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老人ホーム・サ高住・グループホームの基本情報・知識

老後を安心して暮らすためのポイントのひとつが、住まいの選び方です。「老人ホーム・サ高住・グループホームの基本情報・知識」では、介護施設の種類をはじめとする施設選びの基礎知識と、老後の生活に密接に関係する介護保険の基礎知識をご説明します。

老人ホーム・介護施設の用語辞書

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老人ホーム・サ高住・グループホー
ムの専門サイト

ホームメイト・シニアは、老人ホーム・サ高住・グループホームなどの高齢者施設や介護施設を全国から検索できる専門サイトです。
世界でも高齢者の人口割合が高い国と言われている日本。2007年(平成19年)に65歳以上の人口割合が全人口の21%を占める「超高齢社会」に突入して以来、日本の高齢化率は上昇し続けています。

また総務省によれば、2065年(令和47年)には65歳以上の高齢者人口は約40%になると推計。こうした状況において、高齢者の家族がいる方、自身の老後を考えている方のなかには、安心して暮らせる高齢者住宅を検討する方も少なくはありません。しかし、一概に高齢者住宅と言っても、老人ホーム・サ高住・グループホームなど、その種類は様々。また施設によっては受けられる介護サービスなども異なります。

施設検索・施設選びの際、希望条件や入居する人の状態に合わせて検討することが大切。しかし、全国には数多くの高齢者施設・介護施設があるため、どの施設を選べば良いのか分からない場合もあります。

「老人ホーム・サ高住・グループホームの専門サイト」であるホームメイト・シニアでは、施設選びに悩んでいる方に向けた情報をご紹介。老人ホーム・サ高住・グループホームの入居条件でもっとも重要となってくる「要介護認定」をはじめ、入居費用、入居できる状態(介護度や認知症の有無)、提供サービス、メリット・デメリットなど、便利な情報がございます。また基礎知識だけではなく、それぞれの違いについて比較表で説明しているため、初めて目にする方、施設検索・施設選びを迷っている方も安心してご覧いただけます。

そのほか、要支援・要介護認定された場合に治療や介護にかかる費用が支援される「介護保険」の仕組みも解説。老人ホーム・サ高住・グループホームの施設情報だけではなく、介護保険について詳しく知りたい方におすすめの内容となっています。

老人ホーム・介護施設とは

一口に老人ホームと言っても、その種類は様々です。高齢化が進む日本では、老人ホームの数が足りていないと言われています。しかし老人ホームなどの高齢者施設は種類によっては定員に余裕が見られることも少なくありません。

この記事では、老人ホームや介護施設での入居条件で重要となってくる要介護認定についてご紹介した上で、老人ホームや介護施設の種類をご説明しています。それぞれ特徴があり、費用や入居できる状態(介護度や認知症の有無など)、提供サービス、暮らし方などが異なるため、希望条件や入居する人の状態に合わせて施設検索・施設選びをすることが大切です。そのため、「どの老人ホームや介護施設を選ぶか悩んでいる」という方に向けて詳しくご紹介します。

介護施設とは

介護施設についての基礎知識をご紹介します。

高齢者率が高く、「超高齢社会」と呼ばれる日本。介護施設も多種多様であり、高齢者の方とご家族の方のなかには、「どのような施設があるか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこでホームメイト・シニアの「介護施設とは」では、公的施設・民間施設の違いはもちろん、「特別養護老人ホーム」(特養)、「介護付き有料老人ホーム」をはじめとした介護サービスを受けられる高齢者施設の種類も解説します。各施設の概要を知りたい方におすすめです。

介護施設の概要

介護施設の様子
介護施設の様子

介護施設とは、介護を受けることができる施設のこと。また、施設によっては、介護以外に、生活サポートをはじめ、リハビリテーション、医療ケアなども行っています。

なお、介護施設は設置・運営する組織によって大きく2つに分類可能。自治体や社会福祉法人などによって運営される「公的施設」、民間企業によって運営される「民間施設」があり、公的施設の方が民間施設よりも費用が安めです。一方で民間施設は、費用が高い傾向にあるものの、サービスが充実していたり、職員の数が多かったりと、施設によってあらゆる魅力があります。

介護施設の種類

一口に「介護施設」と言っても、その種類は様々です。ここからは、代表的な老人ホームや介護施設とその特徴の一部を見ていきましょう。

高齢者施設の相関図
公的施設
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームの申込書
特別養護老人ホームの申込書

「特別養護老人ホーム」は、「特養」「介護老人福祉施設」とも呼ばれる施設。入所条件は、「65歳以上で要介護3以上の認定を受けている」ことが原則ですが、40~64歳以上で要介護3以上の方、やむを得ない事情で居宅生活の継続ができない要介護1~2の方も入所できます。終身にわたって利用可能な点、費用が安い傾向にある点、24時間介護サービスが受けられる点などがメリットである一方、入所まで時間がかかる点、看護師の夜間配置が義務付けられていない点などがデメリットです。

介護老人保健施設
リハビリの様子
リハビリの様子

「介護老人保健施設」(老健)は、要介護1以上の高齢者が自宅復帰を目指すための施設です。サービスとしては、医療・看護ケアや介護サービス、リハビリテーションなどが行われています。

また、介護老人保健施設では、看護師が24時間常駐する施設もあるなど、医師や看護師の体制が充実。痰(たん)吸引や経管栄養といった措置にも対応しており、医療依存度が高い人でも安心して過ごせる介護施設と言えます。なお、介護老人保健施設はあくまで家庭への復帰が目標のため、入所期間は3~6ヵ月程。終身での利用はできない点も特徴です。

介護医療院
介護医療の様子
介護医療の様子

「介護医療院」は、2017年(平成29年)度末で廃止になった「介護療養型医療施設」(介護療養病床)の受け皿として、2018年(平成30年)4月に創設されました。医療ケアや介護サービスが行われており、65歳以上で要介護1~5の認定を受けた方、40~64歳で特定疾病による要介護認定を受けた方が入所できます。

長期利用ができる施設であるとともに、介護職員の他に医師や看護師、薬剤師なども配置されていることから、介護医療院は「長期入所したい、高度な医療ケアが必要な高齢者」におすすめです。

軽費老人ホーム/ケアハウス
ケアハウスの様子
ケアハウスの様子

「軽費老人ホーム」は、比較的費用の安い老人ホーム。食事と生活サービスを提供する「A型」、食事なしの「B型」、「ケアハウス」と呼ばれる「C型」、関東・関西の都市部にある「都市型」があり、大半の軽費老人ホームはケアハウスに分類されます。また、A型とB型は新設が認められていません。将来的にケアハウスに統一されることが決まっています。

ケアハウスは、自立した生活が難しい60歳以上の方が対象の「自立型」(一般型)と、要介護1以上で65歳以上の方を対象にした「介護型」に分類可能。自立型ケアハウスでは食事の提供や洗濯といった生活支援を行っており、介護は外部のサービスを利用します。

介護型ケアハウスは生活支援に加えて、施設職員による介護サービスが受けられる点が特徴。また、自立型ケアハウスでは介護度が重いと入居できない場合、介護度が上がると退去しなければならない場合がありますが、介護型ケアハウスは介護度が重くなっても住み続けられます。

民間施設
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームの様子
介護付き有料老人ホームの様子

「介護付き有料老人ホーム」は、大きく分けて「一般型」「外部サービス利用型」の2種類。一般型では施設スタッフによる介護サービスが介護度別による定額制で受けられ、外部サービス利用型では外部事業者の介護サービスを受けて、利用した分だけ料金を支払います。

また、介護付き有料老人ホームは有料老人ホームの半分以上を占めている施設で、施設によってはレクリエーションに注力していたり、施設が充実していたりとバラエティー豊富。多くの選択肢のなかから自分に合った施設が選べる点が魅力です。

なお、介護付き有料老人ホームの入所条件は施設によって異なるので、自分の要介護度に合わせた施設を選ぶようにしましょう。

住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームの様子
住宅型有料老人ホームの様子

施設によって異なりますが、「住宅型有料老人ホーム」は、一般的に生活サポートサービスを行っている老人ホームです。介護サービスが必要な場合は、デイサービスや訪問介護といった外部サービスを利用。施設内に事業所やデイサービスが併設されていることもあります。また、住宅型有料老人ホームの入所条件は、基本的に自立状態から軽度の要介護の60歳以上。しかし施設によっては、60歳未満の方、要介護度の高い方も受け入れている場合があります。

なお、住宅型有料老人ホームにおける介護スタッフ、看護師などの数は「必要数」とされており、施設によってサービスが大きく変化。医療体制があまり整っていない場合もあるので、健康に不安を抱えている方は注意が必要です。

ちなみに、有料老人ホームには、自立・要支援程度の高齢者を対象にした「健康型有料老人ホーム」も存在。健康型有料老人ホームは、充実した設備のある施設のなかで、家事の大半をスタッフに頼んで余生を楽しめます。

また、軽度の要介護状態となっても、外部サービスを利用することが可能です。しかし、非常に数が少ない上、重度の要介護状態になったり、認知症を発症したりすると退去しなければいけません。

グループホーム
グループホームの様子
グループホームの様子

「グループホーム」は、要支援2以上の認知症の方を対象にした介護施設です。5~9人の少人数グループ(ユニット)に分かれて、スタッフのサポートを受けながら共同生活を行います。他の介護施設と異なるのは、入居者同士で家事を分担する点。また、「地域密着型サービス」に分類されるため、施設と同じ市区町村に住民票があることが入所条件となるのも特徴です。

住み慣れた場所で、少人数で過ごすことができることは、メリットのひとつ。さらに、家事を役割分担していることで自立した生活も目指せます。

なお、単身での生活を望む方に適した、「サテライト型」のグループホームも存在。サテライト型では、本体住居と一人暮らし用の住居が設置されており、入居者の希望に合わせて、食事や余暇などを本体住居で行います。一人暮らしで困ったことも、スタッフに相談できるので安心です。

サービス付き高齢者向け住宅
サ高住のイメージ
サ高住のイメージ

「サービス付き高齢者向け住宅」(「サ高住」「サ付き」)とは、安否確認・生活相談サービスなどを行うバリアフリー完備の住宅のこと。高齢者が安心して生活することができる一方で、他の介護施設に比べて、一般的な住居とあまり変わりない、自由度の高い生活が送れる点が魅力です。

サービス付き高齢者向け住宅は、大きく分けて「一般型」と「介護型」の2種類となっています。

ほとんどのサ高住は一般型で、介護が必要な人は外部サービスを利用。また、介護型は、施設のスタッフから介護サービスを介護度別の定額で受けられる他、要介護度の重い方、認知症の方にも対応しています。

シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションの様子
シニア向け分譲マンションの様子

「シニア向け分譲マンション」は、高齢者が暮らしやすいようにバリアフリー設計となっているマンションです。「分譲」であり、一般的なマンションと同様に「購入」するため、資産にできる点も特徴。購入後は、「賃貸物件として活用する」、「相続させる」といったことも可能です。

また、施設によってサービスは異なりますが、見守りサービスや生活サポート、フロントサービスを提供していたり、レストランや図書室をはじめとした設備が用意されていたりします。なお、シニア向け分譲マンションでは介護サービスを行っていません。介護が必要になると外部サービスを利用します。

老後の生活を充実させてくれるシニア向け分譲マンションですが、基本的に富裕層を対象としているので、高額な施設が多い点がデメリットです。

要介護度認定とは

老人ホームなどの介護施設の入居条件では、要介護度や入居時の年齢、必要とする医療ケアなどが重要です。初めに、要介護度について解説します。

【要介護区分の目安】

フリックによる横スライド仕様となります。

区分 認定の一般的な目安
要支援1 日常生活はほぼ自分でできる。掃除や買い物などは一部支援が必要な状態。
要支援2 要支援1よりも自分でできることが少なく、介護が一部に必要な状態。
要介護1 食事や排せつはほとんど自分でできる。身のまわりの世話に何かしらの介助が必要。立ち上がり・歩行が不安定な状態。
要介護2 身のまわりの世話、立ち上がり・歩行などにサポートが必要で、食事や排せつに一部介助を要する状態。
要介護3 日常生活全体に介助が必要な状態。食事や排せつにも一部介助を要する。
要介護4 食事や排せつ、入浴などに全面的な介助が必要。自分ではほとんど立ち上がりができない状態。
要介護5 意思疎通がほとんどできない。寝たきりの状態。

要支援2と要介護1は類似していますが、認知症の疑いが高い場合、半年以内に状態が変わり介護量の増加が見込まれる場合は要介護1になります。

介護保険サービスを受けるためには、要介護認定が必要。住んでいる自治体に申請し、調査が行われた上で認定されます。

民間施設における老人ホーム・介護施設の種類

こちらでは、老人ホームなどの介護施設の民間施設をご紹介します。

民間の老人ホームや介護施設は、一般の企業などが運営しており、公的施設より一般的に費用が高いです。一方で豊富な種類のサービスが用意されていたり、職員数が十分に確保されていたりといった特長があります。

有料老人ホーム

有料老人ホームには、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3種類があります。

介護付き有料老人ホーム
老人ホームの様子
老人ホームの様子

介護付き有料老人ホームは、有料老人ホームのなかでも人員・設備・運営の基準を満たし、自治体から認可を受けた施設のことです。介護サービスやレクリエーション、設備が充実しています。原則バリアフリーで、部屋と共有スペースがあり、機能訓練室や娯楽室、健康管理室などを完備。高齢者を最期まで看取る「看取り介護」を行う施設も増えています。

種類は「介護専用型」「混合型」「自立型」の3つ。

それぞれ入居条件・設備が異なります。対象年齢は60歳以上となっていることが多いですが、介護専用型は65歳以上が原則です。

介護専用型の介護付き有料老人ホームは、要介護1以上の人が対象。介護度が重くても過ごせるような設備となっているのが特徴です。混合型は要介護・要支援の方も、自立している方も入居できる施設。どちらかしか要介護認定を受けていない夫婦も入居可能です。また入居時に自立生活を送れている方が要介護状態になったとしても、そのまま住み続けることができます。自立型の有料老人ホームは自立状態の人が入居対象。介護専用型・混合型と比べると数は少ないです。設備が重視されている施設が多く、費用が高くなる傾向があります。

【介護付き有料老人ホームの入居基準】

フリックによる横スライド仕様となります。

  介護専用型 混合型 自立型
自立 ×
要支援 × ×
要介護 ×

なお、介護付き有料老人ホームは原則終身利用。認知症の受け入れも可能ですが、受け入れられる度合いは施設によって異なります。

介護付き有料老人ホームは24時間介護職員が常駐していることに加え、少なくとも日中は看護師が勤務していて、充実した介護・看護サービスが受けられること、施設の数が多いので幅広い選択肢から入居希望者に合った施設を選べることなどがメリット。さらに、介護サービス費は要介護度に応じて定額となっていて、頻繁に介護サービスを利用する場合は住宅型有料老人ホームより介護付き有料老人ホームが向いています。

一方で希望しても外部の介護サービスが利用できないこと、自立生活が送れる場合は介護サービス費用が無駄になってしまうことなどがデメリットです。

住宅型有料老人ホーム
老人ホームでのレクリエーション
老人ホームでのレクリエーション

住宅型有料老人ホームは食事提供や洗濯、掃除など、生活援助サービスを行っている施設です。対象年齢はおおむね60歳以上。自立状態の人から軽度の要介護レベルの人を主に受け入れていますが、施設によっては要介護5の人も入居可能です。

住宅型有料老人ホームにおける介護サービスは、 ケアマネージャーに相談して、入居する人が個別に訪問介護や通所介護などと契約する必要があります。なお、施設内に訪問介護事業所やデイサービスを併設している施設も少なくありません。このような施設ですと、施設内に介護スタッフがいることとなり、介護付き有料老人ホームと同じような介護サービスが受けられます。医療・看護体制は施設でまちまちなので、確認するようにしましょう。

住宅型有料老人ホームは、生活援助サービスや介護サービスを必要に応じて組み合わせられることが特徴です。自立した生活が送れる場合は自分で行うことが困難なことのみサービスを利用でき、介護を受けたい場合も必要な介護サービスを選べます。介護サービス費は使った分のみを支払うので、介護度が低いと安く済むことがポイント。一方で頻繁に介護サービスを利用する場合は費用が高くなってしまいます。

住宅型有料老人ホームの費用面以外のメリットは、レクリエーション・イベントが充実していること、車いすや杖といった福祉用具が借りられること、受けたい介護サービスを自由に選べることなど。自宅で受けていた介護サービスをそのまま続けることもできます。

なお、住宅型有料老人ホームには介護度が重くなると住み続けられない施設があり、状態によっては退去しなければならないこともあるので注意しましょう。

健康型有料老人ホーム
老人ホームのジム
老人ホームのジム

健康型有料老人ホームは、介護の必要性がない高齢者が対象の施設です。基本は自立した高齢者が対象で、要支援状態の高齢者も入居はできますが、要介護となると退去しなければなりません。入居対象年齢は施設によりますが、60歳以上としていることが多いです。

健康型有料老人ホームでは、掃除や洗濯といった生活支援サービス、食事提供、イベントやサークル活動、レクリエーションなどが行われています。さらにスタッフによる部屋訪問や生活相談があるので安全・安心。また温泉やスポーツジム、図書室などが設けられていることがある他、近くの医療機関と提携し、定期的な医学的検査が受けられる施設も多いです。そのため、ひとりでの生活に不安のある人、シニアライフを満喫したい人に適していますが、一方で費用が全体的に高い傾向にある点がデメリットと言えます。

老人ホーム・介護施設の費用
老人ホーム・介護施設の費用

なお、有料老人ホームは入居費用と月額利用料がかかるのが特徴。入居費用の支払い方法には、「入居一時金方式」「月払い方式」「併用方式」があります。

「入居一時金方式」は入居期間を想定し、その想定期間の家賃分を家賃前払い分として支払う方式、「月払い方式」は入居一時金(家賃前払い分)を支払わずに、毎月家賃分を支払っていく方式。月払い方式では入居時にまとまったお金が必要なくなりますが、月々の費用負担が大きくなります。ほどんどの有料老人ホームでは、「入居一時金0円」のプランが用意されていますが、このプランは月払い方式のこと。なお、入居一時金方式と月払い方式のどちらかを選択できる有料老人ホームは増加傾向にあります。「併用方式」は想定される入居期間の家賃を部分的に支払って、月々残りの額を支払っていく方式です。

有料老人ホームの入居費用は0円プランのある施設から数千万円以上必要な施設まで、千差万別。特に健康型有料老人ホームは、入居一時金が他の有料老人ホームと比べて高めに設定されていることが多いです。

月額利用料の内訳は食費や家賃、介護サービス費、食費、管理費など。入居一時金で家賃を前払いしている場合は、家賃は含まれません。月額利用料の相場は、介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホームが15~30万円前後、健康型有料老人ホームが10~40万円前後ですが、地域ごとに家賃相当額が異なっていたり、設備や医療ケア、サービスが充実した高級な老人ホームがあったりと、必要な費用は異なります。

また、日用品や介護保険外のサービス利用などにかかるお金は雑費として、初期費用・月額利用料の他にかかるので注意しましょう。おむつ代も民間施設では自己負担になります。

【有料老人ホームの比較表】

フリックによる横スライド仕様となります。

  介護付き有料
老人ホーム
住宅型有料
老人ホーム
健康型有料
老人ホーム
入居対象 自立 混合型・自立型は可
要支援 混合型のみ △(※)
要介護 介護専用型・混合型は可 ×
提供
サービス
食事
介護 〇(外部サービス) ×
緊急対応
終身利用 ×

※要介護になると退去

グループホーム

食事をする高齢者
食事をする高齢者

グループホームとは、要支援2以上の認知症高齢者を対象とする介護施設です。最大9人の「ユニット」で共同生活を行い、ひとつのグループホームでのユニットは2つまでと上限が決まっています。

ユニットの人数が9人と少人数なので、新しく覚える・認知するのが困難だと言われる認知症の人も安心して過ごすことが可能。入居している人同士のコミュニケーションも取りやすいです。さらにグループホームは地域密着型サービスであり、住み慣れた場所で生活が送れます。

グループホームでは、スタッフのサポートの下で料理や掃除といった家事を自分で行うのが特徴。このような自立した生活は認知症の進行を遅らせることにつながると言われています。また3年以上の認知症介護経験があるスタッフの配置が義務付けられていて、認知症についての知識・経験豊富なスタッフに生活や精神面のケアが任せられることもメリットです。

一方でグループホームは看護師の配置が義務付けられていません。そのため、医療ケアが必要となった場合は住み続けられない場合もあります。また少人数であることはメリットがあるものの、入居している人同士の人間関係が悪化しても調整が困難なこと、満室状態の施設が多いことがデメリットです。

