると思います。
熱狂的なアイドルファンの気持ちがわかる存在になっていきたいです。

「好きなことを仕事にするのはどうなの?」とよく聞かれますが、好きなことを仕事にするのはオススメしません。
儲からないからです。
好きなことでお金を稼ぐのは難しいし大変ですが、そもそも好きなことと稼ぐことを結びつける必要はないと思います。
人生、仕事でできているわけではありませんし、僕の会社は赤字にならない程度の利益が出せればいいと思っています。

僕にとってアイドルは、生きる糧です。
アイドルがいるから、モチベーションを保てるし、仕事も頑張れる。
無条件で生きる動機をくれるんです。
アイドル好きの人に、抵抗を感じる人もいます。
でも、アイドルに限らず、趣味やカルチャーに熱狂できると、人生が楽しくなるし、幸せです。

そもそも「幸せ」の定義は人それぞれなのに、みんな「普通の幸せ」に固執しすぎていて、人を傷つけたり、自分が傷ついたりすることが増えているような気がします。
僕は、生きづらい世の中を生きやすくしてくれる一つがアイドルだと思っています。
スポーツが好きな人、自分の子どもが好きな人、アイドルが好きな人、それぞれの「好き」を通じて、お互いの幸せを尊重できる世の中になればいいと思っています。

アイドルを応援していると、「夢ってかなうんだ」ということを毎月教えてくれるんです。
チャートで1位を獲得したとか、日本武道館のステージに立ったとか、いろいろなアイドルが夢をかなえています。
アイドルとファンで目標を共有して、そこに向かっていくアイドルの姿は素敵だと思います。

僕の推しアイドルは、パフォーマンスガールズユニット「9nine」の村田寛奈ちゃんです。
ファンとしての目標は、9nineとして立った日本武道館のステージにもう一度立ってもらうことです。
個人的な目標は、僕が死んだときに、僕の葬式で寛奈ちゃんにお焼香を上げてもらうことです。

※掲載している情報は、記事執筆時点(2020年4月)のものです

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