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定年退職→経済コラムニスト
元企業戦士がサラリーマンにエール

経済コラムニスト 大江 英樹

3定年退職後は謙虚に学ぶ姿勢を

定年まで会社を勤め上げたあと、第2の人生でやりたいことが見つからないという人を見かけます。
でも、それはしょうがないと思います。
サラリーマンはやりたい仕事ではなく、やらされていた仕事だからです。
そんな状態で定年を迎えて、やりたいことを探せと言われても分かるはずがありません。

私は独立してから、前職の会社の人たちとの付き合いをほとんどしていません。
自分を知ってもらうために、たくさんの人と知り合い、交流を図りたかったからです。
と言っても仕事をもらうためではなく、利害関係のない人たちと多く交流し、つながりを作った上で自分のスキルを与える「ギブファースト」を心がけていました。
当初、よくあるビジネス交流会の類いにも数回行きましたが、ああいうものはほとんど役に立たないということがわかりました。
参加者のほとんどがテイクを求める人ばかりの集まりだからです。

ビジネスは「やりたいこと」「やれること」「世の中が求めていること」。
この3つの接点で生まれます。
私がやりたかった投資教育ビジネスは実際の仕事にはなりませんでした。
でも、その代わりに経済コラムの執筆や定年後の生き方に関する講演の仕事は増えてきました。
これは世の中が求めていることなのかもしれません。

やれる仕事を見つけるために大事なのは「人に教えてもらう」ことです。
人との繋がりをたくさん持って、たくさんの人と話すことで、自分では気づかないことを教えてもらうんです。
若い人からの教えは特に大切です。
私は、若い人のほうが絶対に自分より正しいという信念を持ちながら話を聞きます。
そうでなくても年配者は上から目線になりがちです。
だからこそ
若い人から話を聞くときは、そのくらいがちょうどいいと思います。

60歳を過ぎても、好奇心を持つことは大事だと思います。
好奇心旺盛でないと最初の一歩は踏み出せません。

定年後、なかなか外の世界に一歩が踏み出せない人に対して私が言いたいことは「せっかくサラリーマンを辞めたのだから、自由になろうよ」ということです。
私はサラリーマンは「会社に自由を売り渡す代わりに身分の安定を買う」職業だと考えています。
それはそれで良い生活でしたが、もうその立場は終わり、自由を手に入れたんです。

定年退職して自由の翼を手に入れたと思えば、なんでも出来ると思います。
しかも、退職金やら公的年金も入ってきますから、30代、40代の人に比べたら独立するのはそれほど大きなリスクではありません。
ここまで来て一歩踏み出せないなら、別に仕事にこだわるのではなく、趣味でも何でも好きなことをやればいいし、家でのんびり過ごすのも悪くはないと思います。

世の中の多くのサラリーマンは、自分はすごい仕事をしていると思いがちですが、実際は会社の信用と、組織の中で多くの人に助けられて仕事ができているだけなのです。
会社を辞めたら謙虚に学ぶ姿勢が求められます。

もちろん仕事でなくても、趣味でもボランティアでも自分の居場所は作れます。
会社員時代は会社が居場所でした。
会社を辞めたら、どこが自分の居心地の良い場所を探す必要があります。
ただ、居心地の良い場所が何かということはやってみないと分からないんです。
だからこそ、いろいろなことをやってみることが重要なんです。

私は現在、68歳ですが、小説を書くという夢を持っています。
これまでビジネス書は多く出版していますが、物語を書いてみたいんです。
その小説が映画化されて、その映画にちょい役で出演することができればさらに良いですね(笑)。
学生時代、演劇をやっていたので、映画や舞台にも憧れがあるからです。
この夢をかなえるのは簡単ではありませんが、挑戦していこうと思います。

70歳になっても、80歳になっても、夢や目標を持ち続ける人でありたいです。

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