グループホームでは、入居時に初期費用が必要。初期費用は敷金のような扱いで「入居一時金」「保証金」などと呼ばれ、0~100万円程度と施設によって大きく異なります。初期費用とは別にかかる月額利用料は、介護サービスを受けた自己負担額と家賃や管理費、食費といった日常生活費が内訳で、15~30万円程度が相場です。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サ高住の様子
サ高住の様子

サービス付き高齢者向け住宅は、2011年(平成23年)に創設された施設で、「サ高住」「サ付き」とも呼ばれます。基本的には介護の必要性がない高齢者が対象ですが、施設によっては認知症の人を受け入れている場合もあります。

提供サービスとして義務付けられているのは医療・介護の有資格者による「安否確認」「生活相談」です。緊急対応サービス、掃除や買い物代行といった生活支援サービス、食事サービスなどが受けられるサ高住もありますので、事前に確認するようにしましょう。介護が必要な場合は外部サービスを利用。施設によっては、介護事業所が併設されていたり、提携業者があったりします。

サービス付き高齢者向け住宅では、施設の出入りや入浴時間などに決まりが少なく、自由度が高いことがメリット。基本は自分で身のまわりの世話をするので、普通に暮らすのとあまり変わりがありません。また、入居のハードルが低いこと、施設数の増加により選択肢が広いことなども、サ高住のメリットと言えます。

一方で要介護度が高いと入居できなかったり、入居後に介護度が高くなると退去しなければならなかったりする施設があること、医師や看護師が常駐していないことに加え、夜間の見守りが手薄な施設があることがデメリットです。

サービス付き高齢者向け住宅の多くは上記のような「一般型」ですが、なかには施設スタッフが介護・看護サービスを提供する「介護型」も存在。介護型ですと要介護度が重くても安心して生活を送ることが可能です。なお、サービス付き高齢者向け住宅は「高齢者住まい法」で、年齢を理由に入居を拒否されない・退去を強制されないことが定められた施設。そのため入居後は安定した暮らしが確保されています。

施設内はバリアフリー構造であることに加え、見守りセンサーや緊急通報装置を設置。部屋(ひとり用)は25㎡以上が原則(リビングやキッチンが共同利用できる場合は18㎡以上)で、共有スペースでは入居している者同士が交流できるようになっています。

サ高住の費用
サ高住の費用

多くのサービス付き高齢者向け住宅(一般型)の契約方式は、一般の賃貸住宅と同じ「賃貸借契約」と呼ばれる方式。支払いは基本的に月払い方式で、一定額の費用を毎月支払います。

入居時には初期費用として敷金が必要。ただ、前払い家賃、保証金などを支払わなければならない施設もあるので、家賃の2ヵ月から半年分を想定しておきましょう。介護型のサ高住では、最初に家賃前払い分である入居一時金を支払う場合が多いです。

月額利用料の内訳は、家賃や共益費、水道光熱費、安否確認・生活支援サービス費など。介護サービス費は一般型・介護型で異なり、一般型ですと利用した分の自己負担額を支払い、介護型ですと要介護度認定ごとに決められた一定額を支払います。一般型で介護サービスを頻回に使用すると、高額な費用となるので注意しましょう。

サ高住に似ている施設に「シニア向け分譲マンション」があります。こちらは法的には一般的な分譲マンションと同じで、介護・医療サービススタッフの配置は義務付けられていません。バリアフリー構造で生活サポートのためのスタッフが在籍していることに加え、シニアライフが満喫できるような設備が充実していることが特徴。またマンションを購入するという形になるので、財産として残ります。介護や医療が必要な場合は、外部に依頼することが必要です。

【介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホームとサ高住(一般型)の違い】

フリックによる横スライド仕様となります。

  介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サ高住
施設の目的 高齢者が介護を受けながら居住する 高齢者が生活支援を受けながら居住する 高齢者が見守り・生活相談を受けながら居住する
介護サービス 施設スタッフによる介護 外部介護サービスを利用
介護サービス費 定額 利用した分を支払う
前払い金 入居一時金(0円プランもあり) 敷金が多い
契約方式 利用権方式が多い(※) 賃貸借方式

※利用権方式とは、家賃前払い分を支払うことで施設を使用する権利、サービスを受ける権利を得る方式です。

公的施設における老人ホーム・介護施設の種類

数ある老人ホームなどの介護施設の種類のなかから公的施設をピックアップしてご紹介します。

特別養護老人ホーム

老人ホームの様子
老人ホームの様子

特別養護老人ホームとは、地方自治体や社会福祉法人が運営する老人ホームのことです。「特養」「介護老人福祉施設」とも呼ばれます。福祉としての面が強い特別養護老人ホームは、民間の老人ホームや介護施設に比べて費用を抑えることができるのが特徴。また月額の利用料は収入・要介護度を基準に決定されるため、収入が低くても利用できます。

入居条件は原則要介護3以上。基本は65歳以上ですが、特定疾病のある方なら40~64歳でも入居可能です。認知症の症状・行動や知的・精神障がいが日常生活に支障を来す場合、また家庭状況によっては、要介護1~2でも入居できることがあります。

特別養護老人ホームで提供されるサービスは食事や入浴、排せつ介助、リハビリ、レクリエーションなど。食事内容や介助は入所者の状態によって変わります。

メリットは費用の安さの他、終身にわたって利用可能であること、24時間体制での介護が受けられること、社会福祉法人か地方自治体が経営しているため倒産しにくいことです。一方で特別養護老人ホームは、入居条件が厳しく決められていること、待機者が多く入居までに時間がかかること、施設によっては医療体制が整っていないことなどがデメリット。特別養護老人ホームは医療ケアより介護ケアを重視した施設です。入所者100人に対し、医師は1人・看護師3人が配置基準で、病院のような医療処置ができません。看護師の24時間配置も義務付けられておらず、24時間の医療ケアを必要とする方は入所できないことがあるので気を付けましょう。医療ケアが必要な方は、医師や看護師の人員体制を確認することが大切です。

なお、特別養護老人ホームは大きく3種類に分けられます。

ひとつめが「広域型特別養護老人ホーム」。こちらは30人以上が定員の老人ホームで、入居者の居住地域の制限がなく、どこに住んでいる方でも申し込むことが可能です。

次に「地域密着型特養」。2006年(平成18年)に新設されたサービスで、定員は30人以下で、原則施設がある地域に住んでいる人のみしか申込みできません。サテライト型と単独型があり、サテライト型は定員30人以上の特別養護老人ホームを本体施設として、連携しながら別の場所で運営している施設。本体施設からは通常の交通機関で20分以内の場所に設置されています。本体施設と連携されていることが前提なため、医師や栄養士、ケアマネージャー、機能訓練指導員の配置義務がありません。単独型は他施設と連携することなく、介護サービスを提供する小規模な特別養護老人ホームです。

最後に「地域サポート型特別養護老人ホーム」。在宅介護をしている方が対象の老人ホームで、見守りなどのサービスを行います。

また、特別養護老人ホームの居室は4タイプあります。

【特別養護老人ホームの居室タイプ】

フリックによる横スライド仕様となります。

  特徴
従来型個室 ひとりで1室を使うタイプ
従来型多床室 1室に複数のベッドがあるタイプ
1室4人の場合が多い
ユニット型個室 ひとり1室を使うタイプ
10人以下のユニットで食堂や浴室などを共有して生活を送る
ユニット型個室的多床室 各部屋がパーテーションなどの間仕切りで仕切られているタイプのユニット型個室

【特別養護老人ホームの居室タイプ別見取り図】

特別養護老人ホームの居室タイプ別見取り図

厚生労働省の方針により、2002年(平成14年)以降に新しく設置される特別養護老人ホームは、すべてユニット型になるように決定しました。ユニット型ですと、ユニットごと専任の職員がケアにあたるため手厚い介護サービスが受けられ、また個人のプライバシーは尊重されながらも利用者同士交流ができます。ただ、ユニット型個室的多床室では完全個室でないことがあるので、注意しましょう。

居住費や介護サービス費用は、部屋のタイプや要介護度によって変わります。居住費や介護サービス費、食費、日常生活費を入れた月額費用はユニット型で15万円前後、従来型(個室・多床室)で10万円前後(介護サービス自己負担割合が1割の場合)。多床室の方が個室よりも居住費が約1万円安いです。また年金や収入によっては、費用の減免が受けられます。

介護老人保健施設

老人ホーム・介護施設のリハビリ
老人ホーム・介護施設のリハビリ

介護老人保健施設とは、看護・介護ケアやリハビリテーション、栄養管理などによって高齢者の自立をサポートし、家庭への復帰を目指すための施設のことです。「老健」とも呼ばれます。病院と自宅の中間的な役割を果たしていて、退院後すぐ自宅で生活を送ることが不安な方に最適です。原則65歳以上・要介護1以上が入所条件で、基本的には3~6ヵ月が利用可能期間。施設にもよりますが、3ヵ月を過ぎると入所が継続されるかどうか施設に判断されます。

介護ケアの面が重要視されている特別養護老人ホームと違い、介護老人保健施設は医療ケアが手厚いのが特徴。常勤の医師による管理が受けられる他、看護師の数も特養より多く、たん吸引やインスリン注射などにも対応可能です。また理学療法士・作業療法士・言語聴覚士いずれかの資格を持つリハビリ専門スタッフがいるため、利用者に合わせた個別のリハビリ計画を組めるような体制が備わっています。リハビリは少なくとも週2回受けることができ、1回のリハビリは20~30分が目安。最初の3ヵ月は週3回以上受けられることもあります。また介護老人保健施設は公的施設のため費用も安く、利用料は月額15万円前後。さらに所得に応じて居住費・食費は減免されます。

居室の種類は特別養護老人ホームと同様、「従来型個室」「従来型多床室」「ユニット型個室」「ユニット型個室的多床室」。施設ごとに居室タイプは違いますが、ほとんどが4人部屋の従来型多床室となっていて、プライバシーの確保が十分ではありません。個室・2人部屋には特別室料が加わります。また洗濯・買い物といったサービスや、レクリエーション・イベントが充実していないことなども、デメリットです。

なお、介護老人保健施設は様々な活用方法ができる介護施設。3~6ヵ月間入所してのケアはもちろん、自宅での介護が一時的に受けられなくなった場合などに短期間だけ入所する「ショートステイ」、介護老人保健施設に通ってリハビリテーションをはじめとしたサービスを受ける「通所リハビリ」(デイケア)といった活用の仕方があります。

