シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

「自分の花を咲かせて」生きていけ 女子学生から始める日本のリーダーシップ育成

NPO法人ハナラボ代表 角 めぐみ

2自分の可能性を信じようよ

ハナジョブを始めてから数年経って、今度は学生たちが社会課題に向き合う場を作りたいなと思いました。
美大で学んできたデザインで社会課題を解決するというアプローチが、共感力の高い女子学生たちに向いていると思ったんです。
実際に現場で感じて、試行錯誤しながらアイデアを実際に形にする。
その中で学生たちがさらに成長するだろうなと考えました。

2011年に最初のプロジェクトがスタート、その流れで2012年にNPO法人を新たに設立しました。
それが「ハナラボ」です。
「女子学生のリーダーシップと創造力を育み、未来の社会変革の担い手を輩出する!」をミッションに、企業や自治体とともに学生たちが社会課題解決に取り組みます。

例えば、横浜市の「大佛次郎記念館」は開館当初から比べると入館者数が激減。
若い世代に文学館を知ってもらいたいと、横浜市との協働が始まりました。
横浜市在住や在学の学生を中心に、3年間で11のプロジェクトを立ち上げました。
学生たちが毎年想像以上の成果を出すので、私も毎年感動していましたね。

長野県塩尻市では、地元の美味しい野菜をもっと知ってもらおうと、学生と地元のフレンチシェフとコラボして、塩尻の野菜を使ったスープの企画・製造に取り組みました。
学生たちが自分たちで企画を考え、モノを生み出す。
学生たちが変容していく姿に、彼女たちの大きな可能性を感じました。

こうした体験を通じて、自分にとって大切なこと、向いていること、あるいは向いていないことに気づき、目指す方向が変わります。
起業も身近になるようで、いつか起業したいという学生もいます。

ハナラボに参加する女子学生たちの多くは「やりたいことが見つからない」という悩みを抱えてきます。
それに対し、私は「やりたいことは無理に探すものではなく、自分の経験や感情が蓄積されて自ずと生まれるものだから、焦る必要はない」とアドバイスします。
無理にやりたいことを探す必要はないんです。

「自分に自信がない。行動できない」という悩みも、学生たちからよく聞きます。
ただ、自信というのは、行動をしないと生まれません。
だから、「自信がない。やりたいことがない」と言う学生には「まずはやってみたら?」と言いますね。
それから、やりたいことをするにはお金が必要になることもあるので、「やりたいことが見つかるまではしっかり働いて貯金しておくのもいいよ」という話をしています。
いつか自分が感じた問題意識を、自らが動いて解決できる人になってくれたらと思っています。

「誰が何と言おうと、みんなに可能性がある。必ず出来るから、自分の可能性を信じようよ」そう学生たちに伝えています。

次は
3. 全てのひとに「自分の花」を咲かせてほしい
1 2 3
シェアする
Twitterでシェア Facebookでシェア

マイマガジン

旬な情報をお届け!随時、新規ジャンル拡充中!