介護老人保健施設と特別養護老人ホームの比較を表にまとめました。

【介護老人保健施設と特別養護老人ホームの比較表】

フリックによる横スライド仕様となります。

  介護老人保健施設 特別養護老人ホーム
目的 高齢者の家庭への復帰を目指す 高齢者が介護・生活支援を受けて住む
入所条件 原則要介護1以上 原則要介護3以上
サービス 医療ケア・リハビリが中心 介護ケアが中心
入所期間 3~6ヵ月 終身利用が可能
入所難易度 特養と比べると入所しやすい 待機者が多く、入所まで数ヵ月~数年かかることも
居室面積 8㎡以上 10.65㎡以上

介護医療院

医療ケアを受ける高齢者
医療ケアを受ける高齢者

介護医療院は2018年(平成30年)に新しく創設された介護施設です。介護療養型医療施設(介護療養病床)の廃止を受け、その主な転換先として作られました。

介護医療院は、要介護の高齢者に対して医療・介護サービスを提供する生活施設で、病院に入院するほどではないけれど、老人ホームでは医療ケアが不安という人に適しています。原則65歳以上で、要介護1以上が入居条件です。特別養護老人ホームも介護サービスが受けられる施設ではありますが、介護医療院の方が特養よりも医学的管理が高度。医療体制が重視されています。

介護医療院の種類はⅠ型・Ⅱ型・医療外付け型の3つ。

Ⅰ型は介護の必要性が高く、長期療養を目的としている人、Ⅱ型はⅠ型よりも容体が安定している人が対象です。Ⅰ型の方が医師や薬剤師などの数が多く、費用は高くなります。なお、医療外付け型は居住部分と医療機関が併設している施設。比較的容体の安定している人が入居可能です。

生活の場でもある介護医療院は、病院よりも広いスペースで介護・医療ケアが受けられます。行われる医療ケアは喀痰(かくたん)吸引や経管栄養、点滴、注射など。また看取りや終末期医療・ターミナルケアにも対応している介護医療院では、同じ施設で最期まで過ごすこともできます。

一方で介護医療院は完全個室ではなく、多床室がパーテーションで区切られていることもあり、そのような施設ではプライバシーがしっかりと守られません。 介護医療院では、初期費用はかかりませんが、月額利用料がかかります。内訳は介護サービス費や居住費、食費、日常生活費で、相場は8~20万円程度。Ⅰ型・Ⅱ型、また要介護度や収入によって費用は変わってきます。

以上の3つの老人ホームや介護施設は「介護保険施設」です。入居時の費用が不要で、月額利用料のみを支払うのが特徴。また収入が少ない人は「特定入所者介護サービス費」と呼ばれる制度が利用でき、居住費や食費の負担額を減らすことができます。

軽費老人ホーム(ケアハウス)

老人ホームの様子
老人ホームの様子

軽費老人ホームとは、自立して生活することに不安がある身寄りのない人や、家族による援助が受けられない人などが入居対象の施設です。食事サービスがあるA型、食事サービスがなく自炊するB型、食事・生活支援サービスが受けられるケアハウス(C型)がありますが、A型・B型が新しく設置されることはなくなり、ケアハウスに一本化されることになりました。A型・B型は減少していて、軽費老人ホームと言えばケアハウスを指すように変化しています。

ここからは特にケアハウスをご紹介しましょう。

ケアハウスは「一般型」(自立型)・「介護型」(特定施設)に分けられます。

一般型ケアハウスは掃除や洗濯といった生活支援、食事サービス、緊急対応などが受けられる施設。60歳以上の高齢者、もしくは夫婦のどちらかが60歳以上の場合が対象で、自立している高齢者が入居できます。そのため介護の必要性が出てきた場合は、外部の介護サービスに依頼するか、退去しなければなりません。要介護3以上だと居住できなくなってしまう場合が多いです。

介護型ケアハウスは一般型と同様の生活支援、食事提供、緊急対応といったサービスの他に、介護サービスを提供します。入居対象者は65歳以上・要介護1以上の高齢者。一般型ケアハウスと異なり、要介護度が高くなっても住み続けられます。一方で介護型は数が少ないため、すぐ入居することは困難です。

ほとんどのケアハウスは、初期費用・月額利用料が必要。初期費用は施設により異なり、一般型は約30万円、介護型は数十万~数百万が目安ですが、無料の場合もあります。一般型・介護型ともに月額費用は6~17万円前後。介護型は介護サービス料が含まれるので、費用はやや高くなります。ただ一般型は、介護サービスを受ける場合、外部業者に介護サービス費を支払う必要があるので、介護の必要性の度合いを考えて一般型・介護型どちらが良いか検討しましょう。

老人ホーム・介護施設の一覧

ご紹介した老人ホームなどの介護施設をまとめました。
△は施設によっては受け入れ可能であることを指しています。

【介護施設の一覧表】

フリックによる横スライド仕様となります。

  受け入れ可能な要介護度
施設の種類 自立 要支援 要介護
1~2
要介護
3~5
認知症(※1) 入居
難易度
公的施設 特別養護
老人ホーム
× × × ×
介護老人
保健施設
× ×
介護医療院 × ×
ケアハウス
民間施設 介護付き
有料老人
ホーム
住宅型有料老人ホーム
健康型有料老人ホーム × × ×
サ高住(※2)
グループホーム × 2から
  • ※ 各施設によって変わるので、希望施設についてしっかり確認しましょう。
  • ※1 認知症については重度になると受け入れ不可な場合があります。
  • ※2 一般型を指しています。

老人ホーム・介護施設のまとめ

老人ホームなどの介護施設には様々な種類があり、特徴・費用は多岐にわたります。入居を検討したい施設ができたら、見学・体験入居をするのがおすすめ。また老人ホームや介護施設を探す際は、費用や提供サービス、設備、立地などから、希望条件を整理しておくと良いでしょう。

収入や預貯金などが少なく、老後の資金に不安がある人もいますが、介護保険施設以外でも費用が軽減できる制度があり、「高額介護サービス費支給制度」や自治体独自の助成などを利用して、経済的な負担を減らすことができます。費用があまりかからない老人ホームや介護施設は競争率が高く、年金だけでの利用は難しいのが現状です。ケアマネージャーや役所の担当などに相談し、軽減制度をうまく活用するようにしましょう。

「グループホームとは」をわかりやすく解説

グループホームは認知症高齢者が専門家による医療ケアや介護サービスを受けながら、共同生活を行なう民間施設のことです。日本では1990年代に先駆的事業者によってグループホームの取り組みが開始され、2000年(平成12年)に厚生省(現在の厚生労働省)から施行された「介護保険制度」においては、在宅サービスのひとつとして位置づけされました。

世界でも類を見ない速度で超高齢社会となった日本にとって、認知症対策は避けて通ることができません。そのため、認知症高齢者を対象としたグループホームは急速に増加傾向にあります。ここでは、グループホームの概要をはじめ、どのような特徴や条件があるのかについて見ていきましょう。

家庭介護の負担を軽減する
グループホーム

グループホーム
グループホーム

グループホームとは急性を除く認知症高齢者を対象に共同生活を行なうための民間施設のことで、「認知症対応型老人共同生活援助施設」や「認知症対応型共同生活介護」とも呼ばれています。認知症高齢者を対象にしたグループホームは、1980年代に高齢者福祉の先進国であるスウェーデンで発祥。1990年代に入り、様々な試行を経て、認知症高齢者のケアとしてスウェーデン国内では一般的なものとして普及しました。

1990年代初期にグループホームの取り組みが始まった日本においても、10年足らずで全国に1,500ヵ所のグループホームが設置。その後も介護保険の導入や厚生労働省によるゴールドプラン21などにより、グループホームは高齢者を支えるサービスとして飛躍的に増え続けてきたのです。超高齢社会である日本にとって、認知症高齢者に対応したグループホームは必要不可欠と言えます。

グループホームの目標と役割

グループホームの役割
グループホームの役割

認知症は画一的なケアを続けていると、ケア自体が生活の一部となり、自己を失っていく傾向に。そのため、グループホームでは、認知症の人たちが少人数グループを形成し、食事の支度や掃除、洗濯などをスタッフとともに共同で行なうことで、認知症の進行を緩和させる効果があります。

その他、グループホームでは、どのようなことを目標としているのかを見ていきましょう。

尊厳のある生活

認知症になっても個人を尊重し、人として当たり前の暮らしを続けられること。その人らしい生活の質が保たれるように入居者の権利を援護・推進し、安心した生活を提供することを目標としています。

自立した生活

生活上の障害を補いながらも、心身の潜在力を発揮できるように支援、または自立に向けたサポート。少人数の生活の中で役割を持つことで、人としての自信や感情が育まれることを目標としています。

認知症に伴う障害の緩和

生活しやすい環境を整えることで生活上のつまずきや認知症の進行を緩和、また安定した精神状態を維持できるようにサポートします。

家族の支援

家族に頼りがちな家庭介護の負担を軽減することも目的のひとつです。家族にも余裕が生まれ、認知症への理解や介護に関する力が向上。また、本人と家族との間でより良好な関係を築くことを、目標としています。

安心して暮らせる地域づくり

認知症に関する理解を深め、認知症高齢者が安心して暮らせるような地域づくりを目標に。豊かな人間関係を保ち、支え合う暮らしをケアします。

グループホームは少人数で家庭的な環境であることから、「なじみの関係」を作りやすく、認知症の方も落ち着いて暮らせるようになることが多いとされ、施設の数は急激に増え続けています。

グループホームの設立条件と特徴

グループホームのリビング
グループホームのリビング

認知症高齢者を支えるためのグループホームを設立するためには、いくつかの条件を満たさなくてはなりません。どのような条件があるかまとめてみました。

グループホームは、利用者がなじめるように少人数かつ家庭的な雰囲気であることが特徴です。またユニットごとにトイレや洗面、浴室が設置されていることもポイントのひとつ。認知症高齢者の方が快適な生活を送れるように最低居室面積基準が定められていますので、グループホームを検討する際には、基準を満たしているかを確認することも大切です。

【グループホームの設立条件】

フリックによる横スライド仕様となります。

立地条件
  • 入居利用者の家族や地域住民と交流する機会が確保できること
  • 入居型施設や病院の敷地外にあること
定員数
  • 1事業所当たり、1または2ユニット(生活単位)
  • 1ユニットの定員は5~9人
人員配置 ①介護従業者
  • 日中:利用者3人につき1人(常勤換算)
  • 夜間:夜勤1人
②計画作成担当者
  • ユニットごとに1人(最低1人は介護支援専門員)
③管理者
  • 認知症の介護従事経験が3年以上ある者が常勤専従
居室条件
  • 1居室には原則1人
  • 室内面積は収納設備などを除き、7.43㎡以上であること
共有設備
  • 入居者同士が交流できる食堂やリビングなど設けること
  • キッチンやトイレ、浴室などは1ユニットごとに区分すること

グループホームの特徴

次にグループホームの基本的な特徴について見ていきましょう。

【グループホームの基本的な特徴】

フリックによる横スライド仕様となります。

食事や入浴・排泄介助 介助スタッフにサポートして貰いながら自分たちで行う。
掃除や洗濯 介助スタッフにサポートして貰いながら自分たちで行う。
個別対応 スタッフが少ないため、困難な場合もある。
生活の自由度 歩行がしっかりしていても1人での外出は基本的にできない。
リハビリ(機能訓練) 施設での生活自体がリハビリに繋がっている。
レクリエーション 音楽療法や園芸療法など手先を動かすことを中心に行う。

グループホームは、介護スタッフと共に能力に応じ、掃除や買い物、食事の準備といった役割をこなします。また手先を使う音楽療法や園芸療法、脳に働きをかけるアニマルセラピーなどのレクリエーションを行なうことで、認知症の進行を軽減。ただし、生活の自由度においては、グループホームの入居者は認知症の方のため、外出時には介護スタッフが同伴するか、後ろから見守ることがほとんどです。

グループホームの入居条件

グループホームは誰でも入居できるわけではありません。入居・入所するには、主に①認知症の診断を受けていること、②65歳以上、③施設と同じ市区町村に住民票がある方、④集団生活や共同作業に支障がない方などの条件があります。順に詳しく見ていきましょう。

認知症の診断を受けていること

グループホームは、医師の診断によって認知症の診断を受けている方でなければ入居することはできません。また要支援2、要介護1以上の認定を受けている方が対象となります。介護保険サービスを利用できるため、利用者の自己負担は原則1~3割です。

なお、要支援とは「日常生活において基本的な動作をほぼ自分一人で行なうことができるが、将来的に要介護状態になる可能性があり、予防のために介護や支援をすること。また基本的には一人で生活できるが、部分的な介助が必要な状態」のことを指します。例えば、入浴は問題なくできるが、浴槽の掃除ができないなど、部分的な支援が必要な状態です。

一方、要介護とは「日常生活における基本的な動作を自分で行なうことが困難であり、何らかの介護を必要とする状態」のこと。運動機能の低下だけではなく、理解力や思考力の低下も見られます。

【要支援・要介護度の目安】

フリックによる横スライド仕様となります。

  段階 状態
要支援1
  • 基本的には一人で生活ができる
  • 複雑な動作に対して部分的な介助が必要
要支援2
  • 基本的には一人で生活ができる
  • 要支援1に比べ、複雑な動作に対しての介助が多い
要介護1
  • 基本的には一人で生活ができる
  • 要支援2に比べ、運動機能や理解力、思考力の低下、問題行動がみられる
要介護2
  • 食事は排せつなどにおいても部分的な介助が必要
  • 要介護1よりも理解力、思考力の低下、問題行動がみられる
要介護3
  • 基本動作だけではなく全面的な介助が必要
  • 理解力や思考力の低下、問題行動がみられる
要介護4
  • 全面的な介助が必要
  • 要介護3に比べ理解力や思考力の低下、問題行動がみられる
要介護5
  • 寝たきりの状態で介護なしでは日常生活できない
  • 理解力の低下が進み、意思疎通も困難

65歳以上であること

入居できるのは、原則として65歳以上の高齢者。ただし、グループホームによっては、65歳未満であっても初老期認知症や若年性認知症と診断された方であれば利用できる場合があります。

施設と同じ市区町村に住民票がある方

グループホームは「認知症対応型老人共同生活援助事業」と呼ばれる地域密着型の事業であるため、施設と同じ市区町村に住民票がある人が入居の条件となります。越境入居などは原則的にできません。入居したい施設がある場合には同市区町村に住民票を移し、申込む必要がありますが、自治体によっては一定期間が経過しないと申込みができない場合もあるため注意が必要です。

生活保護を受けている方も生活保護法による指定を受けているグループホームであれば入居することが可能。その場合もご自身の住民票が施設と同じ所在地にあるということが入居条件です。もし、入居したいグループホームと異なる居住地域の場合は、住民票を移し、その自治体へ生活保護申請をする必要があります。

なお、グループホームには住所地特例が適用されません。住所地特例とは、違う地域の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった施設に転居するために住民票を移した後にも、保険者となる市区町村は以前と変わらず引き継ぐことができ、介護保険の給付を受けることができる制度のこと。転居後に介護保険が高くなる場合でも、住所地特例の対象であれば、保険料や給付は転居前と変わりません。しかし、グループホームは住所地特例の対象外。原則として、住民票のある市区町村の保険者となります。

集団生活や共同作業に支障がない方

グループホームは、入居者同士で交流しながら可能な限りの作業を実行することで、脳の活性化を図り、認知症の進行を遅らせることを目的とした施設です。そのため、食事や家事などは基本的に入居者同士が行ないます。また集団生活を送ることに抵抗がある方や、自傷他害の恐れがある方は入居できない場合も。判断基準はグループホームによって異なりますので、事前に確認しましょう。

グループホームに入る
メリットとデメリット

グループホームに入居するとどのようなメリットやデメリットが生じるのでしょうか。順番に見ていきましょう。

グループホームに入るメリット

まずはメリットを見てみましょう。

少人数制のため、なじみやすい

認知症の方は覚えたり認識したりすることが苦手です。そのために大人数の施設では、かえって症状を悪化させ、トラブルを引き起こす可能性があります。しかしグループホームはユニット型と呼ばれる少人数制。1ユニットあたり5~9人以下の人数で生活をするために、スタッフや他の利用者を認識し、理解しあえる関係性を築きやすくなります。

認知症に関する知識と経験が豊富なスタッフがいる

グループホームでは、認知症介護についての知識や経験が豊富な職員が常駐。日常生活をサポートしてくれます。また認知症に対する機能訓練やレクリエーションが充実。生活の中で行なうことで認知症の進行を和らげる効果があります。

住み慣れた地域から離れる必要がない

グループホームは地域密着型のサービス。そのため、施設と同じ市区町村に住民票がある方が入居対象です。住み慣れた地域から離れる心配もなく、環境変化によるストレスを軽減することができます。

グループホームに入るデメリット

次にデメリットを見ていきましょう。

医療ケアに限界があること

グループホームには看護師の配置義務がありません。看護師のいない施設では医療ケアに限界があるため、医療依存度が高い方は入居できない場合も。また長期入院や常時医療的なケアが必要になった場合にも、退去しなければならないこともあります。

定員数が少ないため、満室が多い

グループホームは、アットホームな雰囲気の中で共同生活を行ない、認知症の症状を和らげることを目的としているため、どの施設も少人数制です。そのため、入居したい施設があってもすでに満室であったり、待機期間が長かったり、すぐに入れない場合があります。気になる施設があれば、早めに問合せましょう。

入居費用が高いこと

入居時の一時金が必要な施設も多く、金額も決して安くはありません。また特別養護老人ホームなどのように減免制度がないことから、全体的にかかる費用が高いことが挙げられます。グループホームに入居する時には、「入居一時金」や「保証金」と呼ばれる初期費用が必要です。金額は施設によって大きく異なります。さらに月額利用料や介護保険料、日用品代なども必要です。

グループホームにかかる主な費用

先述の通り、基本的にグループホームでは、初期費用と月額利用料が必要になります。

初期費用

グループホームの費用について
グループホームの費用について

初期費用とは入居一時金や保証金、敷金などグループホーム入居時に支払う費用のこと。初期費用には一律の基準はなく、金額は各施設によって様々ですが、概ね0~数百万円ほど必要です。

なお入居一時金はアパートなどの敷金と同様に各施設によって定められている償却率や償却期間により、償却。償却が終わる前に退去した場合は返還されます。

月額利用料

グループホームに住むために毎月必要となってくる利用料のこと。月額利用料は有料老人ホームよりも低額とされていますが、毎月15~30万円ほど必要で、都市部になるほど高くなる傾向に。月額利用料には家賃をはじめ、管理費や食費、水道光熱費が含まれている場合もあり、施設によっては別途、介護保険負担分やレクリエーション参加費などが発生する場合もあります。

一例になりますが、グループホームと有料老人ホームの料金プランを見てみましょう。

【グループホームと有料老人ホームの料金プラン】

フリックによる横スライド仕様となります。

  グループホーム 有料老人ホーム
初期費用 0~数百万円 0~1億円
入居一時金の返還 償却率や償却期間により発生 償却率や償却期間により発生
月額利用料 15~30万円 12~40万円(住宅型の場合は別途介護サービス費が必要)
内訳 家賃 5万円前後 6万円前後
管理費 1万円前後 2万円前後
食費 4万円前後 4万円前後
水道光熱費 1万円前後 2万円前後

※要介護3で比較

この他にも日常生活費や医療費など実費が必要になってきます。

グループホームを選ぶときの
4つのポイント

ここではグループホームを選ぶときの4ポイントについてお伝えします。施設間の比較検討の際に、最も条件の良い施設を選択しましょう。それでは、①入居費用、②医療体制、③介護体制、④施設内の雰囲気の順に詳しく見ていきましょう

入居費用

長期にわたって入居するためにも、施設設備や料金など無理のない資金計画で利用できる施設を選ぶことが重要です。資料やホームページだけでは分かりにくいことをリスト化し、ご予算に合った施設を見つけることが、継続して利用できるポイントです。

医療体制

看護師の配置は義務ではないため、医療ケアは施設によって差があります。かかりつけの医師や協力病院、通院の付き添いなど医療サービスについて各施設によって異なるため、持病を持っている場合は必要なサービスを受けられるかどうかを確認し、ご自身に合う施設を選ぶことが大切です。

介護体制

厚生労働省令による「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」及び「介護保険法施行規則」の基準によって、グループホームではユニットごとに1人以上の介護スタッフを配置させること、日中の時間帯は常勤換算方法で利用者3人に対し、介護スタッフは1人配置することが定められています。また、夜間及び深夜の時間帯を通じて1人以上の介護スタッフを配置しなければなりません。

なお、グループホームには、指定地域密着型サービス基準省令第99条第3項の規定である「利用者の食事その他の家事等は、原則として利用者と介護従業者が共同で行うよう努めるものとする」ということが運営基準に記されています。これはあくまでも入居者が主となって食事や洗濯、掃除などを行ない、彼らではできないことを介護スタッフがサポートすることを目指したもの。認知症の進行によっては介護スタッフが十分に揃っていなければ、質の良いサポートはできません。

認知症の状態にある入居者が自立した生活を送るためには、彼らを支えるための人員が必要です。介護スタッフの数に問題がないか確認しましょう。

施設内の雰囲気

入居者やスタッフの表情を伺うことも施設の雰囲気を知る上で重要となってきます。認知症の方にとっては、表情や仕草が大切なコミュニケーション。入居者が表情を交わし合っているか、身振り手振りで話し合っているかを伺うことも施設の雰囲気を知る手掛かりになります。

また生活感が感じられるか、玄関は使いやすいかどうか、なども注意して見ると良いでしょう。生活感が感じられない場合、入居者の生活が過度に管理されていたり、閉鎖的な運営を行なっていたりする可能性もあります。事前に体験入居やショートステイをし、施設の雰囲気や設備などのサービスを体験しておくと良いでしょう。

グループホームへの入居手続きについて

入居手続きのイメージ
入居手続きのイメージ

入居したいグループホームが決まれば、いよいよ手続きに入ります。入居の申込みは施設で行なわれる場合がほとんどです。入所申込書を提出後、訪問か来訪による面談があります。

その後、住民票や健康診断、認知症の診断書など必要書類を提出。中でも認知症の診断書は、医師の診断によって認知症と診断を受けていることの証明になりますので、必要な書類となります。

契約を交わし、入居一時金や保証金などの初期費用を支払えば、いよいよ入居スタート。なお、施設内で本人の望む生活が送れるようにケアマネージャーなどの計画作成担当者によってケアプランが計画。ケアプランが正確であれば、よりスムーズに生活をスタートすることができます。そのため、入居前には、家族や本人の希望をできるだけしっかり伝えておくことが必要です。

グループホームと有料老人ホームの違い

グループホームは有料老人ホームと同じ施設だと思われがちですが、実は受けられるサービスや費用面など大きく異なります。実際に、どのような違いがあるのか見てみましょう。

有料老人ホームとの違い

グループホームと有料老人ホームの違いを以下の表で比較しました。

【グループホームと有料老人ホームの違い】

フリックによる横スライド仕様となります。

  グループホーム 有料老人ホーム
認知症高齢者の入居 ある程度自立している認知症高齢者の方(要支援2以上) 要支援1~要介護5、入居時自立など、施設によって異なる
自立支援サポート 共同生活を通じて
リハビリを行なう
要支援1~要介護5、入居時自立など、施設によって異なる
介護サポート ねたきりや重度の要介護者への対応はできない場合もある 介護サポートもしっかり対応(介護付きであればより手厚い)
医療・看護ケア 看護師の配置は義務ではないため、医療ケアは手厚くない 医療・看護サービスも提供
介護付きであれば看護師が配置
レクリエーション 音楽や園芸など、認知症に効果がある療法を取り入れている 安全で楽しみながら行えるレクリエーションを取り入れている
居室の広さ 7.43㎡以上 13㎡以上
初期費用 0~数百万円 0~1億円
月額利用料 15~30万円 12~40万円

グループホームと有料老人ホームとの違いは、有料老人ホームが食事や掃除・洗濯、また身体介助といった介護サービスを手厚く提供していることに対し、グループホームでは、個々の能力を引き出し、普通の生活を営めるようになることを最優先として考えている点です。また医療ケアにおいてグループホームは、認知症に詳しい専門のスタッフが常駐し、入居者の心身の安定をサポートしてくれますが、有料老人ホームのように医療や看護サービスは行なっていません。そのため、慢性的な疾患を持つ人や重度の介護が必要な人はグループホームに入所できない場合もあります。

なお、有料老人ホームには「介護付き老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」などの種類が存在。以下の表で詳しく見てみましょう。

【有料老人ホームの種類と入居対象】

フリックによる横スライド仕様となります。

有料老人ホームの種類 入居対象
介護付き
有料老人ホーム
介護専用型 要介護1~5の認定を受けた要介護者のみ
入居時自立型 自立・要支援
混合型 自立・支援と要介護者を対象
住宅型有料老人ホーム 基本的には要介護、自立のいずれも対象。
健康型有料老人ホーム 自立の高齢者のみを対象

介護付き有料老人ホームは「特定施設入居生活介護」の指定を受けた施設です。手厚い介護サービスや生活支援を受けられます。また「介護専用型」「入居時自立型」「混合型」の3つのタイプに分かれることも特徴のひとつ。入居者の状態に合わせたサービスが提供されます。

これに対して住宅型有料老人ホームは、「介護付き」のような手厚い介護サービスを受けることはできません。介護が必要となった場合は、訪問介護や通所介護などのように介護事業者と個別に契約をする必要があります。

健康型有料老人ホームは、自立の高齢者のみが入居できる施設です。健康的なシニアライフを送るためのトレーニングルームや露天風呂といった設備が充実。介護付きや住宅型と大きく異なる点です。ただし介護が必要になった場合には、他の施設へ転居しなくてはなりません。

有料老人ホーム以外の施設についても見ていきましょう。

介護老人保健施設(老健)との違い

介護老人保健施設(老健)は、病気で入院した後、自宅における生活が困難になってしまった要介護1以上の高齢者に対し、食事や入浴、排せつなどの身体的な介護、医師や看護師による医療ケア、理学療養士によるリハビリなどの日常的なサポートを提供。グループホームに比べて、より充実した医療や介護ケアが受けられることは大きな違いとなります。しかし、リハビリを行ないながら、自宅の生活へ復帰することを目的としているために、長期に亘っての利用はできません。基本的に入居期間は原則3~6ヵ月となっています。

特別養護老人ホームとの違い

特別養護老人ホーム・介護
特別養護老人ホーム・介護

特別養護老人ホーム(特養)は、地方自治体などが運営する公的の施設です。入居条件のひとつに「65歳以上かつ要介護3以上」が挙げられます。介護面においては、寝たきりなど常に介護が必要な方も入居できる他、食事や入浴、排せつと言った生活に関する手厚い介護サポートを受けることが可能です。

なお、特養には定員数が30人以上の「広域型」と定員数が30人未満の「サテライト型」「単独型」、在宅介護をしている方を対象とした「地域サポート型」の施設があります。

【特別養護老人ホームの種類と特徴】

フリックによる横スライド仕様となります。

広域型特養 定員数30人以上。地域に関係なく入居可能。
地域密着型特養 サテライト型 定員数30人以上の特養が本体施設となり、交通手段で20分以内の場所に設置。原則として施設と同じ市区町村に在住の方だけが入居可能。定員数は30人未満。
単独型 通常の特養と同等の介護サービスや設備を単独で提供する小規模な施設のこと。原則として施設と同じ市区町村に在住の方だけが入居可能。定員数は30人未満。
地域サポート型特養 在宅介護をしている方へ、見守りなどのサービスを提供する施設。

障がい者グループホームとの違い

障がい者グループホームは1989年(平成元年)、知的障がい者を対象としたグループホームが始まりとされています。1992年(平成4年)には、精神障がい者を対象としたグループホームが制度化、さらに2006年(平成18年)の障がい者自立支援法制定によって、身体障がい者も対象となりました。認知症対応型グループホームと同じく厚生労働省が深く関わっていますが、対象や入居条件は大きく異なります。

日常生活の上で介護や支援を提供するサービスは「日常生活援助」と呼ばれ、障害者総合支援法が定義する障がい者に該当する方を対象としています。

また、認知症対応型グループホームが認知症の高齢者を入居条件としているのに対し、障がい者グループホームの入居条件は「障がい者」に該当する方です。施設によって対象となる障害は異なりますが、一般的には総合失調症や知的障害などの精神障害のある方の利用が多いとされています。その他にも障害支援区分の1~6に認定されていることも条件です。

グループホームのまとめ

この記事では、グループホームについて説明をしました。グループホームは、認知症高齢者を対象にし、共同生活を行なうことで認知症の進行を緩和させることを目的とした民間施設です。高齢化が進む日本において、グループホームは増加傾向にあります。

しかしながら、認知症の方がなじみやすいようにアットホームであることを特徴とした認知症対応型グループホームは少人数制です。気に入った施設を見つけても、すぐには入居できない場合もあります。また受けられる介護サービスや医療ケアも施設ごとに異なるため、事前に調べておかなければ、入居後に後悔するケースも少なくはありません。

そのため、気になる施設をいくつかピックアップし、見学やショートステイを行なって、ご自身にあった施設を選ぶことをおすすめします。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは

サ高住とは60歳以上の高齢者、または要介護認定を受けた60歳未満の方を対象にしたバリアフリー構造の高齢者向け賃貸住宅のことで、正式名を「サービス付き高齢者向け住宅」と言います。なお、「サ高住」の読み方は、「さこうじゅう」です。

2007年(平成19年)に超高齢社会を迎えた日本では、自宅に住み続けたいと考える高齢者が多い一方で、高齢者向けの住宅を希望する声も増加傾向にあります。こうした中でサ高住は2011年(平成23年)に、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることを実現する「地域包括ケアシステム」拡充の施策として創設されました。

ここではサ高住の特徴を始め、入居条件やメリット、デメリットなどについて見ていきましょう。

都道府県、政令指定都市が
監督・指導する安心の賃貸住宅

サ高住のイメージ
サ高住のイメージ

サ高住は安否確認サービスや生活相談サービスと言った高齢者支援機能を兼ね揃えた高齢者向けの賃貸住宅です。2011年(平成23年)10月「高齢者住まい法」改正によって、厚生労働省と国土交通省の下で創設。高齢者が安心して暮らせる住まいづくりを推進するために普及が図られてきました。有料老人ホームなど他の介護施設と異なり、介護不要の自立した高齢者や要介護度の低い高齢者が対象です。

また、サ高住は都道府県や政令指定都市・中核市(人口20万人以上の比較的大きな都市)が施設の登録、及び監督、指導を行なうよう定められています。バリアフリーや一定の面積、ケアの専門家によるサービスの基準をクリアした建物だけがサ高住として登録されていることから、安心して高齢者が暮らせるものとなっているのです。

一般型と介護型の違い

サ高住は大きく分けて「一般型」と「介護型」の2つ。一般型サ高住は、介護が必要となった場合、外部の介護サービス事業者と個別で契約して介護サービスを受けます。これに対して介護型サ高住の入居者は、入浴や排せつ、食事などの日常生活で必要な介護や支援、また機能訓練といった手厚い介護サービスを受けることが可能。訪問介護やデイサービスが併設されている場合が多く、要介護度が高くなっても安心して生活が送れるのです。なお、介護型は「特定施設」と呼ばれ、介護保険法によって定められた基準を満たし、都道府県知事より「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設のこと。介護型サ高住の他には、介護付き有料老人ホームや養護老人ホーム、軽費老人ホームなどが挙げられます。

サ高住の登録基準

サ高住の登録や指導、監督は都道府県・政令指定都市・中核市により行なわれます。事業者がサ高住を自治体に登録するためにはどのような基準があるのか、順に見ていきましょう。

【サ高住の登録基準】

フリックによる横スライド仕様となります。

①住宅に関する
基準
入居者
  • 60歳以上の者、または要介護・要支援認定を受けている者
  • 同居者としては配偶者、60歳以上の親族、要介護・要支援認定を受けている親族
規模
  • 各専用部分の床面積は原則25㎡以上(ただしリビングやキッチンなどを入居者同士で共同利用できる場合は18㎡以上)
構造
  • バリアフリー構造であること(原則、段差のない床や手すりの設置、廊下幅が確保されていること)
設備等
  • 各居室にキッチン、浴室、水洗便所や洗面設備、収納設備を備えていること(ただし入居者同士で共同利用するためのキッチンや浴室、収納設備が共用部分にある場合は、各戸に水洗便所、洗面設備を備えていれば良い)
②契約に関する基準
  • 書面による契約であること
  • 各居室が明確に記されていること
  • 受領できる金銭は敷金および家賃、サービスの対価のみであること(権利金やその他の金銭は受領不可)
  • 入居者の同意を得ず、居住部分の変更や契約解除を行なわないこと
  • 工事完了前に敷金や家賃などの前払金を受領しないこと
  • 基本的な方針や高齢者居住安定確保計画に適切であること
③サービスに関する基準
  • 安否確認および生活相談の必須サービスとしてケアの専門家が日中建物に常駐していること

住宅に関する基準

居室など各専用部分の面積は25㎡以上となっており、各専用部分に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室が備わっていること、またバリアフリー構造であることが基準です。ただし、共有部分に共同利用できる台所や洗面設備、収納設備があり、各居室と同じかそれ以上の環境が確保されている場合は、各居室の床面積は18㎡以上かつこれらの設備が設置されていなくても良いとされています。

契約に関する基準

居住部分が明示された書面の契約書で締結すること。また入居者が入院したり、心身状態が変化したりすることを理由に、入居者の同意を得ず一方的に契約解除をすることはできません。受領することができる金銭は、「敷金」「家賃」「サービス」の対価のみとなっており、高齢者にも分かりやすく、明示的であるよう決められています。

サービスに関する基準

安否確認サービスや生活相談サービスの提供を行なうために「ケアの専門家」が日中の間は常駐しなくてはなりません。また、夜間の常駐は義務付けられてはいませんが、何かあればすぐに駆け付けられる状態であることが必要です。なお、ケアの専門家とは、介護福祉士、社会福祉士、看護師、医師、介護支援専門員などが該当します。生活支援サービスを行なっているサ高住もありますので、事前に確認すると良いでしょう。

以上のようにサ高住は居住の安全性に配慮した様々な登録基準が定められていることで、高齢者が安心して暮らせる住宅として期待されているのです。

サ高住で受けられるサービスについて

サ高住・生活相談サービス
サ高住・生活相談サービス

サ高住は一般の賃貸住宅と異なり、常駐する職員が入居者の状況を把握し、生活上の相談に応じたり、必要があれば医療や介護サービスを受けることのできる支援を行なったりしています。

サ高住で受けられるサービスは以下の通りです。

【サ高住で提供されるサービス】

フリックによる横スライド仕様となります。

必ず提供される
サービス
  • 安否確認サービス
  • 生活相談サービス
必要に応じて提供されるサービス
  • 緊急時対応サービス(緊急時の駆け付けや、体調不良時の往診依頼、災害時発生時の避難サポートなど)
  • 生活支援サービス(外出時のサポート、買い物の代行、通院時の送迎や付き添いなど)
  • 食事提供サービス
  • 介護サービス(入浴や洗濯など)
  • 医療サービス(訪問診察や看護サービスなど)

必ず提供されるサービス

サ高住に常駐している職員が定期的に入居者の部屋を訪問し、安否確認を行ないます。頻度についてはサ高住によって異なりますが、入居者に異変があった場合には必ず対応をしてくれるため、入居者はもちろんご家族の方も安心です。また、生活に関する相談や介護、心身の悩みや不安についてもケアの専門家が対応してくれます。

必要に応じて提供されるサービス

利用できるサービスは大きく2つに分類。ひとつは緊急時に駆け付けたり、体調不良時に往診依頼をしたり、災害時には避難サポートをなど行なってくれる「緊急時対応サービス」です。そしてもうひとつは、外出時の代行や付き添い、部屋の掃除や洗濯、ゴミ出しと言った「生活支援サービス」。生活支援サービスは一般型サ高住と介護型サ高住において以下のような違いがあります。

【一般形サ高住と介護型サ高住 生活支援サービスの違い】

フリックによる横スライド仕様となります。

  一般型 介護型
食事や掃除などのサービス 外部サービスを利用 職員が対応
入浴や排泄などの介護サービス 外部サービスを利用 職員が対応
リハビリ 外部サービスを利用 職員が対応
レクリエーション 少なめ 頻繁に行なわれる

基本的に一般型サ高住に入居の場合、食事や掃除、洗濯などの生活支援や入浴・排泄などの身体介護、また機能訓練指導員によるリハビリといったサービスは必要に応じて外部の事業者と個別に契約をしますが、介護型サ高住に入居した場合はこれらのサービスを施設の職員から受けることが可能です。なお、必要に応じて受けられるサービスはサ高住によって異なるため、事前に確認し、ご自身の状態に合ったサービスを提供しているサ高住を選ぶこと良いでしょう。

看取り体制

サ高住で人生の最期を迎えたいと考える入居者は増え続けています。国土交通省の調べでは2018年度(平成30年度)のサ高住における看取り率は22.4%。前年度の19.1%から3.3ポイント上昇していることが分かりました。これは、要介護度の低い高齢者向けの住まいであるサ高住が看取りの場になりつつあることを示しています。

しかしながら、サ高住は介護の必要がない元気な高齢者や要介護度の低い方を入居対象として創設された賃貸住宅。そのため終末期のケアや看取りに対応できないサ高住が大半を占めます。介護型サ高住のように24時間看護師が常駐していたり、協力医との連携が整っていたりすれば、看取り体制が可能な場合もありますが、看取り体制などの終末ケアを希望する場合には、過去に看取り経験があるかを確認しなくてはなりません。

サ高住にかかる費用

高齢者向けの設備が充実しているサ高住ですが、費用はいくらかかるのでしょうか。ここでは、サ高住に入居するために必要な初期費用と毎月の利用料について見ていきましょう。

初期費用について

サ高住の大半を占める一般型では、通常の賃貸物件と同じように敷金として賃料の2~3ヵ月分を支払うケースがほとんどですが、中には0円のところもあります。敷金は施設によっては「保証金」と明記されている場合も。これは月額利用料が支払えなくなった場合や退去時における居室の修繕・原状回復に充てられます。それに対して介護型サ高住の初期費用は入居一時金として数十万円から数百万円。入居一時金は退去時に残額がある場合には返金される制度が設けられています。

なお、費用の支払い方法は「前払い方式」と「月払い方式」の2種類。前払い方式は前もって入居期間中に必要となる賃料を支払うため、初期費用としてまとまった金額が必要となってきます。ただし、想定入居期間より長く住む際にも追加費用の支払いはないため、長期間にわたって入居する場合は前払い方式の方が割安。また先月々の支払額を抑えられると言う利点があります。

一方、月払い方式は初期費用の負担が少なく、入居後は月々にかかる費用を払っていきます。定額を払い続けるため、短期間の入居を希望の場合は月払い方式の方が費用はかかりません。

月額利用料について

月額利用料として賃料の他に管理費・食費・水道光熱費・生活サービス代金などが必要です。賃料は周辺にある賃貸マンションやアパートの賃料相場が基準となっているため、都会など地価の高い地域では賃料は高く、地方都市や中山間地域などの地域では安くなる傾向にあります。

一般型サ高住の月額利用料は5~25万円ほど。管理費は月額利用料に含まれている場合が多く、水道光熱費は利用した分だけを支払います。食事は自炊できますが、食事サービスを利用することも可能。その場合、多くのサ高住では月額3~5万円程度が提示されています。

また自立している入居者が多いサ高住では自炊をメインとしながらも、食べたいときだけ食事サービスを予約できることも可能です。その場合は食べた分だけの金額を支払います。

これに対し、介護型サ高住の月額利用料は15~40万円ほど必要に。月額利用料には食事サービス、水道光熱費、介護サービス費用が含まれています。

その他にも医療費や薬代、生活必需品、家事代行や送迎費などのオプション費、レクリエーションやサークル活動などの参加費用が必要です。パンフレットには基本的な賃料や管理費、水道光熱費、生活支援費のみしか記載されていない場合が多いため、その他にかかる費用についても事前に確認しましょう。

サ高住の入居条件

サ高住に入居するためには以下の条件が定められています。申請をする前にご自身の状態が入居条件に合っているかを確認しましょう。

【サ高住の入居条件】

フリックによる横スライド仕様となります。

  一般型サ高住 介護型サ高住
年齢
  • 60歳以上の高齢者
  • 要介護認定や要支援認定を受けた60歳未満
介護レベル 自立~軽度の介護が必要な方 自立~要介護5
認知症の受け入れ 基本的に不可 受け入れ可能
連帯保証人 必要

サ高住の入居対象は60歳以上の高齢者か、要介護認定や要支援認定を受けた60歳未満の方が対象となっています。また同居できる方の条件としては、配偶者の他に「60歳以上の親族」「要介護・要支援認定を受けている親族」「特別な理由で同居させる必要があると知事が認めている者」です。また基本的には自立して身の回りの世話ができることを条件としていますが、介護型サ高住では認知症の方の受け入れも可能な場合があります。

サ高住の入居条件
サ高住の入居条件

サ高住では支払い能力のある連帯保証人もしくは身元引受人が必要な施設がほとんどです。連帯保証人がいない場合は、高齢者住宅財団の家賃債務保証制度を案内されることも。なお家賃債務保証制度とは、連帯保証人のいない高齢者世帯や障がい者世帯、子育て世帯などの方が賃貸住宅へ入居する際、家賃債務保証会社が連帯保証人の役割を担い、家賃債務を保証する制度です。ただし、入居の際に結ぶ契約形態が利用権方式の場合、家賃債務保証制度はご利用できません。

サ高住に入居するための手続き

入居したいサ高住が決まれば、本人または家族の方が手続きを行ないます。サ高住から求められる「入居申込書兼個人情報使用同意書」や「健康診断書」、医療機関書式の「診療情報提供書」など入居審査に必要な書類を提出。その後には入居前の面談があります。このとき契約内容や重要事項、管理規定についての説明や入居を希望する方の健康状態や普段の生活の様子、要望などを確認しましょう。契約に問題がなければ、契約書に署名と捺印をし、入居金を支払えば正式に入居契約が完了となります。

サ高住の退去条件

サ高住の退去条件
サ高住の退去条件

サ高住は「高齢者住まい法」により一方的な契約解除が禁じられていることから、突然退去させられる心配はありません。ただし、サ高住によっては退去に関する条件が定められている場合もあります。主にどのような退去条件があるのか見ていきましょう。

要介護度が高くなった場合

要介護度が高くなり、日常的な介護ケアや医療ケアが必要になった場合には、退去を求められることもあります。また多くのサ高住においては、3ヵ月以上の長期入院をしなくてはならなくなった場合には「症状が回復せず施設の復帰が困難」と判断され、退去要件になることも。そのため、病気やケガなどで長期的な入院をしなくてはならない場合には注意が必要です。

他の入居者への迷惑行為や
トラブルが多い場合

暴力や暴言、大声で寄声を発するなどによって他の入居者や職員等に危害を及ぼす、または及ぼす恐れが高い場合には退去を求められます。また、迷惑行為やトラブルが発生する原因が認知症などの症状の場合、退去要件となるケースも。認知症の進行については問題になる前にサ高住側に確認をしておくと良いでしょう。

経済的な要因

経済状況の変化によって月々の賃料や諸費用が支払えなくなった場合も注意が必要です。本人の支払い能力が低下、または不可能になった場合、連帯保証人や身元引受人が支払いの義務を負わなくてはなりません。サ高住によっては差がありますが、退去要件については入居契約書や重要事項説明書などの書面に明記されてありますので、入居前に確認しましょう。

サ高住の契約形態について

サ高住の賃貸借契約
サ高住の賃貸借契約

基本的にサ高住に入居する際に結ぶ契約は、一般的な賃貸物件と同じく「賃貸借契約書」となっています。

ただし、高齢者を対象としたサ高住の場合には、賃貸借契約書は大きく分けて「建物賃貸借契約」と「終身建物賃貸借契約」の2つ。それぞれ細かく見ていきましょう。

建物賃貸借契約

建物賃貸借契約は、建物を対象とする有償の賃借契約です。入居者が死亡した場合でも、契約を相続するという形式で遺族が引き継ぐことが認められています。もし入居者本人が死亡しても配偶者が存命なら、故入居者の契約を配偶者が相続し、サ高住に住むことができるのです。配偶者以外の親族も同様に相続はできます。

一般的には建物賃貸借契約が可能なサ高住は認可の基準が厳しく、建物賃貸借方式の契約ができるサ高住は多くはありません。

終身建物賃貸借契約

終身建物賃貸借契約は入居者本人が死亡するまでの契約です。原則は終身制ですので高齢者が終身にわたって居住できますが、入居者が死亡した時点で契約終了となるため、親族や同居していない配偶者は契約を相続することはできません。ただし例外として、夫婦で入居した場合においては、契約者本人が亡くなった後にも配偶者は引き続き入居できる権利が与えられます。

なお、サ高住の賃貸借契約方式に対し、有料老人ホームでは「利用権方式」の契約形態が一般的です。利用権方式とは入居時に入居一時金を支払い、終身にわたって施設の居室や共有スペース、介護サービスなどを利用できる権利を得る契約のこと。入居一時金は施設によって金額が異なります。契約者本人が死亡した場合、親族が権利を相続することはできません。また、入居中であっても要介護度が上がった場合、退去しなくてはならないこともあります。

サ高住とシニア向け分譲マンションの違い

サ高住もシニア向け分譲マンションも「バリアフリー設計」の住まいです。そのため、同じ施設だと思われがちですが、実は細かい部分ではかなり違いがあります。

【サ高住とシニア向け分譲マンションの違い】

フリックによる横スライド仕様となります。

  サ高住 シニア向け分譲マンション
設備基準や
届出
  • 高齢者住まい法に基づき、設備の基準が定められている
  • 行政に届出・登録する必要がある
  • 法の指定はないため、届出の必要がない(ただし多くの建物でバリアフリー設計や手すりが考慮されている)
契約方法 基本的に賃貸借契約 所有権方式による契約
費用 敷金:家賃の2~3ヵ月分
月額利用料:5~25万円前後
購入費:1,500万円~数億円
月額利用料:10~30万円
主な
サービス
  • 安否確認や生活相談サービス
  • 必要に応じて介護・医療サービスが受けられる
  • コンシェルジュが常駐
  • プールやシアタールーム、レストランなどの設備が充実
その他
  • 住み替えがしやすい
  • 施設ごとにサービスが異なる
  • 売却やリフォームが自由
  • 固定資産税等がかかる

サ高住とシニア向け分譲マンションの大きな違いは契約方法と言えるでしょう。シニア向け分譲住宅は所有方式のため、売却や賃貸することができる他、所有者が死亡した場合には相続財産のひとつになります。

バリアフリー設計
バリアフリー設計

設備面においてサ高住は設備基準が明確に決められていますが、シニア向け分譲マンションには法的な規制はありません。しかし、高齢者が暮らしやすいようにバリアフリーをはじめ、手すりや廊下幅について配慮している建物がほとんどです。また医療機関や介護事業所が同じテナント内に入っているため、万が一のときにはすぐに対応できます。

いずれの場合も、必要に応じて外部の事業所と個別に契約を結ばなくてはなりません。

なお、費用面ではシニア向け分譲マンションの方が高額になりますので、ご資金プランに合わせながら、検討することをおすすめします。

サ高住を利用するメリット(利点)とデメリット(問題点)

ここではサ高住を利用する際に、どのようなメリット(利点)やデメリット(問題点)があるのかを見ていきましょう。

サ高住を利用するメリット(利点)

入居しやすい

高齢者になると色々な事情により、賃貸住宅の契約がしにくくなってきます。しかし、サ高住は高齢者向けの賃貸住宅。高齢者の方でも簡単に契約することが可能です。また、要介護度の低い高齢者や自立した生活を送ることのできる高齢者も入居することができます。なお「高齢者住まい法」によって一方的な契約解除が禁じられているため、入居者の同意なく急に退去させられる心配はありません。

生活の自由度が高い

一般型のサ高住は要介護度の低い高齢者の受け入れを前提としていることから、他の介護施設に比べて、外出や外泊などが自由に行なえます。またサ高住はグループホームなどのような共同生活ではないため、各々のライフスタイルに合わせて料理をしたり、入浴をしたりすることが可能です。

諸費用を抑えられる

サ高住は基本的に賃貸借契約に基づく賃貸住宅のため、初期費用としてかかる費用は敷金賃料(1~2ヵ月分前払い)、仲介手数料や家財保険料のみ。有料老人ホームなどに比べても初期費用がかかりません。また、一般型サ高住の場合は手厚い介護サービスの提供が少ない分、月額費用も低額になっています。

設備が充実している

サ高住はバリアフリー構造が義務付けられている他、洗面台や手すりの高さも配慮され、高齢者にとっては住みやすい環境です。完全個室なのでプライバシーが守られています。

また多くの運営会社が参入していることから、サ高住の供給量は多く、選択肢の幅が豊富なこともメリット(利点)です。

地域の介護サービスを受けられる

サ高住では、介護が必要になった場合でも外部業者と個別に契約し、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを受けながら住み続けることができます。併設する施設がなくても、地域の介護保険事務所より必要な介護サービスを受けることが可能です。なお、要支援・要介護度によって介護保険の自己負担額は異なります。

介護サービスを受けるためには、原則として介護保険料を住民票のある市区町村に支払い、介護保険給付を受けなくてはなりません。しかし「原則のみ」だと介護保険施設等の所在する市区町村に給付金の負担が集中することから、特例として介護保険3施設や特定施設に入所する場合は、住民票を移した場合でも変更前の自治体と同じ保険料を払い、介護保険の給付を受けることができます。これを「住所地特例」と言い、サ高住は2015年(平成27年)4月より住所地特例の対象になりました。

ここまではメリット(利点)について説明しました。次にデメリット(問題点)や注意点について見ていきましょう。

サ高住を利用するデメリット(問題点)

要介護度によっては住み続けるのが難しい

入居後に要介護度が高くなったり、認知症の症状が進行したりすると退去しなければならないことも。医療依存度についてはどの程度まで受け入れ可能か、あらかじめ問合せる必要があります。

看護師や医師が常駐していない

サ高住はあくまでも賃貸住宅です。生活相談サービスや見守りサービスが受けられても、有料老人ホームのように介護サービスや医療ケアが十分ではありません。特に夜間は「緊急通報システム」があれば、職員が常駐する必要はないため、万が一のときに適切な対処をして貰えない可能性があります。ただし、サ高住によっては介護・医療との連携を強化している施設もありますので、事前に医療ケアの体制について確認すると良いでしょう。

安全性の高いサ高住へ入居するためのポイント

数多くあるサ高住の中からより安全性の高い施設を選ぶためにどのようなことを確認すれば良いでしょうか。ここでは入居前に確認すると良いポイントについて説明します。

費用面

サ高住にかかる費用は家賃や光熱費の他にも食費や医療費、オプションサービス費などの費用が必要です。これらの費用はホームページやパンフレットに記載されていない場合もあります。賃料や光熱費だけではなく、ご自身が使うことになる費用なども計算し、どれくらいの月額利用料が必要になるかを把握しておきましょう。

設備面

緊急ボタンやセンサー位置の確認、職員が不在の場合にどこへ通報すれば良いのかを必ずチェックしましょう。また夜間の人員配置について、24時間職員が常駐しているかどうかを確認。配置がない場合には緊急時体制はどのようになっているか確認することも重要なポイントです。

見学や体験入居

気になるサ高住があれば、体験入居を行なうと良いでしょう。施設の立地や雰囲気をはじめ、周辺環境などは実際に現地に足を運ばなくては分かりません。希望するサ高住はひとつに絞らず、いくつかピックアップして見学・体験入居することをおすすめします。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)のまとめ

超高齢社会が加速する日本において、ニーズが高まりつつある高齢者住宅。その中でもサ高住は介護・医療の有資格者が従事しており、安否確認や生活相談サービスを受けながらも自由度の高い生活を送ることができる施設として人気です。

ただし、費用やサービスの質については施設によっては大きな差があります。そのため、気になるサ高住があれば入居前に見学や体験入居をすると良いでしょう。複数のサ高住を比較することで、よりご自身の希望に叶う施設を見つけることができます。

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